出雲の妖力継承率変動状況
39%→50%
アリス視点
今、私は今までにないくらい混乱している。そういうのも目の前の親友が放った一言が原因である。
『お前・・・・・・・・・出雲の事好きだろ?』
え、何?隙?鍬?・・・・・・・・好き?私が?・・・・・・出雲の事を?顔が次第に熱くなっているのがわかる。
アリス「な、なななな何言ってるのよ!!出雲は友達であってそういうんじゃ・・・・」
魔理沙「じゃあちょっと確認するぜ、出雲といると動悸に似た感覚があることは?」
アリス「・・・・・・ある」
あの時も、そして香霖堂で偶然会った時も、心臓の鼓動が聞こえるんじゃないかって感じる程だった。
魔理沙「出雲のちょっとした仕草にドキッとしたことは?」
アリス「・・・・・・・・」
私は黙ってうなずく、あの時頭を撫でられた時も異変の時剣を持って戦う姿にも見惚れそうになる事があった。
魔理沙「・・・・・・・寝ても覚めても出雲の事ばかり考えてて夜も眠れない事は?」
アリス「魔理沙!!あなた私の事監視でもしてるの!?それとも地底の悟り妖怪に読心術でも習ったの!!?」
最近の私の状況を見たかの様に次々言い当てられてしまった。
魔理沙「うわ~・・・・・・・・・・・・これは重症だぜ」
・・・・・・・けど、今思えばそうだったんだ。あの笑みを見たあの時から、私は・・・・・・・・・・
アリス「私・・・・・・・・出雲の事好きなんだ・・・・・」
言葉に出すと、胸の奥に熱を感じた。どこか心地よくて、消したくない熱、これが人を好きになるって事なんだ。
魔理沙「けど、私の勘が言ってるが、ありゃ落とすのはかなり苦労しそうだぜ?」
アリス「そうね・・・・・・けど、まずは友達から。じっくりやるわ」
魔理沙「弾幕だけじゃなくて、恋までブレインってか?ま、そっちの方がお前らしいけどな!応援するぜ!!」
そう、焦る必要はない。少しずついこう、誰かを好きになるなんて、昔家に籠って研究ばかりしていた頃の私には想像も出来なかっただろう。
実際、ついこの前まで自分が恋をするなんて思ってもみなかった。こうして、恋をしてみると・・・・・・・・うん、こういうのも悪くないかなって私は思った。
アリス視点終了
出雲はまたあの夢を見ていた、この幻想郷に来た時と同じ深い底の見えない水底に真っ逆さまに沈んでいく夢。
そして、水中で体勢を戻すと暗い空間が広がっていた。ふと振り返ると白く光る人影の様なモノが見えた。
背を向けているせいか光のせいかその容姿を確認することは出来ない。
出雲(誰だ?)
出雲は人影に手を伸ばすが、突然何かに引っ張られるように浮上していった。意識を失う寸前、その人影がどこか悲しい表情を浮かべているような気がした。
次に出雲が目を覚ますと、知らない天井が広がっていた。外には微かに夕日の朱が見えるが殆ど沈んでおり部屋をすぐ傍の行灯が照らしていた。
丁度、起き上がると、戸が開いて紫と鳳炎が入ってきた。
紫「あ、起きたのね。気分はどう?」
鳳炎「永琳から大体の話は聞いた。まさかこんな形でここを訪れてくれるとは思わなかったがな」
出雲「確か、鳳炎?じゃあここが・・・・・・」
紫「そう、ここは永遠亭よ。貴方はずっと気を失っていたものね、とりあえず異変の顛末を話しておきましょう」
出雲は紫から事の顛末を聞かされた、アリスは呪詛を取り除いて別室で療養中、異変を起こした男は出雲が殺しかける寸前で紫が拘束して処刑、表向きでは幻想郷を追放となり、出雲は妖怪化の異常進行の影響で文字通り半妖になったこと、この時自分が徐々に妖怪化している事を知った。
出雲「紫さん、ご迷惑おかけしました」
紫「気にしないで、まだしばらくはここで静養してなさい」
出雲「・・・・・はい、そうさせてもらいます」
紫「あ、外の貴方の実家からあなたの漫画やラノベ持ってきたから♪」
紫が隣の襖を開けると、そこには自分の部屋にあるはずの漫画、ラノベなどが置いてあった。
その片隅で鳥の様な羽を付けた少女が黙々と手元のラノベを読んでいた。
鳳炎「朱鷺子、ここにいたのか」
朱鷺子「あ、鳳炎おかえり~」
出雲「・・・・・・もしかして、この前香霖堂で探してたのって」
鳳炎「ああ、ってか大丈夫だったか?勝手に読んでるけど」
出雲「いいよ、それくらいならさ・・・・・・・あれ、SAOのアインクラッド①が無い」
朱鷺子「さっき白黒が1冊持ってったよ?」
鳳炎「あいつは・・・・・」
朱鷺子「そういえば、鈴仙が永琳に引きずられて奥に行っちゃったけど・・・・」
紫「・・・・・・察してあげて」
鈴仙「・・・・・・師匠、私はなんで磔にされているのでしょうか?」
永琳「さっき貴女、私に反発したわね?悪い兎にはお仕置きが必要よね?」
鈴仙「え!?いやいやいや!あれは明らかに師匠の無茶ぶりだったじゃないですか!!」
永琳「ダメ、決定事項よ♪」
鈴仙「不合理だっ!!」
永琳「じゃあ早速逝っちゃいましょうか♪」
鈴仙「し、師匠?なんですかその怪しい薬物と生き物!!しかも字がちが・・・・・・いやああああああああああああああああああああ!!!!」
丁度鈴仙が永琳にお仕置き?を受けている頃、出雲の部屋には見舞いに来た慧音や妹紅、さらに命蓮寺の面々や、霊夢に魔理沙に引きずられてきたアリスや騒ぎを聞きつけた永遠亭の兎、てゐを交えて宴会状態となっていた。
鳳炎「病室で騒ぐな・・・・・・・」
霊夢「いいじゃない、なんだかんだでいつもの事なんだから」
幻「そういう事、ってわけで出雲!お前も飲め!!」
出雲「いや、俺未成年だから!」
幻「ぬえ!村紗!」
ぬえ「はいは~い♪」
村紗「あいあいさ~♪」
一升瓶片手に酒を勧める幻に出雲は後ずさるが、後ろからぬえと村紗に拘束されて逃げ場を失ってしまった。
幻「甘いな~幻想郷じゃんな法律ねえんだよ!ってわけで飲め~!!」
出雲「え、ちょっ・・・・・がぼぉっ!!」
一升瓶を口に突っ込まれて無理やり飲まされる、もちろん1/9ぐらいで倒れてしまった。
そして悪戯が過ぎた3人は聖の鉄拳制裁後説教を受けている。
魔理沙「出雲~生きてるか~?」
出雲「・・・・・・・なんとか」
綾「ごめんね~、そういえば出雲高校生だったものね。あっちじゃお酒飲まされた事ないわよね」
出雲「・・・・・・・幼稚園上がりたての頃・・・・・」
綾「・・・・・・え?」
出雲「・・・・・・母が面白写真特集のネタが欲しかったなどという理由で俺にジュースと偽ってビールを飲ませました・・・・」
鳳炎「うわ~・・・・」
どこか遠い目で語った過去のトラウマに周囲から憐みの視線が飛んできた。
出雲「さらにビールを噴き出して咽た俺に口直しの水と偽って日本酒を・・・・・あの時の母の楽しそうな表情は忘れられません・・・・」
魔理沙「・・・・・・お前も、親で苦労してたんだな・・・・」
魔理沙は同情するような目で出雲の肩に手を置いた。これ以上彼のトラウマを掘り起こさない様に話題を変えて、出雲の漫画やラノベを交えながら騒がしく夜が更けていき、異変は終わりを告げた。
次回予告
「親友、蒼臥の・・・・・・そして多くの同胞たちの仇を討っていただきありがとうございます」
出雲「気にしないでくれ、それに始末したのは俺じゃないし」
療養中の出雲を訪ねたのは・・・・・
紫「いいから、やってあげなさい。彼、この為にわざわざ私の家まできたのよ?」
出雲「・・・・・・わかりました」
彼の望みとは・・・・・・・
永琳「紅魔館は霧の湖の向こうにある吸血鬼の屋敷よ」
出雲「き、吸血鬼?」
吸血鬼の屋敷に向かうことになった出雲、その理由とは・・・・・
次回、第18話「吸血鬼の住む紅き舘」