東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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出雲「作者、アンタP検受けるんだろ?更新してる場合か?」

更新だけは・・・・・・更新だけはしておかなければ・・・・・・

出雲「いや、そっち優先しろよ・・・・・・」



第10話「妖刀と呪法の妖」

人形遣い、アリスは眠気をこらえながら人形の材料を揃える為にまずは香霖堂に向かっていた。

かれこれ二日も眠れない日が続いている、というのも眠る度にあの時偶然助けた少年に頭を撫でられた感触とその時の笑みが頭から離れなかったからだった。

 

アリス(まったく・・・・・・なんで私がこんな事に・・・・永遠亭で睡眠薬でも貰ってこようかしら)

 

アリス自身自分が何故かのような事態に陥っているのか全く理解できていなかった。本来魔法使いは眠る必要がないが、彼女の場合人間だった頃の癖が染みついている為か人間のように食事も取るし睡眠もする。

眠気をを感じるのもその影響ではないかと思われる。

香霖堂が見えてきた時、丁度鳳炎が出てきた。そして霧のような翼を広げて人里の方へ飛んで行った。

そして、自分の研究成果である半自律型人形『上海』が先に店に入ると店の中から声が聞こえてきた。

そして店の中に入ると、案の定自分を寝不足にした本人がいた。

 

アリス「え、出雲?」

 

出雲「あ、アリス久しぶり」

 

アリス「な、なんで出雲がここに?幻に関しては気絶してるし・・・・」

 

出雲「ああ、どうにも異変が起こっているらしいからな。慧音さんに注意を促そうと思ったら、ここに行ってるって聞いたんだ。幻は慧音さんの頭突き食らってそうなった。そのついでに武器を——」

 

その時、出雲の頭に鈴の音にも似た呼び声のような何かが聞こえてきた。眩暈に似た感覚を覚えてふらつき、音のする方向を見る。

そこには1本の刀が立て掛けられていた。赤い手裏剣を2枚重ねたような鍔、黒い鞘に納められていた刀が出雲が近づく毎に共鳴するように震えていた。

 

出雲「これは・・・・」

 

霖之助「なるほど、"こいつ"は次の主に君を選んだか」

 

丁度、換金を終えた霖之助が奥から出てきた。出雲は刀を手に取ると音は止んでいた。

 

出雲「霖之助さん、これは一体・・・・」

 

幻「こいつぁ妖刀じゃねえか?」

 

出雲「ってうわ!幻お前いつ起きたんだ!?」

 

幻「ついさっき♪」

 

いつの間にか起きていた幻が出雲が手に取っている刀をまじまじと見ていた。

 

霖之助「幻の言う通り、そいつは妖刀だ。銘は『鬼哭(きこく)』、かつては百鬼を統べる者の証であったらしい。ただ誰でも扱えるというわけではなくてね、そいつは意思のようなものを持っていて使い手を選ぶんだ。ちなみに私を含めて魔理沙やこいつを欲しがる輩が何度試しても抜けなかったんだ」

 

アリス「そんなすごい刀が出雲を選んだっていうの?」

 

出雲は試しに刀を抜いてみる、刀は難なく鞘から抜き放たれてその刀身を露わにした。

刀独特の美しい曲線はまるで芸術のようにも思えた。

その時、店の外から獣にも似た咆哮が響いた。3人が外に出てみるとそこにいたのは、3体の獣、しかし違和感を覚えた。

まるで、いくつもの生き物の体をツギハギのようにしたような歪な容姿をしていた。

 

アリス「こいつら、ただの妖怪じゃない!」

 

幻「こいつら・・・・・まさか蟲毒か!?」

 

出雲「蟲毒?」

 

幻「数ある呪術の中にな、器の中に毒虫とかトカゲとかを入れて戦わせて妖怪を生み出す呪術があるんだ。その術で生き残った最後の1匹が殺した奴を取り込んで"蟲毒"って妖怪になるんだ」

 

呪術、昨夜襲ってきた妖獣も呪術で操られていた。それが意味することは一つだけだった。

 

出雲「これも異変の・・・・・・」

 

幻「間違いないな、これであいつの群れの仲間が消えた理由がわかった。連れてかれた奴らは蟲毒の材料にされたんだ!」

 

出雲は妖獣の蟲毒をもう一度見る、妖獣の他に蛇のような鱗のある個所、虫のような個所もある。

そして、その蟲毒達は皆涙を流し苦悶の表情を浮かべていた。そして、その口からは頻りに同じ事を呟いていた。

 

「タノム・・・・・・・・コロシテ・・・・・コロシテクレ」

 

出雲「絶対に許さない。この異変の犯人は命を何だと思ってんだ!!」

 

アリス「出雲・・・・・」

 

罪のない妖怪を連れ去り、このような異形の化け物を作る非道極まりない異変の黒幕に出雲の怒りは頂点に達した。

そして、その手に持つ鬼哭を構えると同時にアリスも人形を出して臨戦態勢を取った。

 

出雲「幻、こいつらはもう・・・・・」

 

幻「残念ながら、もう戻せないな。完全に変質しちまってるし」

 

幻の隣に小型のUFOが降りて来て、幻はその中から鎌を取り出した。

 

アリス「出雲、せめて苦しまない様に楽にしてあげましょ」

 

出雲「・・・・・・ああ!!」

 

 

戦闘BGMイメージ~KH2より「Tension Rising」~

 

 

蟲毒の群れは一斉に3人に襲い掛かった、幻に向かっていった1匹は幻の喉笛を噛み切ろうと首筋に牙を向ける。

幻は難なく屈んで避ける、蟲毒の牙は幻の背後にあった木を抉ると木は噛んだ噛み傷から毒々しい煙を出して溶け出した。

 

幻「おいおい、毒持ってんのかよ・・・・」

 

さらに先程の木がバランスを崩して倒れ始める。幻は軽々しく避けるとその先に蟲毒の爪が迫っていた。

幻はギリギリで避けると追撃を弾きながら倒れた木を飛び越えて隠れた、蟲毒はそれを追うように木の上を飛ぶ、しかし飛んだ先に今度は幻が待ち構えていた。

 

幻「・・・・・・・じゃあな」

 

幻の躊躇ない一閃は蟲毒を真っ二つに切り裂いた、噴き出した血をその身に浴びながら憂鬱な表情を浮かべた。

 

幻「・・・・・こんな後味悪いの初めてだな」

 

幻は返り血を白紙の能力で消すと鎌を肩に担いで未だに戦っている二人の方に目を向けた。アリスは槍を構えた人形を蟲毒に差し向ける、しかし軽々しく避けアリスにその爪牙を向ける。

アリスは飛び退きながら、その手に1体の人形を握っていた。

 

 

魔符[アーティフルサクリファイス]

 

 

人形を蟲毒に向けて投げつける、人形は蟲毒の目前で爆発して爆風をまともに受けた蟲毒は怯み仰け反る。

視界が鮮明になる時、すでにアリスはトドメを刺す準備が完了していた。

 

アリス「さようなら・・・・・・・」

 

 

咒符[上海人形]

 

 

人形から放たれる高出力のレーザーが蟲毒の上半身を貫き、体の半分を消し飛ばした。

力なく崩れ落ちる蟲毒の残骸にアリスは浮かない表情を見せた。

そして出雲は鬼哭を振るい、蟲毒の爪を捌いていた。

 

出雲(なんだ・・・・・・まるで使い慣れた竹刀を振ってるみたいに手に馴染む!)

 

出雲が鬼哭の使いやすさに疑問を抱いていると、今度は頭の中に様々なイメージが流れ込んできた。

 

出雲(これは・・・・・・これがお前の力か)

 

出雲は蟲毒の爪を弾いて距離を取ると鬼哭を軽く振るう。

 

出雲「醒めろ、『鬼哭』」

 

鬼哭の刀身が出雲の声に応えるように妖力を帯びる、そして鬼哭の柄に拳を打ち付けると刀身が変化した。

その刀身は出雲が振るうと鞭の様に踊る。その剣は鞭剣、文字通り鞭と剣を合わせた特殊な、現代ではまず見られない剣だった。

 

出雲「鬼哭、鞭の太刀『流閃の刃尾』」

 

出雲が突きを放つと鬼哭はその刀身を伸ばし蟲毒の身体を貫いた。

 

出雲「・・・・・・・・・おやすみ」

 

出雲が柄を数回振り回し蟲毒に背を向ける、刀身は意思を持ったように暴れ蟲毒をバラバラに切り刻んだ。

鬼哭は元の刀の形状に戻り、蟲毒の亡骸に背を向ける出雲の鬼哭を持つ手は怒りと悲しみが入り混じり震えていた。

 

 




次回予告

アリス「私も行くわ、人里には私の行きつけのお店もあるんだから」

出雲「助かるけど、無理するなよ?」

アリスを加えて人里へ

慧音「疑いたくないが・・・・・まさか」

出雲「けど可能性はあります」

徐々に明らかになる異変の犯人

出雲「来たか」

慧音「彼らも犠牲者・・・・・・・・だが、やむを得ん!迎え撃つぞ!!」

そして、ついに来る蟲毒の軍勢


次回、第11話「人里に迫る悪意」
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