sonic.exe ~the unknown story~ 作:トラちゃん
「な…、何で……オマエが…?」
ソニックは、前にテイルスドールをちらっと見たきり、もう長いこと会っていなかった。
それに、以前会ったのは、確か 皆でレースをしていた時で、その時、テイルスドールはあくまでも『エッグマン製のロボット』だった。
その時は、彼は喋りもしなかったし、ソニック達と関わろうともせず、まさにロボットそのものだった。
今、何故彼がここにいるのか、ソニックは全く想像できなかった。
「あはは… まあ、随分前の事だしね、アレは。 あれから色々あったんだよ」
「…説明してくれ。 何で……何でこうなったのか。 オレにはまだ理解できそうにないんだ」
テイルスドールは、フラッとソニックに近づいてきたかと思うと、それまでやや高く宙に浮いていた彼は、少し高度を下げた。
「まず…この子からだね、説明しなきゃいけないのは。 ちょっとこの子を触ってごらん」
唐突に言われて、ソニックは面食らった。
「は!? いやいや、いくら倒れてるからって……」
「大丈夫。 今は僕が拘束してるから。 ほら早くしてよ、あんまり時間がないんだ」
彼に急かされて、ソニックは恐る恐る『彼』に触れてみた。
彼は手袋をしていたが、それでも感覚ははっきり伝わってきた。
…『彼』は、冷たかった。
『彼』にはもう命が宿っていない事を彼はもう知っていたが、それでも あり得ないぐらい、『彼』は冷たかった。
面食らっているソニックに、テイルスドールは静かに話しかけた。
「もう知ってると思うけど、この子は生きてない。 かといって死んでる訳でもないんだ。 …この身体は、元は君のコピーにあたる存在が有していたものだ。 でも、その所有者は、もう生きてない。 死んじゃったんだ、ちょっとした事件があってね」
「じゃあ、コイツは……?」
「さっき、君はエミーに会って、ちょっと話を聞いてきたでしょ。 彼女は黒魔術に手を染めて、なんとかあいつを生き返らせようとしたんだ。 …でも失敗したんだね。 で、代わりに来たのは何だと思う?」
「わ…分からない」
そこでテイルスドールは、いかにも面白い話をするかのように、ソニックに近づいてきた。
「簡単に言うとね、怨霊だよ。 …何で怨霊なのか、分かるかな?」
ソニックは、そこまで聞いてハッとした。
「まさか……その、元の身体にいたヤツか……?」
「ご明答! よく分かったね。 …そう、この子は元の身体の所有者の、怨霊だよ。 この子、自分からあんまり話してくれないからよく分かんないんだけどね……大体、察しがつくんだ」
急に、テイルスドールは顔をあげた。
「わわ……いっけない。 このままここに留まると、この子の『仲間』が君を襲いにきちゃうな。 …よし、ちょっと掴まってて!」
言うなり、彼はソニックの手を引いて、宙に勢いよく舞い上がった。
その勢いがあまりにもよくて、ソニックは思わず目を閉じてしまった。