東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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出雲の戦闘スタイルイメージ

剣、刀 FF13よりライトニングイメージ、二刀流の場合はKHよりロクサスイメージ

銃 TOX2よりルドガーイメージ

槍 TOVよりジュディスイメージ

飛び道具の飛ばし方はFF13の魔法攻撃イメージ




第15話「動かない大図書館」

あれから3日、後に『呪妖異変』と呼ばれるこの異変は人里に被害をもたらし、そして多くの妖怪達の犠牲と共に終息した。

黒幕である男は表向きでは危険思想の持主として幻想郷を追放されたことになっており、誰一人その決定に異を唱える者はいなかった。

男が"処刑"されたことを知るのは執行した賢者、八雲紫とその式、そして博麗の巫女である霊夢と里の代表の慧音だけだ。

後に慧音は男の身元を調べた、男の祖父は狂気的な程の人外に対する迫害主義の持主だった。

かつて人里がまだ妖怪との交流を持たなかった時代、自分が自警団に所属しどれだけの妖怪を殺したかを英雄譚を語る様に幼い頃から孫である男に話し、男もそんな祖父の思想こそが正しいとして自身の英雄像としていた。

両親を流行り病で亡くした男にとって祖父が語る話はそれこそ、「桃太郎」や「一寸法師」を聞いているようなものなのだろう。

そして男が異変を起こす1年前、男は道端で交易の為に里に訪れていた妖怪を殺そうとした。偶然通りかかった妹紅によって止められその場で拘束された。

「化け物の分際で我が物顔で里をうろついた事を後悔させてやる!!」、男はそう言い放ったらしい。

その時は厳重注意を受けてそれ以降、目立った動きをすることは無かったらしい。おそらくは能力を開花させた事によって燻っていた祖父に植え付けられた妖怪への迫害主義が再燃してしまったのだろう。

慧音は出雲に初めて会った時言っていた言葉を思い出していた。

 

『強すぎる力(能力)は人を傲慢にします』

 

まさにその通りだった。慧音は今回の一件を教訓とし、能力が開花した者、もしくは開花の片鱗を見せた者に対しての講義を行う事を決定した。

危険思想の持主を生み出し、第2、第3の『呪妖異変』を起こさない事を慧音は心から誓った。

 

人里のすぐ近くには「迷いの竹林」と呼ばれる竹林がある、広く同じような地形が広がり、案内人がいないとすぐ迷ってしまう事からそう名付けられたその竹林の奥に、月から逃亡した姫と兵士、そして薬師の住む屋敷がある。

「永遠亭」、診療所としても一般開放されており、さらに里にも薬を売りに来る幻想郷で唯一の医療機関とも言える。

その永遠亭の一室でアリスはゆっくりと目を覚ます。

 

アリス「・・・・・・・・・・ここは・・・・」

 

魔理沙「アリス!目覚めたか!!」

 

声のするすぐ横に顔を向けると、数少ない親友、霧雨魔理沙が心配そうにこちらを見ていた。

 

アリス「・・・・・・魔理沙?」

 

魔理沙「良かった~!待ってろ、今永琳呼んで———」

 

アリス「魔理沙・・・・・・出雲は?」

 

魔理沙はアリスの質問に彼女が他人の心配を先にした事に驚いた。そして固まり、どう答えるべきか悩んでいた。

意を決しいて話すことにしたが、その表情はどこか沈んでいた。

 

アリス「・・・・・・・まさか!」

 

魔理沙「・・・・・・・口で言うより、直接見た方が早いだろ。」

 

魔理沙はアリスに肩を貸して、永遠亭の縁側を歩いた。しばらくすると、縁側の廊下に

複数の影が見えた。

霊夢と紫、そして「月の頭脳」とまで言われる医者兼薬師、八意永琳と元兵士で今は永琳の元で弟子をしている鈴仙・優曇華院・イナバ、そして悪戯好きな「因幡の白兎」、因幡てゐだった。

 

永琳「あら、人形使いさん。目が覚めたのね」

 

霊夢「なんでここに来たかはわかってる、出雲はそこよ。だけど、部屋には入らないようにね」

 

アリスは魔理沙に支えられ部屋の中を見ると、部屋を覆う様に張られた結界の中で出雲は苦しそうに横たわっていた。

 

出雲「う・・・・・・・ぐ・・・・・・・・・あぁ・・・・・」

 

アリス「出雲!!」

 

駆け寄ろうとするアリスを支える魔理沙が引き止める、そして目線で永琳に合図すると察した永琳は頷いた。

 

永琳「この結界の中には入らない方がいいわ、こうなるわよ」

 

永琳が懐から取り出したのは1本のメス、それを結界の中に投げ込んだ瞬間、出雲の上に粒子が集まり、苦無となってメスに向かって飛んでいく。

メスを砕いた苦無は結界によって弾かれて空中でガラスの様に砕け散った。

 

紫「能力が暴走を起こしているのよ」

 

鈴仙「その人の治療をしようとした時なんですけど・・・・・・彼が苦しそうな表情を浮かべているので容体を調べようとしたら・・・・」

 

てゐ「いきなりいくつもの槍が飛んできて鈴仙が磔にされてたうさ、兎の標本みたいで面白かったうさ」

 

その時の様子を思い出したてゐが笑うと隣にいた鈴仙がてゐに拳骨をする。

 

霊夢「今はこの部屋に入るモノに対する無差別攻撃だけだけど、このままひどくなったら・・・・」

 

紫「原因は・・・・・・・おそらく妖怪化の異常進行でしょうね。あなたが出雲を庇って撃たれたあと、彼は激昂してその結果それが引き金になって妖怪化の進行が一時的に早まってしまったの。急激な変化に身体が追い付いていない、その結果彼の能力が暴走してしまったのね。今は苦しんでいるけど、時間が経てば増えた妖力が身体に馴染んで治まるわ。けど暴走は・・・・・・」

 

アリス「あなたの能力でも抑えられないの?」

 

紫「暴走した能力に強引に境界を引けば、彼自身を壊してしまうわ。だから何か手がないか探っているのよ」

 

魔理沙「魔法でなんとか出来ればいいんだけど、ウチにあるパチュリーから"借りてる"本には今の所手掛かりは・・・・・・」

 

アリス「それよ!!」

 

耳元で大声を上げるアリスに驚いた魔理沙は痛そうに耳をおさえた。当然、周りもまだよくわかっておらずキョトンとしている。

 

アリス「紫!すぐスキマを繋いで!!場所は紅魔館のヴワル魔法図書館!!!!」

 

紫はそれを聞いてアリスの意図を察すると、空間に裂け目を作った。そしてアリスは魔理沙に降ろしてもらうと裂け目の中に飛び込んだ。

そして所変わりヴワル魔法図書館、この図書館の主である知識の魔女、パチュリー・ノーレッジはいつも通り本を読みながら魔法に関する論文を書き、一息つくと使い魔の持ってきた紅茶を飲んでいる。

 

アリス「パチュリー!!」

 

パチュリー「ブゥッ!!」

 

突然の客の出現に驚き口に含んだ紅茶を噴き出して咽ると、声の方を見ると自分と同じ魔法使い、アリスが血相を変えて空間の裂け目から飛び出してきた。

 

パチュリー「ゲホッ!!ゲホッ!!あ、アリス?どうしたのよそんな慌て・・・・」

 

アリス「パチュリー!後で説明するから一緒に来て!!」

 

パチュリー「え!?ちょ・・・・・一体何!!」

 

パチュリーは訳も分からないまま、アリスに引きずられて裂け目の中に消えていった。裂け目が消滅した後彼女の使い魔、小悪魔も嵐のように現れて主を連れ去られた事態に呆然としていた。

そして、噴き出した紅茶をふき取って手慣れた動作で散らかった書きかけの論文を片付けてティーカップを下げるとこう呟いた。

 

小悪魔「・・・・・・・今日も幻想郷は平和だな~」

 




次回予告

パチュリー「・・・・・・・事情は把握したわ、手を貸してあげるけど
今度私の研究も手伝いなさいよ」

アリス「もちろん、私にやれることなら・・・・・」

知識の魔女の助力

パチュリー「以前私が作った術式よ、理論上これでいけるはず」

魔理沙「やっぱ本物の魔法使いは違うぜ・・・・・」

パチュリーが提案した方法とは・・・・・・

アリス「な、何よ・・・・・」







魔理沙「お前・・・・・・・出雲の事好きだろ?」

魔理沙の口から発せられる爆弾発言


次回、第16話「能力制御術式」
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