黒い鳥の居場所   作:elf5242

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I have a big gun. I took it from my Lord,

「依頼?」

 

マギーが電話口で話しているのが聞こえる。バイザーを付け今までの戦闘記録を見ていたので、声しか聞こえないが、少しだけ不機嫌なのが聞こえる。

 

「暫くは管理局の専属って言っておいたんだけど」

 

『ご指名が来たのです。そしてこの依頼はなおかつ複数の傭兵で行われます。この日程で行われますのでご準備を。では』

 

そして、電話が切れる。直後にマギーの方からベキッ、という音が聞こえる。

 

「マギー、そう苛立つ事でもないだろ。今までそういう依頼は山ほどあったはずだ」

 

「そういう系の依頼は全て手遅れの状態だったでしょう。だから飛び込みは遠慮したいのよ。しかも今回はちゃんとあっちに通達していたはず」

 

バイザーを外すと、マギーが不機嫌そうな顔でファットマンを見る。そしてマギーのシャツの裾を引っ張り、スケッチブックに鉛筆を走らせる。

 

『いいよ、やっても』

 

「…………良いの?また大変なことになるけど」

 

『何時もの事、黒く焼き尽くせばいいだけ。それに危なくなったら"アレ"使えば』

 

そして頰に痛みが走る。そしてマギーが真剣な顔でこっちを見据える。

 

「"アレ"だけはダメ。"アレ"使って貴方が無事だった事がある?」

 

『…………万が一の時だけ使う』

 

「来なければいいのよ、あんなもの使う日なんて…………!」

 

そしてマギーが部屋を出て行く。

 

「あんまり無茶すんなよ。流石にあれを出すのは危険すぎる」

 

『分かった』

 

分かればいい、と付け加えた後、ファットマンは頭をグリグリと撫で回す。ゴツゴツとしてるが、大きく優しい手だ。

 

「さあ、仕事の準備だ。お前は部隊長に報告してこい」

 

『分かった』

 

そして走ってはやての部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

 

 

 

 

 

目の前に広がるのはただただ波飛沫、そしてそこから生えるように建つビル。しかし見た目はボロボロで窓も全て割れている。そしてそこには人はいない。

 

『お、いたいた。あそこだ』

 

『今回は巨大兵器が二機。それの排除よ。どんな改造されてるか分からないわ。注意して』

 

そしてヘリのハッチから飛び降りる。目標は足元の巨大なビルの屋上。そして、軽く膝を曲げながら着地する。

 

「ようやくか、遅いぞ貴様。怯えて放棄したのかと思ったぞ」

 

「止めろオッツダルヴァ。任務に支障でも出たらどうする?」

 

「その時はそいつが弱かっただけの話だろう、ウィン・D・ファンション。」

 

「…………」

 

飛び降り、着地したビルには既に三人の先客がいた。

 

一人は長身で痩せ型、ダークブルーの髪を風に揺らし、黒い瞳でこちら見下すように見ている男、オッツダルヴァ。

 

もう一人は、長身で、ブロンドの髪を長く伸ばし、明るい青の瞳をオッツダルヴァに向け、戒めている女性、ウィン・D・ファンション。

 

そして最後の一人。深い飲み込まれるようなどこまでも黒い瞳とそれと真逆な白い髪、その中で耳に見える部分がピコピコと激しく動いている。そしてこちらをじっと見つめている、クリア・ヘイズ。

 

「お前がレイヴンか…………噂通りのその実力、見せてもらおう。」

 

「ふん、まあ空気で構わんがな。」

 

ウィン・D・ファンションとオッツダルヴァがそれぞれ話しかける。返事を返したいが今は任務中のためスケッチブックを持っていない。その為、返せない。

 

「なんだ…………貴様、言葉も解せないのか?まるで獣だな。」

 

「いい加減にしろ、オッツダルヴァ。済まないな、こいつはこういう奴だ。気にしないでくれ。」

 

ウィン・D・ファンションが頭を優しい手つきで撫でる。マギーが撫でる時とはまた違う気持ち良さに目を細める。

 

「…………」

 

そしてこちらをじっと見つめているクリア・ヘイズの方に向くと、握手から、腕相撲の形に、それから拳に握った後に上、下、真ん中の順にぶつけ合う。心なしか耳に見える部分の動きが激しくなっている。

 

『聞こえるか?簡易的だがブリーフィングを始める。』

 

そして、声が聞こえる。何時ものマギーではない、別の女性の声。

 

『今回の作戦は私が全員のオペレートを務める。目的は、巨大兵器"アームズフォート"二体の撃破だ。双方、タワーの技術で改造されているものだ。どんな改造がされているかは行って見なければわからん。貴様らなら死ぬ事はないだろうが、油断しても慢心するなよ』

 

「ふっ…………誰にモノを言っているかわかっているか?セレン・ヘイズ」

 

『黙れカナヅチ、無駄口を叩ける余裕があるなら任務に集中しろ』

 

「貴様…………!」

 

オッツダルヴァが額に青筋を立て、ヘリに突撃型ライフルを向ける。それと同時にクリア・ヘイズがオッツダルヴァの顔に散弾バズーカを向ける。

 

「ほう…………やる気か?」

 

「…………殺す…………!」

 

オッツダルヴァとクリア・ヘイズが構えた瞬間に目の前にレーザーブレードがボーダーラインのように両者の間に伸ばされる。

 

「止めろ、此処で無駄弾を使うより、一発でも多く敵に打ち込むのが先決だろう?」

 

両者は数秒にらみ合うとオッツダルヴァが先に引く。

 

「運が良かったな」

 

「…………次は殺す…………」

 

そしてクリア・ヘイズも武装を引く。

 

『収まったようだな。此方からターゲットのビーコン情報を送る。好きな方に向かえ。ブリーフィングは以上だ。構えろ』

 

その言葉に全員がバイザーを付け、起動する。武装はヒートパイル、レーザーブレード、それをそれぞれ2本ずつ装備している。肩部にはヒート弾頭のミサイル。

 

オッツダルヴァは藍色の細身の装甲に突撃型ライフルとレーザーバズーカ、PMミサイル、レーダーを装備している、シャッター上のバイザーが目を覆っているのが特徴の"ステイシス"。

 

ウィン・D・ファンションは金色の装甲に、レーザーブレード、レールガン、パルスキャノン、デュアルレーザーキャノンを装備している、"レイテルパラッシュ"。

 

クリア・ヘイズは黒色の装甲に、散弾バズーカ、ガトリング、16連ミサイル、レールキャノン、32連発連動ミサイルを装備した、"ストレイド"。

 

『ミッション開始!』

 

そして、オッツダルヴァ、ウィンDファンションが左に行くのを反応で確認、クリア・ヘイズとともに進む。

 

『目標アームズフォート、"ランドクラブ"を確認。砲塔がソルディオス砲に置き換えられている。最低最悪のエネルギー砲だ。絶対に当たるな』

 

そしてランドクラブが此方に、ソルディオス砲と呼ばれる、コジマ粒子と呼ばれる重金属粒子を高温高圧で圧縮、更にそれを電磁加速で撃ち出すもの。勿論そんなものが直撃すれば人体など歩く消し飛んでしまう。

それが向けられているにもかかわらず、恐れずにランドクラブに猛スピードで向かっていく。

 

『…………先手貰う…………』

 

クリア・ヘイズが一言言うと、16連ミサイルと32連連動ミサイルを起動、一斉に撃ち出す。合計48発のミサイルがランドクラブに向かっていく。それに便乗するようにヒートミサイルを撃ち込む。がランドクラブの弾幕により大半が撃墜される。そして爆煙の目隠しが発生する。

 

『右から…………』

 

そしてクリア・ヘイズがランドクラブの右側から攻めに行く。それを視認した後に左側に回り込む。すると機銃による厚い弾幕が張られる。それをミリ単位で回避しながら接近していく。

 

「…………ッ!」

 

そして左側の砲塔二基がこちらを向き、そこにエネルギーが収縮する。

 

『馬鹿か!直ぐに射線から外れろ!』

 

そしてソルディオスが火を噴く。緑色の光弾が向かってくる。それを無理やり身を捻って、回避。そのまま後方に落下し、手頃のビルの上に着地する。

 

『問題ないな?なら、動け。敵が待つと思うな!』

 

セレンに促されると、すぐ様飛びランドクラブに向かう。すると一拍遅れて、先ほどいたビルがソルディオスで消し飛ぶ。それを見向きもせずに、ランドクラブに肉薄。両手のヒートパイルを振り上げ、そのままランドクラブを殴り付ける。そしてランドクラブの左半分が爆発する。そして数秒遅れて右半分も爆発する。

 

『ランドクラブの撃破を確認…………いや、まて!』

 

すると砲塔である球体部分が浮遊、自律行動を始める。

 

『分離飛行だと…………?気をつけろ!敵ソルディオス砲、自律しているぞ!』

 

あまりに奇怪な現象に、思わずセレンが暴言を吐く。

 

『あんなものを浮かべて喜ぶか!変態共が!』

 

すると六基のソルディオスの内、3基がこちらに向かってくる。そして光弾を放つ。再び空中で体を捻って回避、その際に僅かにかすったのか、左手のヒートパイルがグレイズする。それを誘爆する前にパージする。

 

『左腕、任意パージを確認及び子機登録を削除します』

 

そしてハンガーのレーザーブレードを取り出す。だが、取り出したレーザーブレードの名前が問題だった。

 

『貴様…………!まさかそれは…………!』

 

傭兵の子機の中で最も扱いにくいとされる三つの武器。レーザーライフル"カラサワ"、グレネードキャノン"OIGAMI"、そして今持っている、レーザーブレードの中でも群を抜いている威力と長さを持つこのレーザーブレードの名は"月光"。

 

「…………!」

 

右腕のヒートパイルもパージし、両手に月光を持つ。明るい紫色に光る刃が伸びる。そして、魔力付加をかけた下半身で空気を蹴り加速、更に機体に内蔵されている大型バーニアを起動、刹那の加速で体が潰れそうな重さを感じながらソルディオスに接近する。そして両手のレーザーブレードを思い切り突き刺す。そしてそのまま引き抜き、X字に振るってソルディオス砲を撃墜する。

 

『エネルギー、残り30%』

 

その警告を耳にすると、一度月光の刃を消し、撃破したランドクラブの残骸の上に着地する。するとソルディオス砲は容赦無しに光弾を放ってくる。今度は余裕を持って回避し、一番手前のソルディオス砲に接近、月光を伸ばす。ソルディオス砲はプログラムに従い、その巨体を生かした体当たりを仕掛ける。その前兆を視認した後に月光の刃を自分とソルディオス砲の間に滑り込ませる。ソルディオスの装甲が紅く赤熱し、そのまま月光の刃が食い込んでいく。そしてそのまま両断する。

 

『そちらの目標は残り一基だ。一息にやってしまえ!』

 

そして、最後の一気の方を向くと、残りのヒート弾頭のミサイルを撃ち込む。

 

『肩部、残弾無し。』

 

ミサイルが残らず直撃した後に、ソルディオス砲の砲口に月光の刃を差し込み、そのまま身体ごと回転して、引き裂く。

 

『全目標の撃破を確認、あんな化物を相手に良くやるものだ。』

 

見ればクリア・ヘイズも全て撃破しており、こっちに向かってきていた。

 

『オッツダルヴァの方からも、終わったとの連絡があったそうだ。これで、ミッション完了だな』

 

そしてマギー達の乗ったヘリが此方へ向かってくる。

 

『今回もお疲れ様、悪いけどすぐに戻るわよ。』

 

マギーの言葉に首をかしげるもヘリに乗り込む。その前にクリア・ヘイズが此方に駆け寄ってくる。そして、此方を抱きしめてくる。

 

『はぁ、貴様。泣かしたら許さんからな?』

 

訳も分からず、首をかしげるだけしかできなかった。

 

 

 

 

 

♢♦︎♢♦︎♢♦︎

 

 

 

 

「えっと…………古代ベルカは…………これか…………うーん、やっぱり載ってはいないな…………」

 

「こっちはどうだい?こっちも古代ベルカだ。」

 

「…………こっちもダメだね。載ってない。」

 

「本当なのかい?ゆりかごを落としたって奴。」

 

「歴史は嘘をつかない。僕たちがそれに騙されているだけだ。確実にあるはずなんだ…………最初の"黒い鳥"の記録が…………!」

 

管理局のデータベース、無限書庫では大量の本と格闘している司書長の姿があった。

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