sonic.exe ~the unknown story~ 作:トラちゃん
ソニックが目を開くと、そこは 先程とあまり変わらず暗い道だったが、何だか色々なものが混ざりあっている、変な場所だった。
「…こ、ここは…?」
「ここはね、君たちの世界の言葉で言うと……そうだなぁ、『侵入口』だよ」
懐かしい言葉に、ソニックは驚いた。
「侵入口!? じゃあ、オレは出られるのか?」
やれやれ、という風にテイルスドールがかぶりを振った。
「まだまだ。 話は終わってないさ。 で、あの子の身体の元の持ち主はね、一旦彼の岸に行ったんだよ。 …だけど、急に強い力で引き戻されそうになったんだ。 それで、彼が此の岸に戻って来るときにね…… 途中で一体の霊と会ったんだ。 ま、彼も死んでたから、霊でいいんだけどさ」
ソニックは、どことなく嫌な予感がした。
「その霊って……」
「うん、その霊は、かなり前に世界を滅ぼそうとして、獄みたいなのに閉じ込められてたんだ。 で、彼は優しかったんだろうね……その霊と仲良くなっちゃって。 その霊がね、『自分と契約を結んでくれたら、また長く生きる事ができるようにする』みたいな事を言ったんだってさ」
「…で、オレ……じゃなかった、ソイツは……」
「契約、結んじゃったみたい。 生きるっていっても、その身体は今あの子が持ってるようなモノだから、彼が望んだとおりにはならなかった、ってワケ。 …どう、あらかた分かった?」
「ああ。 ありがとよ……。 知らなかったな、そんな事があったなんて……」
彼が言い終わらないうちに、テイルスドールが彼の視界から消えた。
「…!? あ、あれ……おい、どこ行った!?」
彼が目線を下にやると、テイルスドールが落ちて横たわっていた。
が、すぐに彼は拾い上げられた。
「…オマエ……、また……!!」
『彼』だった。
『彼』はテイルスドールを大事そうに持つと、そっと離れた所に置いた。
「…話は聞いたぜ。 オマエ……、オレなんだろ、本当は。 ややこしくてよく分からなかったけどな」
【 そうだよ 】
ソニックは語気を荒げた。
「オマエは……何がしたいんだ? …ソイツの願い事を叶えてあげたかった、ただそれだけじゃない筈だ。 言ってみろ、思い出せる範囲で」
『彼』は少し考えてから、呟いた。
【 わからない 思いだそうとしても、だめなんだ 】
「いい加減にしろ! オマエのせいで何人も悲惨な目に遭ってるんだ!」
どういう訳か、『彼』は急に悲しそうな顔になった。
…正しくは、なったように見えた、のだが。
【 今まで、ずっとそれを考えてきたんだ でも誰かが邪魔するんだよ 誰かはわからない 】
「オマエ……」
【 何か、大事なものを探しにきたような気もするんだ 置いてきてしまった何かを 】
「何か…?」
【 でも、そこからは何も考えられないんだ 邪魔されて、ね 】
「だったら……」
【 だから、外に出たらわかるんだ きっとね 】
一瞬の出来事に、ソニックはまともに反応できなかった。
鈍い感覚がして、彼は崩れ落ちた。
鋭い痛みを感じた。
今まで、どれだけ痛い思いをしただろうか。
しかし、すぐ前にいる『彼』を見て、彼は何もかもが終わったと覚った。
…テイルス……皆………!
その時、急に強い光が現れた。
彼らは共に驚いた。
光は人型になっていき、最後には身に覚えのある形になった。
「「…アリス……!!」」
表情は分からなかったが、その光は確かに微笑んだ。
『ごきげんよう。 …いらして下さったのね。 …待ってましたわ……』