黒い鳥の居場所   作:elf5242

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ありふれた優しさは君を遠ざけるだけ

「ちゅうわけや、次の出撃から協力してくれる人員や。」

 

「マグノリア・カーチス。マギーでいい、その方が呼び慣れてる。基本はこの子のオペレート。よろしく」

 

「まあ、しがない運び屋をやってる。マギーからはファットマンって呼ばれてるから、遠慮せず呼んでくれ。」

 

『名前は無い、他の人たちからは黒い鳥って呼ばれてるから、そう呼んで構わない』

 

マギーとファットマンした後、スケッチブックで前線メンバーに挨拶する。

 

「レイヴンについては堪忍な。とある事情で喋れへんのや。戦闘時は察してな」

 

はやてが補足を入れてくれる。込み入った事情となれば人はそれ以上は踏み込んでこない。

 

「さて、これで重要連絡は終わりや。それぞれの自己紹介は後で個人個人でやってな。んで、レイヴン」

 

はやてが話しかけてくる。それに顔を向け、スケッチブックで答える。

 

『何?』

 

「まずはどんだけ動けるか見たい。フェイトちゃんの話やといまいちわからんからな」

 

『マギー』

 

マギーのシャツの裾を引っ張る。マギーがこちらを向くと、スケッチブックをめくり、鉛筆を走らせる。

 

『どれだけ動けるか見たい、って言ってる』

 

「そう…………わかった。で、この子のデバイスは?」

 

「演習場で渡すわ、こんなところで起動されても困るやろ」

 

「そうね、行きましょう」

 

はやてにマギーがついて行き、その後ろをついて行く。連れて行かれたのは、演習場という場所。そこに転移ポートを使って中に入る。

 

「それじゃ、始めるで。なのはちゃん」

 

すると白いバリアジャケットを纏ったなのはが向かってくる。

 

「はい、これ。後でシャーリーにお礼言ってね」

 

なのはから受け取ったのは今まで自分と戦場をかけたデバイス。黒いのフレームにワインレッドのセンサー部分、それを装着する。すぐさま視界にあらゆる言語が現れ、そして起動シークエンスが実行される。

 

『おはようございます、メインシステム、マスターデータの認証を開始します』

 

そして網膜、動脈、静脈などの認証が開始される。

 

『メインシステム、通常モードを起動しました。これより作戦行動を再開、あなたの帰還を歓迎します』

 

マシンボイスが終了すると手足が瞬く間に装甲で覆われる。そして、小型のコンテナが転送される。中には、ブレードとハンドガン、ショットガン、そしてヒートパイル、そしてオプション装備でフラッシュロケット。

 

『ええか?取り敢えずは一般陸士の平均レベルや。今から仮想ターゲットとして、ガジェットを出す。それを全滅させればええだけや。行くで?』

 

はやての声が終わると側頭部を二回叩く。

 

「えっと…………分った、でええんかな?」

 

はやての質問にまた側頭部を二回叩く。そして右手にブレード、右ハンガーユニットにショットガン、左手にハンドガン、左ハンガーユニットにヒートパイル、肩部にフラッシュロケットを装備する。

 

『行くで…………始め!』

 

そして奥から楕円形の機械が現れる。

 

『あれがオモチャどもか…………ま、人形どもよりはましか…………』

 

『質はUNACやmuscle traceurよりも下。速攻で片付けて』

 

マギーとファットマンの通信を聴き終えると同時に、ガジェットに接近し、ブレードで戦闘のガジェットを貫く。

 

『初撃は問題あらへんな、問題はここからや』

 

ガジェットを足蹴にして刺さったブレードを引き抜き、周りを見渡す。青いボディを持つ楕円形のガジェットは既にこちらをロックオンしているようで、機体中央から熱線を発射してくる。それをジャンプで回避、身体を回転させつつ、一機を両断する。

 

『肩慣らしは終わったでしょ、本気を出して。』

 

通信でマギーに急かされる。それに応えるかのように右手をブレードからショットガンに変え、ハンドガンを右肩越しに盲撃ちで撃ち、背後のガジェットを損傷させ、振り向きざまにショットガンを構えて撃墜する。反撃に他の機体から熱線が発射される。それをバックステップで回避しつつハンドガンで牽制する。

 

『人形共よりはずっと単純だな。分かりやすくていい』

 

『はぁ、遊びは終わりよ。そろそろ本気を出さないと…………分かるでしょ』

 

マギーからの二度目の催促が入る。それを聞くとバックステップを切り返して、ガジェットの方向へ加速、素早くショットガンとブレードを入れ替え、すれ違いざまに両断する。さらに、スライディングしながら後続のガジェットの機体中央、熱線照射部分にハンドガンを撃ち込み、誘爆させる。

 

『やっとか…………いい?その調子で全機叩き潰して!』

 

マギーの声が耳に強く響く。どうやらこれ以上茶番はいらないらしい。通信が切れるとすぐさま、跳躍、そのあとは建物の壁を蹴って上昇しつつ、フラッシュロケットを周辺にばらまいていく。フラッシュロケットは直撃した周辺の磁場を乱れさせロックオン機能を阻害する効果がある。ロックオンを妨害されたガジェットは辺りをお互いぶつかりながら右往左往する。

 

『周辺に散った雑魚で残ってるのはそいつらだけ、うまく集めたわね。手早く片付けて。』

 

マギーの声を聞き終わると、そのまま自由落下、真下のガジェットに向けてハンドガンとショットガンを乱射、ダメ押しで瞬時にブレードとショットガンを入れ替え、ブレードを投擲する。そして一機のガジェットに突き刺さる。そしてそこに着地し、ブレードの柄を掴むと身体を回転させその遠心力でブレードを引き抜きつつ、ガジェットをほぼ同時に撃墜する。

 

『雑魚はこれだけか…………気をつけろ、まだデカイのが残ってる」

 

爆煙が晴れると、そこには丸い球体状のガジェット。体感的に大きさは自分の身長のおおよそ二倍ほど。ケーブル状のアームにボディ上部にはベルト状のパーツが付いていた。

 

『来やがった、デカブツだ、が、たいしたこたぁねえ。一息にやっちまえ』

 

ファットマンが急かすと、そのまま足に魔力を付加して加速する。そして大型ガジェットに一定距離接近したところで足の魔力付加が切れる。間合いに入られたガジェットはケーブル状のアームパーツを次々と突き出す。それをグレイズ気味の回避で回避すると、ケーブル状のアームパーツをブレードで両断する。

 

『はぁ、また遊んでるわね…………四度目は無いと思って』

 

マギーの脅しにも近い急かしが来ると、左手のハンドガンをヒートパイルに換装する。そしてブレードを投擲する。投擲されたブレードは深々と大型ガジェットに突き刺さる。更にそこに蹴りを加えて、更にブレードを突き刺し、ダメ押しにヒートパイルで押し込む。そしてすぐさまバックステップで距離を取ると、大型ガジェットは派手に爆発する。

 

『これで全部か…………お疲れ様、と言いたいところだけど、時間を掛け過ぎ、今日はレポートの評価は酷評だと思いなさい』

 

『ハッハッハッ、遊び過ぎたな、お疲れさん』

 

マギーの酷評とファットマンの微妙な激励が飛んでくる。

 

『作戦目標クリア、システム通常モードへ移行します』

 

そしてすぐさま転送ポートまで戻り、転送で戻る。

 

「なのはちゃん、タイムは?」

 

『6分12秒23…………一般陸士の平均が大体12分くらい…………』

 

「しかもカーチスさんの言うことが本当なら、遊んでこのタイム…………なら、本気なら4分ゆうたところか…………嬉しい誤算や、今はな…………」

 

はやては、複雑な心境でレイヴン(仮名)を見ていた。

 

 

 

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