オラリオにて女神との平穏を求めるのは間違っていた 作:じーくとるふぉ
では今回もよろしくお願いします!
「んん...ダンジョンに来るのは半年ぶりですか...」
そう言いながらティアはケース一つに入っていた多種多彩な武器を一通り眺め"今日はどれを使おうか"考えていた。そして目に入ったのが白い髪、そして兎のように紅い目をした少年の腰元にしまわれていたもの。
「短剣...か...」
そう言ってティアが取り出したのは剣先が紫色、その他の部分は全て黒、といった短剣だった。
「使うのは久しぶりだ...ちょっと見るのもいいか」
ティアはさっき見た兎の少年の動きを真似て新しい動きを身につけよう、と声をかけることにした。
「やあ、兎の少年。君はソロかい?」
「え、兎...はぁ、はい!まだファミリアが小さくて、団員僕だけなんですよ...」
突然喋りかけられどもってしまう兎の少年だったがその驚きの表情は羞恥と心細さに顔を変えていった。
「そうか、なら都合がいい!一時的にパーティーを組まないか?できればその短剣を使っているところも見ておきたいんでね」
ティアはフレイヤファミリアを招いた時のように大袈裟に、そして懇願するように兎の少年に言ってみる。
すると
「本当ですか!?こちらこそですよ!」
ティアは一瞬で理解した、この子は優しい、この子はわかっているのだ大袈裟な演技をしていることを、しかし優しすぎるから嘘だと思い込む...可哀想な子だ。と。
しかし兎の少年はそう考えているとまでは見抜けずにティアと一諸に『迷宮』へ潜り込んだ。
「てやぁ!」
技を盗むつもりだったティアにとって兎の少年は期待外れだった。
人は見かけによらない、という言葉を信じてみたのだが今回はどうやら失敗だったようだ。
だからといっていきなりパーティーを解散するわけにもいかずはりきっているベルを見ながら片手で短剣を使いモンスターを灰にしている。
「やっぱり浅いと小さいなぁ...」
いつも以上の稼ぎが全く見込めそうにないティアは小さい魔石を拾いながら嘆いていた。
すると
「み、ミノタウロス!?」
兎の少年の悲鳴のような声が上がる。
後ろを振り返ってみるとこの階では全くと言っていいほど見ることがない、モンスターがいた。
「こんなとこまで登ってくるなんて...誰かのとり逃しか...」
下から追いやられてここまで来たであろうミノタウロスを見ると思い出したのはこのモンスターは下の階にて産まれたモンスターだということ
「これは一匹でまあまあな稼ぎかな」
「な、なに言ってるんですか!早く逃げないと!」
そう、兎の少年の判断は正しい。こんな階で、しかも短剣の使い方が知りたいなどと言っている正に兎の少年からみたらド素人にしか思えない冒険者がミノタウロスを見て逃げないなど、狂っているとしか言いようがない。
「大丈夫だって、そこで見ててください」
そう、ティアはどこか、いや、"どこもかしこも"おかしいのだ。
そう言ってティアが取り出したのは短剣ではなく蛇腹剣だった。
「こうやって...」
ティアが蛇腹剣をミノタウロスに巻きつけ始める。次の瞬間ーーー
「こう!」.
ミノタウロスは魔石と血だけを残し消えてしまう。
飛び散った血が兎の少年にかかりトマトのようになってしまうが兎の少年は何が起こったかわからないでいた。
「おっとすまないね、今拭くから...アイズヴァレンシュタインが」
「あ、あ...すいませーん!」
「...?」
いきなり後ろを向かれティアにハンカチを手渡され状況を整理できないアイズヴァレンシュタイン、そして咄嗟のことで驚いて逃げてしまう兎の少年、それを見てティアが思ったのは元から真っ赤だった顔が更に赤みを増していたな、とそれだけだった。
「ん、じゃあ俺も行きます。さようならアイズヴァレンシュタインさん」
「...?」
アイズヴァレンシュタインは終始頭上にクエスチョンマークを浮かべながら首を傾げていた。
ティアが背を向けた時、後ろから聞こえてきたのは笑い声だった。
さて、2話をご覧いただきありがとうございました!
突然ですがタイトルを曲名にする。という企画の内容をちょっとだけ変更したいと思います。
変更するというのも、話にでてくる言葉等が入っているアニメや映画の主題歌もあり、というものにしたいと思っています。
今回のタイトルは『迷宮』が入ったゲームの主題歌を使っています。
説明下手で申し訳ないですが次回もよろしくお願いします。
12/8 2:29 加筆修正しました。