東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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出雲「作者、前回の前書きのアレは一体なんだ」

え、例によって俺が気まぐれに思いついた悪ふざけだけど?

出雲「またか・・・・・」


第12話「人里防衛戦」

BGMイメージ~KH2より「Desire for All That Is Lost」~

 

 

出雲達は爆発音のする里の門前に向かって全速力で走っていた。

その時、悲鳴が聞こえて目を向けると香霖堂前に現れた者とは形状が違うが、いくつもの妖怪の身体をツギハギにしたような風貌の妖怪、蟲毒が何体か里の中に入ってきていた。

 

出雲「何体か入り込んでる!」

 

妹紅「流石に見過ごせない、撃破しながら行くぞ!!」

 

全員一斉に武器を構え直し戦闘態勢に入った、慧音は自警団員を門前に先行させつつ襲い掛かってきた蟲毒を殴り飛ばした。

妹紅は飛んできた蟲毒の頭を鷲掴みにして力を込めると、全身を炎で焼かれ一瞬で灰になる。

更に取り囲むように迫る蟲毒達に炎の竜巻が襲いかかり跡形も残らなかった、アリスが人形を差し向けると蟲毒の身体を貫く、人形たちはアリスの意思で自在に踊り襲い来る蟲毒を次々と迎撃した。

出雲は蟲毒を斬り倒しながら進んでいると、目の前に避難の遅れた子供がいた。そして近くの屋根にいた蟲毒の目が子供の姿を捉える。

 

出雲「マズイ!」

 

出雲は蟲毒が子供に飛びかかるより早く、反対方向にあった建物の壁を蹴って飛び上がり屋根の上にいた蟲毒の胴を切り裂いた。

胴を二つに裂かれ蟲毒が絶命したのを確認すると出雲は子供の安否を確認した。

丁度近くを通った自警団員が避難場所まで連れていくのを見てホッとしながら出雲はそのまま屋根伝いに門を目指した。

 

 

 

一方、門前では自警団員の先頭に立って博麗の巫女霊夢が蟲毒の軍勢を退けていた。

 

霊夢「こいつら・・・・・一体これだけ作るのにどれだけの妖怪が!」

 

 

神霊[夢想封印]

 

 

色とりどりの弾幕が蟲毒の群れの一部を一気に吹き飛ばす、そして迫りくる蟲毒をお祓い棒と札で対処するが、それでも数が多すぎる。

今まで数々の異変を解決してきた博麗の巫女とはいえ霊力の扱いに長けているだけで元は人間、長時間の戦闘で完全に疲弊しきっていた。

自警団員達も連携しつつ踏ん張ってくれてはいるがこのままでは無用な犠牲が増えるだけであった。

 

 

 

彗星[ブレイジングスター]

 

 

疲れ果てて隙が出来てしまった自警団員に蟲毒の爪牙が迫った時、蟲毒達の横から流星が駆け抜けて蟲毒の一部を一掃した。

 

魔理沙「ピンチか~霊夢、手貸すぜ!!」

 

魔法の森に住む自称普通の魔法使い、霧雨魔理沙が箒に跨っていた霊夢の近くに降立った。

 

霊夢「遅いわよ魔理沙、遅れて来て随分と派手な登場ね」

 

魔理沙「弾幕はパワーだぜ!派手に決めて丁度いいんだよ」

 

その時、残った蟲毒が一斉攻撃を仕掛けてきた、魔理沙が慌てて戦闘態勢に入ろうとした時、魔理沙の前に一人の人影が降り立った。

 

アリス「何言ってるのよ、弾幕は頭脳戦よ!」

 

 

偵符[シーカードールズ]

 

頭上を見上げると大量に人形が配置されており、人形たちはその手を下に向けていた。次の瞬間手からレーザーの網が照射され、取り囲んだ蟲毒を一掃した。

 

魔理沙「アリス!?なんでお前が・・・・」

 

アリス「私だけじゃないわよ」

 

門を飛び越えて降り立った出雲が手を前に翳すと光と共に1本の大太刀が握られ、さらにスペルカードを取り出した。

 

 

斬符[一気刀閃]

 

大太刀を振り下ろすと、巨大な斬撃型の弾幕が飛び出して蟲毒の群れに着弾する。

 

出雲「弾けろ!!」

 

出雲の声に応えるように巨大な斬撃は無数に分裂して残っている蟲毒を一掃した。

 

出雲「悪い霊夢、待たせた!!」

 

霊夢「遅いわよ!出雲はいるだろうと思ってたけど、アリスもいるのは嬉しい誤算ね」

 

慧音「すまん!里に入った蟲毒を排除してて出遅れてしまった」

 

妹紅「あいつらの亡骸は、今自警団の連中が集めて弔ってるところだ」

 

遅れて来た慧音と妹紅は近くにいた自警団員に亡骸の弔いを任せると霊夢達の元に来た。それを見計らって霊夢が口を開いた。

 

霊夢「この異変の事は命蓮寺の鼠妖怪から聞いたわ。私もすぐに調査を始めた、その結果さっきの奴らが来た方向から里の外れにある洞穴が怪しいとみてる」

 

出雲「こっちは異変の犯人をある程度特定したよ。薬売りが睡眠薬を盗まれて、その睡眠薬が妖達が連れ去られる時に使われた可能性がある。異変を起こしているのは人里の人間だろうってのが俺たちの見解だ」

 

魔理沙「どのみち、その洞穴に行けばわかることだぜ!!」

 

出雲「いや、魔理沙と妹紅と慧音さんにはここに残っててもらいたいんだ。俺たちが行ってる間にまた蟲毒達が来るかもしれない。慧音さんには自警団を指揮して魔理沙と妹紅を主力にして守っていてもらいたいんだ」

 

霊夢「それが妥当ね、大勢で行って勘付かれて逃げられたら探しようがないもの」

 

アリス「そうね、魔理沙は今回はお留守番よ。」

 

魔理沙は不貞腐れながらも渋々了承し、出雲達は洞穴に向かった。

 

 

 

..........少年少女移動中

 

 

 

出雲達が洞穴の前にたどり着くと、洞穴の中から不気味な気配が漂ってきていた。

 

霊夢「酷い邪気、瘴気が入り混じってる。普通の人間だったら入口に立った途端に即死ね。」

 

出雲「どうやら当たりみたいだな」

 

アリス「見張りもいない、余程自信があるのかそれとも・・・・」

 

霊夢「とりあえず入りましょう」

 

出雲とアリスは頷くと細心の注意を払いつつ洞穴の中に入っていった。中は広く、獣のようなうめき声が木霊していた。

出雲が横穴を見つけ、中を覗くとそこに広がった光景に目を見開いた。

 

アリス「出雲?」

 

出雲「見るな!!」

 

そこに広がっていたのは、無数の妖怪、妖獣の死骸とその中心で死んだ妖怪の亡骸を食い荒らす妖怪、その姿は徐々に変貌していきやがて出雲達が見た蟲毒へと変わっていった。

 

出雲「間違いない、ここであの蟲毒は作られていたんだ」

 

その地獄とも思える光景に出雲は吐き気にも似た感覚を覚えながら更に奥へと進んだ、大分奥へ進んだ所で開けた場所に着いた。

そこはどこか闘技場のようにも見えた。

 

アリス「行き止まり?」

 

暗い闘技場の上で3人は周囲を警戒する、出雲はそんな中暗闇の一点のみを見据えていた。

 

出雲「出てこいよ、いるんだろ?」

 

するとどこからか拍手する音と笑い声が反響して響き渡った。

外壁部分に不気味な色の炎が灯り、一際高い所に作られている壇上に一人の男が立っていた。

 

「驚いたな~、名高い博麗の巫女の他に魔法使いと・・・・・人間擬きが1匹。まさかこんなに早く見つかるとはね~、けど・・・・・・」

 

 

男は笑みを崩さず、指を鳴らす。出雲達の立っている闘技場の周囲に格子が出来て逃げ場を塞がれ、さらに天井から巨大な体躯の蟲毒が3体降り立った。

 

「自分から敵地に乗り込むなんてどんだけ命知らずなんだよ、ば~かっ!!さあ、暴れろ蟲毒共!惨劇の宴の始まりだ!!」

 

巨大な蟲毒は轟音にも思える咆哮を放ち、斧や鉈を持って襲い掛かった。

 

アリス「生憎と、そんな血生臭い宴はお断りよ」

 

霊夢「私たちには酒臭い宴会が性に合ってるのよ!」

 

出雲「お前だけは絶対に許さない、ここを出たら真っ先にぶっ飛ばしてやる!!」

 

3人は各々武器を構えると、迫りくる蟲毒達に対し応戦態勢に入った。

 




次回予告

幻「やれやれ、後味悪い殺しは一度で十分だっての」

聖「悲しき妖怪達、せめて安らかに・・・・」

その頃の命蓮寺、襲い来る蟲毒達

霊夢「博麗の巫女、なめんなっ!!」

アリス「もう終わり?」

出雲「・・・・・・ごめん」

力の差を見せつける3人

「だから、僕が人里をあるべき姿に戻してやるんだっ!!そう、これはその為の聖戦なんだ!!」

出雲「・・・・・・・お前、もう喋るな」

妄言を並べる黒幕に出雲の怒りはついに爆発する



次回、第13話「妄執の呪詛と怒りの刃」
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