sonic.exe ~the unknown story~ 作:トラちゃん
Night Square:Return to...
____real world____
ステーションスクエアに、夜が訪れた。
そこは、昔から店が多いこともあり、いつも昼間の賑わいが夜も続いて人で溢れているはずなのだが、今日は違った。
空ではヘリが、地上ではパトカーが駐在している。
物騒な雰囲気が漂う。
…もっとも、ヘリやパトカーが追っている相手を見ると、決して物騒ではないのだが。
男達の怒号が響く。
「そこの変なマシンに乗ってる野郎! 誰かは分かってるんだぞ! 出てこい!」
「おい、警察とGUNの命令だぞ! 従わなければ即刻攻撃を…
って、うわぁぁぁぁ!?」
警察官の勇敢な声が途中で腰抜けの声に変わったのは、一台のマシンが攻撃を仕掛けてきたからだった。
「うるさーい! 警察とGUNが何だってんだ!? 俺も昔はGUNの指令官だったんだぞ!」
ガシャン、とそのマシンが音を立てて運転席のカバーを外し、そこにいる男の顔を見せた。
「お前は…ジェロームじゃないか!」
ヘリから見ていた一人の軍人が呆れ声をあげた。
「ジェ…、ジェロームって、誰ですか…?」
パトカーにいた警官が、説明しろよ、と言わんばかりに軍人を見る。
「あぁ、すまない。 コイツはな、元プリズンアイランドの指令官、ジェロームだ」
「も、元指令官!? …なんで辞めたんです?」
ジェロームが身を乗り出した。
「…俺はな、ちょっと前にソニックとかいう野郎の逮捕騒動があった時に指令官をしていた。 …だがな、その逮捕は間違いで、俺は大した証拠も無いのにあの野郎を逮捕したと、指令官を解任されたんだよ!」
なるほど、と警官は納得した様子を見せた。
「へえ! それはマズいですね。 …で、何で今暴れてるんです?」
「教えてやるよ。 それはな…」
ジェロームがマシンを操作すると、マシンに新たな機銃が幾つも現れた。
「…決まってんだろ。 あの野郎を探し出してコテンパンにしてやるためだァ! 覚悟しやがれ!!」
彼がそう叫び終わるか終わらないかのうちに、沢山の機銃が乱射され始めた。
「や、止めろ、ジェローム! 町に被害が及んでもいいのか!?」
「うるせぇ! ここは俺の町でも何でもねぇから構わねぇんだよ!」
ちょうどその時、幼い子供を連れた母親が歩道を歩いてきた。
軍人が焦りだした。
「危ない!! 総員、あの機銃を全て撃ち落とすんだ! 早く!」
軍人が声を荒げるも、装備は全く動こうとしない。
変わりに、ザー………という、微かな砂嵐の音が聞こえた。
軍人はいよいよ切羽詰まった顔になった。
「お…おいっ! ちゃんと操作してるのか、あぁ!?」
「…し、システムが動きません! さっきからずっとフリーズしたままなんです…!」
「フリーズ、だと!?」
別の軍人が、パソコンのモニターを掲げて見せた。
「隊長! 何者かにシステムがハッキングされています! 発信源やウイルスは不明です!」
「バカな! 我々のシステムには最新鋭のファイアウォールが組み込まれている筈だ!それに日頃からのウイルスチェックと…」
「隊長! 親子に実弾が迫っています! もう手の施しようがありません!」
しまった、と「隊長」と呼ばれた軍人は顔を赤くした。
「何ッ!? あ、諦めるな! お前たちはそれでも誇り高きGUNの…」
実弾の炸裂音が響いた。