東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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出雲「おい作者・・・・・・・なんで奴を再登場させた?」

どうせだからまた追い回されてもらおうかなと・・・・・・・すみません、調子乗りすぎました、謝りますのでそのティロ・フィナーレ的何か納めてください!




第28話「舞い降りる鴉天狗」

慧音の考え、それは半妖である出雲に自警団に入ってもらう事で、友好的な妖怪もいることを少しでも多くの反妖怪派に知ってもらおうというものだった。

 

慧音「すぐじゃなくていいんだ、もし決心がついたら言ってくれ」

 

出雲「は、はあ・・・・・・・」

 

そして丁度授業が再開され、慧音は教室に向かい出雲と妹紅は寺子屋を後にした。

 

出雲「俺、いつか完全に妖になるんだけど・・・・」

 

妹紅「それでも慧音は誘うんじゃないのか?」

 

出雲「確かにいい案だとは思うけど、妖モノを良く思わない連中にむしろ反感買うんじゃないのか?」

 

出雲は妹紅から自警団の現状を聞かされた、自警団はかつては里に近づく妖怪は善悪問わず殺している。現在から見れば殺戮集団と変わらなかった。

しかし、妖怪との交友の増えた昨今は里に襲撃の意思のある妖怪の撃退と里内の治安維持、事件の捜査を主とし、それが気に入らない者、特に昔自警団に所属していたという老人達の一部が反抗して孫、子供を自警団に入れない様にするなどの妨害を密かに行っていた。

 

妹紅「実際、自警団の人手不足は深刻さ」

 

出雲「それは・・・・酷いな。いくら何でもやりすぎだろ」

 

妹紅「まったくだ。『化け物共を里に入れるとは何事か!』だってよ、時代錯誤もいいとこだ」

 

??「けど、それでも少ない数の自警団をまとめて今の警備ですから慧音さんの手腕にも驚かされますね~」

 

出雲「確かに、先の異変でも住民の避難とか防衛を少数で回してたからな・・・・・・・・・ん?」

 

出雲は聞き慣れぬ声に振り向くと、黒い短髪に黒い翼が目を引く少女がいつの間にか二人の後ろに立っていた。

 

文「どうも~清く正しい新聞記者、射命丸文です!」

 

妹紅「ゲッ!文屋!!」

 

出雲「文屋?記者?」

 

文「はい、私『文文。新聞』というものを作っているんです。」

 

出雲「えっと、俺は月神出雲。半妖だ」

 

出雲が挨拶を返すと、文は懐からペンと手帳を取り出した。

 

文「では出雲さん、早速ですが取材させて下さい!」

 

出雲「へ!?いや・・・・・えっと・・・・」

 

文「もし断ったらある事無い事なんでも書いて社会的に殺しますので悪しからず♪」

 

出雲(選択肢どころか拒否権もない!?・・・・・・・・うん、社会的に死ぬのはマズイな)

 

出雲は選択の余地もなく、延々と2時間取材させられた。

 

 

 

...........少女取材(強制)中

 

 

 

 

 

文「ご協力ありがとうございま~す。明日の一面は貴方で決まりです!それでは!!」

 

文は満足そうな顔で目にも止まらぬ速さで空の彼方へ消えていった、取材の犠牲となった出雲は矢継ぎ早に飛び交う質問の数々にぐったりしていた。

 

妹紅「出雲~生きてるか~」

 

出雲「ああ・・・・・・一瞬見えちゃいけない川の向こうで赤い髪の誰かを見た気がする・・・・・」

 

妹紅「それ渡らなくて正解だぞ・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

その後、なんとか持ち直した出雲は妹紅の案内で人里を見て回っていた時だった。一目のつきづらい路地で数人の大人が小さい子供を囲んでいた、その手には木の棒が握られていた。

 

出雲「おい、なにやってんだ!」

 

「ああ?なんでお前」

 

「お前も"これ"の仲間か?」

 

男が顎で指すその子供には、狐の様な耳と尻尾が付いていた。大分殴られたようでボロボロになって打ち震えていた。

 

出雲「お前ら・・・・・・こんな小さな子供に!」

 

「は?関係ねえよ、"これ"も化け物だろ!妖怪の分際で人の里で勉強とはいいご身分だな、おい!!」

 

男の一人が子供の腹を強く蹴り、すぐ近くの壁に打ち付けられた。それを見た出雲の中で何かが弾けた。

 

妹紅「お前ら・・・・・っ!!」

 

妹紅の言葉はそこで途切れる、すぐ隣から今まで感じた事のない程の昏い、そして冷たい殺気に妹紅は恐怖に似た何かを感じた。

出雲は無言で一歩一歩男達に近づく、出雲の放つ威圧感に男達も足がすくんでしまった。

 

出雲「そんなに楽しいか?なんの力もない・・・・・・無抵抗の子供をいい大人が寄ってたかって・・・・・・・そんな玩具で痛めつけて楽しいか!!」

 

出雲の威圧感は男たちを怯ませ、出雲は子供に向けて歩を進める。子供を抱きかかえると出雲は大通りに戻る。

 

出雲「表出ろ・・・・・・そんなに暴れたきゃ俺が遊んでやる」

 

通りに出ると、丁度慧音が自警団を連れて向かってきた。

 

慧音「出雲!妹紅!これは一体・・・・・・・この子は・・・」

 

出雲「慧音さん、この子を頼みます」

 

出雲は自分の腕の中で震える子供を慧音に渡し、近くにあった弓用の細くしなる木を手に取った。

 

出雲「ちょっと・・・・・これ借ります」

 

直後、男たちが木の棒を持って路地から出てくる。

 

出雲「お前ら如きごろつき、これで十分だ。来いよ」

 

「な、なめんな!!」

 

男の一人が棒を振り上げて出雲に迫る、男が棒を振り下ろすより早く、出雲は手に持った細い木を振る。

それは一瞬だった、木は鞭のようにしなり、男の両腕、両足に打ち付けられる。男は四肢に奔る激痛に耐えかねて倒れ込んだ。

出雲は妖術の類を使ってはいない、木のしなる特性を利用して隙だらけな四肢に木を打ち込んだだけだ。

三流剣士がいかなる名刀を持っていても達人の持つ木の枝に劣るように、ごろつきの投げる短刀を一流の暗殺者の投げる石ころが打ち落とすように、同じ事が起こっていた。

出雲は療養中、自己鍛錬の他にもう一つの訓練を行っていた。それは妖力の制御、すぐにコツを掴んだ出雲は妖力を完全に抑え込み普段は人間と変わりない状態、戦闘、弾幕ごっこの時は妖力の抑制を緩め、そして本気の時、以前の様に妖力を解放する術を身につけた。

そして、出雲は今妖力を完全に抑制した状態、つまり出雲は今人間同然のステータスで男を圧倒した。

 

出雲「どうした、さっきまでの威勢は・・・・・・・喜々としてさっきの子をリンチにしてた時の威勢はどうした?」

 

他の男たちは震え、棒を手放し出雲の怒りに満ちた瞳に射竦められていた。

 

「ヒッ!!す、すみませんでした!調子乗りすぎてました、許してください!!」

 

男の一人が恐怖に耐えかねて土下座で頭を地面に何度も打ち付けた。それにつられるように他の男達も同じように何度も地面に頭を打ち付ける。

 

「も、もうしません!ですから命だけは!!」

 

出雲「何を寝ぼけてる、お前らの命如きで償えると思ったか?思い上がるな、お前らは自警団に突き出す。今覚えた恐怖を一生抱えて精々生き地獄を味わえ、それがお前らへの罰だ」

 

出雲は持っていた棒を返してその場を離れる、男たちは自警団によって拘束されていった。

 

丁度離れようとした所で慧音が戻ってきた。

 

出雲「あの子は?」

 

慧音「永遠亭に連れて行った、命に別状はないが・・・・・・今回の事が大分堪えたのだろう・・・・・・発話困難に対人恐怖症・・・・・・里にはすぐに戻れないそうだ」

 

出雲の中で先程の男達への怒りが再燃し始めた時、妹紅はそんな出雲を諫めるように肩に手を置いた。

 

妹紅「あんな連中の為に、お前が手を汚すことは無い。あいつらは自警団の方で厳しく追及されて相応の処罰を受ける」

 

慧音「そうだ、だから・・・・・・今はその怒り、抑えてくれないか?」

 

出雲「・・・・・・・わかりました」

 

出雲の顔から怒りが消える、もちろん収まっているわけではない。今は慧音と妹紅に免じて引き下がる事にした。

 

妹紅「それで出雲、お前は次はどこに行くんだ?」

 

出雲「次は・・・・・・地底に行こうと思うんだ」

 

雰囲気を変えようと妹紅は話題を変えて、次の出雲の目的地について聞いた。

地底、強大な力を持つ、もしくは危険な能力を持つが故に地上を追われた妖怪達が暮らす地下世界。

出雲は幻想郷を見て回る旅である意味最も危険かもしれない所を選んだ。

 

妹紅「お前も変わってるな・・・・・・けど、あそこにはヤバい奴もいるから気を付けろよ」

 

出雲「ああ、わかってる」

 

慧音「地底の入り口は博麗神社の近くだ、まずは博麗神社を目指すといいだろう」

 

出雲「わかりました、ではまた」

 

出雲は二人に会釈すると、博麗神社の方向へ向けて歩き出した。この時の光景を偶然文が見ており、翌日の見出しに『新たな外来人は大妖怪の生まれ変わり!?半妖少年月神出雲、人里で卑劣な悪漢に正義の鉄槌!』という見出しを出された事に出雲は気づく事はなかった。

 




次回予告

霊夢「ありがとうございます大明神様!!」

出雲「・・・・・・なんで大明神?」

地底に向かう為博麗神社を訪れた出雲

霊夢「地底の入り口はこの先よ」

出雲「・・・・・・・・・結構深いな」

地底に続く深い縦穴

??「?・・・・・・・何か来る?」

出雲「嘘だろおおおおおおおおおおおおお!?」

縦穴を下りる出雲に何が!?


次回、第29話「地底への昏き入口」
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