sonic.exe ~the unknown story~ 作:トラちゃん
ソニックは、シャドウに導かれるままに、マザーコンピュータ室へ向かった。
そこには、先客がいた。
「あっ、ソニック! ついさっき、アリスっていう女の子が倒れたって聞いて、それで…」
テイルスだった。
ソニックは、テイルスが話し終わらないうちに、あるものを見つけた。
「…なあ、これって……」
「間違いない。 彼女のものだ」
それは、アリスがいつも髪に付けていた赤色のリボンと、彼女の革靴と靴下だった。
それらは荒々しく床に撒かれていた。
その、アリスの持ち物が撒かれていたのは、マザーコンピュータのすぐ前だった。
「…じゃあ、アリスは、ここで…?」
「そういう事になる。 …そういえば、僕が倒れたのも、ここだったような気がするな」
「えぇぇ!? シャドウもここで!? …うわぁ、何だか嫌な予感がしてきたよ。 なんだって、ボクが隣の部屋で作業してても、何も聞こえなかったし…」
ソニックは無意識のうちに、彼女の赤色のリボンを腕に巻いていた。
「何をしているんだ?」
「…いや、なんとなくさ。 何だか、これを身につけた方が良さそうな気がしてきたんだ」
「そっか… じゃあ、それはまた、後でアリスに返してあげてね」
…アリスに返す、か…。
…きっと、返してあげるさ、アリス…
「さ、そろそろ戻ろうよ。 アリスが心配なんでしょ? ボクもそうだよ」
「…まだ、彼女がどうなるかは分からない。 早めに戻るのが良いだろう」
仲間たちの優しい言葉に、思わずソニックは涙しそうになった。
「…そうだな、帰ろうぜ…
って、な、何だ、コレは……!?」
急に、周りの情景が霞んできた。
彼らの視覚がおかしくなってしまったのか、それとも周りが勝手に歪み始めたのかは定かではなかった。
「…っ、そ、ソニック…、大丈夫…?」
異常事態に巻き込まれたのは、ソニックだけではなかった。
シャドウも喘ぎながら言う。
「コレだ…、僕が倒れたのは…!」
「…な、何だって…!?」
彼らが二言ほど会話を交わしている間に、周囲の景色はどんどん崩れていった。
彼らは、まるで砂嵐のような霞の中に倒れこんでいった。
【 良かったんだね、これで 】
「ええ、あなたのお陰ですわ。 でも、やっぱり約束は約束ですのよね… 今更変えるなんて、できないですわよね……」
【 ルールには、従わないと 】
「私…やっぱり、少しだけ……怖いですわ。 約束したのに」
【 何も心配しなくていい 】
「でも、私は………
私は、もう戻れないんですの?
もう一度、戻れないんですの…?」
【 それは、ぼくが決めることじゃない 】
「わ、私は…、ただ……」
【 それに、 】
【 君も、『仲間』になるんだから 】