今回の仕事は、オークション会場、ホテルアグスタの警護と参加人員の護衛や、ロストロギアも取引されるからガジェットが出て来る可能性がある、来たガジェットは副隊長陣やフォワード陣営と連携して撃墜して、襲撃を防いでほしい、頼みます。
数日後、ファットマンに送られてホテルアグスタという所の屋上で待機していた。
『どうだ?なんも見えねぇか?』
聞かれた質問に側頭部を二回叩く。既にリコンをそこらじゅうにばら撒き索敵を開始している。
『そうか、しばらく頼む』
側頭部を二回叩き、単発式のスナイパーキャノンを展開する。今回の武装は右腕にスナイパーキャノン、左手にヒートキャノン、右肩には弾数重視のスナイパー、左肩にはレーザーライフル、両肩には追加弾倉を装備している。
『今回は徹底した防衛戦だな、こういう時に人がいると楽だな』
『今回は長期戦。敵が諦めない限り襲ってくる。弾数に注意して』
マギーとファットマンからも通信が飛んでくる。そして一機のリコンから反応が検知される。
『来たわね、盲撃ちでいい!撃って!』
マギーから指示が届く。それを聴き終えるとそのままスナイパーキャノンを撃つ。
『来やがったか…………新人共!なるべくはしねぇが、撃ち漏らしは頼むぞ!』
『『『『はい!』』』』
そして視界内に四人の人影が移り始める。
『反対側からもくる、迎撃して!』
マギーからの檄を聞くと、そのままスナイパーを閉じてヒートキャノンを展開し、敵のガジェットドローンの集団の真ん中に撃ち込む、そして爆炎で大半が吹き飛ぶ。
『お前的には今回は鴨撃ちになりそうだな』
ファットマンからの通信を聞きつつ、狙撃、砲撃を継続する。これを聞いたのは2日ほど前の事。
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「なるほど…………そのロストロギアってのを取られるのを防ぐための時間稼ぎってわけか」
「せや、と言うか警護やな。中には私とフェイトちゃん、なのはちゃんが入る。レイヴンにはフォワード陣営とホテル外側の防衛をして欲しいんよ」
ファットマンの言葉にはやてが同意し、さらに補足説明を付け加える。はやての依頼により正式に機動六課と契約結んで、一週間ほど経った後、出撃の目処が立ちこうしてブリーフィングを受けている。
「分かった、でもこっちはそのフォワード陣営の人員を把握してない…………と言っても1人は完璧に分かってるんだけど。」
「あー…………分かったわ、とりあえず呼んでくるわ」
はやてが機動六課の隊舎に放送で呼びかける。数分もしないうちに、部屋にはなのはとフェイトを含めて四人、そしてティアナに病室であった四人を加えた四人の男女が集まる。
「それじゃあ、なのはちゃんとフェイトちゃんの紹介は省略するな?んで、こっちの四人が新人のフォワード陣営や…………と言ってもティアナとは面識あるんやったな。先ずは副隊長陣、頼むな?」
「応、スターズ分隊副隊長、八神ヴィータだ。」
「ライトニング部隊副隊長、八神シグナムだ。テストは見ていた。いい動きだ。期待する」
なのはとフェイトの隣に立つ二人の自己紹介を聞きながら、ヴィータ、シグナムの二人を友軍に登録する。
「次は新人のフォワード部隊やね。スバルからお願いな?」
「あ、は、はい!機動六課、スターズ分隊所属、スバル・ナカジマです!」
「…………スターズ分隊、ティアナ・ランスターよ。」
「ラ、ライトニング分隊、エリオ・モンディアルです!」
「お、同じくライトニング分隊、キャロ・ル・ルシエです!」
四人の自己紹介を聞き終わると同じく、頭の中で友軍に登録する。
「丁度いいから、もっかいおさらいとして、ブリーフィングを開始するな?なのはちゃん」
「うん、今回は骨董美術オークションの会場、ホテル・アグスタの警護、オークション参加人員の警護が今回の仕事だよ」
「取引許可の出ているロストロギアもあるようなので、それをレリックと誤認したガジェットが強襲してくる可能性がある、そこで私達に白羽の矢がたったです。」
なのはと、その隣にいる小人のようユニゾンデバイス、リィンフォースⅡがブリーフィングを開始する。
「なるほどな、こういうのは密輸品隠すには丁度いい、そん中に連中のお探し物があってもおかしくはないな」
ファットマンが顎をさすりながら、今回の注意点に気付く。
「その通りだよ、この手の大型オークションは密輸の隠れ蓑になり易いから…………レリックがある可能性を常に踏みながら対処して」
「「「「はい!」」」」
フェイトがファットマンの意見に同意し、補足事項を付け足しながらフォワード陣営に注意を促す。それに緊張で固まりながらもしっかりとした返事で答える。
「現場には昨夜から、シャマル先生、ザフィーラが張ってくれてる。合流した後は、スターズとライトニングに分かれて、それぞれの副隊長の指示に従って警護を行う形になるから」
するとスバルが恐る恐る手を挙げる。
「あ、あの、そこの子…………えっと、『レイヴン』はどうなるんですか?」
「レイヴンには、ホテル屋上で狙撃、索敵、場合によっては前線で遊撃して貰う手筈になってる。基本はこっちでマグノリアさんが指示を出すからレイヴンにはそれに従ってもらう感じかな?」
なのはがレイヴンの役目についての補足説明を入れる。
「コールサインはどうしよっか?」
そこでなのはが詰まる。レイヴンは機動六課と契約後初めての出撃となる。もちろんファットマンのヘリで出撃するのだが、そのままレイヴンと呼ぶわけにもいかず、上位陣全員が悩み始める。
「ミグラント、てのはどうだ?」
ファットマンの一言により、レイヴンにはミグラント1というコールサインが与えられた。これが2日ほど前に行われたブリーフィングである。
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『チッ…………オモチャどもがワラワラと出てきやがる!キリがねぇ!』
ヘリを操作しながら、ホテル周辺を旋回しスキャン、その情報が常に送られてくる。
『今はまだ数だけ…………物量で押しつぶされる前に徹底的に叩いて!』
マギーの通信に答えるようにスナイパーキャノンの轟音と特異な金属音が鳴り響く。魔力を付加された大口径弾は確実にAMFを貫通し、魔道装甲に風穴をあけ、ガジェットを一機づつ確実に撃破していく。
『右腕、残弾30%』
デバイスからの警告を聞くと、スナイパーキャノンを戻し、ヒートキャノンを再び展開、それを次々と曲射弾道で放っていく。
『敵機、およそ残り半数。』
『時間を与えないで、一気に押し切って!』
マギーの言葉通りに、ヒートキャノンを撃ち込む。そしてガジェットはそれを集団行動のように回避する。すぐさまスナイパーキャノンに切り替えて一機を狙撃するが、ガジェットはそれすら回避する。
『なんだ?オモチャどもの動きが急に良くなりやがった!』
『さっき巨大な魔力反応があった、あっちにも召喚魔導師がいるか…………私なら…………地下へ向かって!そいつらは囮よ!』
マギーの言葉に従い、ヒートキャノンとスナイパーキャノンをパージし、スナイパーライフルとレーザーライフルをハンガーから装備し、屋上から飛び降りる。
『恐らく、目的は何らかのロストロギア…………急いで!転送で逃げられたら私達には追えない!』
『ビーコンセット、このビルの地下だ、が、相当遠いぞ?』
通信が終わるとマギーの言葉に答えるように、そのまま加速する。階段は全て飛び降り、人がいる通路は壁を蹴って飛び越し、閉まっている扉はスナイパーライフルで鍵部分を撃ち抜き、蹴破る。
『目標地点に到着、素早いな。相変わらず』
『褒めるのは後、敵反応を見つけたら容赦無く撃って!』
そしてリコンをばら撒きながら地下を探索していく。すると搬入口の警備員が気絶しているのを発見する。そして搬入口から姿を現したのは黒い人型の何か。首元には紅いマフラーが巻かれており、その4つの目は此方見ていた。そしてその手には何らかのケースが握られている
『見つけた、やはり目的は何らかのロストロギア。取られたら私たちの威厳に関わる、逃さないで!』
マギーの声が開戦の合図となり、二つの黒がぶつかった。
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「うん、やっぱり興味深いね。彼のデータ」
『またか、財団。いい加減諦めたらどうだ?今更捨てたものに拘っても意味はあるまい?』
「勘違いしないでほしい、"J"。僕は捨てたんじゃない。完成させる為に放り出したんだ。そしてその時から今までのデータ、僕の予想を超える成長を見せてくれている。実に素晴らしい」
『貴様、人間に絶望していたのではないのか?』
「勿論、そうだよ?僕の開発コードは"終わらない絶望"。《エンドレスディスペアー》人間には絶望して失望してる。だから人間を滅ぼすために、あれを作った。そして"J"。君のもう一つの勘違いだ。あれは人間じゃ無い、デバイサーという道具だ。いわば生体ユニットだ。ただし、質は他の誰よりもいい、そしてアレとアレが揃った時、かつてゆりかごを破壊した、世界を破滅に追い込んだ力が蘇る。だから"J"」
『…………なんだ?』
「壊れたあれの心を更に壊してくれ。そうすれば僕と君の目的は達成する」
『了解した…………だが…………』
「ああ、君の望む世界、かつての古代ベルカの様な破壊と闘争の世界を見せよう」
『なら良い』
♢♦︎♢♦︎♢♦︎
『逃げられたか…………でもロストロギアはこっちで確保してる。外に出ましょう』
『外もだいぶやばそうだぜ。ロングアーチから遊撃指令が出てる』
『急いで!』
黒い人型に逃げられたが無事、ロストロギアを確保し、上へ上がる。
ガジェットは既に、最低防衛ラインまで侵攻しているらしい。
「クロスファイア…………シュート!」
来た時よりも倍近い速度で戻り、ホテルの外に出る。丁度スバルが誘導して集めた敵をティアナが魔力弾で一掃していた。大半はガジェット達に直撃し沈黙する、が、一発の魔力弾が軌道を外れ、魔力で作った道を進むスバルに直進する。
「あっ…………」
スバルにはそれがひどくゆっくりに見えた。そして、直撃する寸前で、素早く戻ってきたヴィータが槌型のデバイス"グラーフアイゼン"で魔力弾を弾き飛ばす。弾き飛ばされた魔力弾を、チャージしていたレーザーライフルで撃ち落とす。
「ティアナ!この馬鹿!無茶した上に味方に撃ってどうすんだ!」
「あ、あの…………これは、その…………連携の!」
「ざっけんなタコ!!んな連携あってたまるか!直撃コースだよ今のは!私が間に合わなかったらお前に直撃だったんだぞ!私の知ってる連携はんなもんじゃねぇ!」
「そ、それは私が避けられなかったのが…………!」
「うるせぇ!もう黙ってろ馬鹿ども!もういい…………お前ら二人まとめて後ろにすっこんでろ!ミグラント1!私と来い!残りを全部片付けるぞ!」
ヴィータにそう言われると、側頭部を二回叩き返事を返す、その後ファットマンに合図を送る。そしてコンテナが転送されると、武装を入れ替える。物理ブレードが二本、そして剣の柄のみの武装レーザーブレードが一本、そして、足止め用のハンドガン。物理ブレードを左手と左のハンガーに装備し、レーザーブレードを右のハンガー、ハンドガンを右手に装備し、そのまま飛んでいくヴィータを追っていく。そしてティアナはその姿を睨みつけていた。
♢♦︎♢♦︎♢♦︎
数分後
「おし、全機撃墜。そっちはどうだ」
ヴィータがガジェットを全滅させ、此方を向くと同時に航行不能になったガジェットに物理ブレードを突き刺し、ハンドガンを数発ダメ押しに放ち、トドメをさす。
「そいつで全部か?」
ヴィータの言葉にうなづく。ばら撒いたリコンにも反応は無い。
『スキャン完了、敵影はない。』
輸送ヘリからファットマンの通信が入る。
「おし、ならこっちは終わりだな」
「此方もだ、召喚魔導師は追えなかったがな…………」
「だが、いると分かれば対策は自ずと出来る」
声がする方を向くと、シグナムが大きな青い狼とともにこちらに歩いてくる。
「お前がレイヴンか、見ていたがいい動きだ」
青い狼が話しかけてくる。
「会うのは初めてだったな、ザフィーラという。これからよろしく頼む」
その言葉に側頭部を二回叩き答える。
「ティアナは?」
エリオとキャロも近くにおり、ヴィータは居場所を聞く。
「裏手の警備に行ってます」
「スバルさんも一緒です」
エリオとキャロが答える。ヴィータはホテルを顰めっ面で見ていた。