東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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なんだかんだでこの作品もう30話ですね~

出雲「この分じゃ50話いくんじゃないか?」

多分いくとは思いますけどね~まあ目安は50話以内になるかな?

出雲「アンタの性格的に50話超えると思う・・・・」


第30話「地底の愉快な妖怪達」

その日、地底の都市『旧都』の街道に人だかりが出来ていた。その理由は一つ、地上への入り口から少年が"降ってきた"からだ。

そう、少年が隕石のように降ってきて街道の真ん中に小さなクレーターを作っていた。その中心で少年は人造人間の自爆を受けた武闘家のように倒れていた。

 

ヤマメ「お~い、生きてる~?」

 

出雲「な、なんとか・・・・」

 

出雲の近くに寄ってヤマメは声をかけて生死を確認する、出雲は右手を上げて答えると妖力を抑制状態に戻す。

次第に出雲の髪は元の黒に戻り、手の甲と頬から文様が消える。

 

ヤマメ「(へえ・・・・・妖怪、いや半妖かな?)君~なんでまた落ちて来たの~?自殺志願者?それともうっかり落ちちゃった?」

 

出雲「いや・・・・・・俺幻想郷中を旅して回ってるんだ。それでこの地底の入り口の岩壁を駆け下りたはいいんだけど・・・・・・まさか抜けた先が街の真上なんて思わなくて・・・・・」

 

ヤマメも、近くで聞いてた妖怪達もそれを聞いて呆然としていた。そしてその次に盛大な笑い声と出雲を称賛する声が聞こえて来た。

 

「面白えな兄ちゃん!」

 

「あの垂直の穴駆け下りたってか?こりゃ酒の肴に面白え話聞いたぜ!!」

 

出雲「え・・・・・あれ?」

 

想像してたのとあまりに違う反応にキョトンとしていると目の前の少女が手を差し出してきた。

 

ヤマメ「ここは基本毎日お祭り騒ぎ大歓迎だからね~私は黒谷ヤマメ、君は?」

 

出雲「それはなんとも、愉快なとこだな。俺は出雲、月神出雲だ」

 

出雲はヤマメの手を取り、そのまま旧都を案内してもらった。規模は人里よりも多く、あちこちから酒の匂いや、賭博の声が聞こえて来た。

 

出雲「凄い活気だな、人里に負けてないぞ」

 

ヤマメ「そりゃあね~ここは基本毎日お祭り騒ぎ大歓迎、飲み比べから喧嘩なんでもござれだからね~」

 

出雲「ははは、本当に愉快なところだな」

 

ヤマメ「けど、ここの皆は・・・・・私を含めて危険な能力持ってたりで地上を追われた連中ばかり、ここは人に忌み嫌われた者達の行き着く場所なんだよ」

 

その時のヤマメの表情はどこか影を落としていた。彼女自身もその能力故に周りから拒絶され、人から追われる過去があるのだろう。

 

出雲「・・・・・・・どんな能力も、結局は使い方次第さ」

 

ヤマメ「・・・・・・え?」

 

出雲「能力はその使い方で毒にも薬にもなる。だから能力を得た人たちは皆能力の使い方を間違えちゃいけないんだ。・・・・・・・友達からの受け売り、だけどさ」

 

ヤマメ「毒にも薬にも、か。その友達、結構優しいんだね」

 

出雲「本人は否定するだろうけどね。それに俺はヤマメとも友達になれると思うんだ」

 

ヤマメは驚いて、一瞬表情が固まってしまった。この忌み嫌われた土蜘蛛と友達になれるなどまず聞く事の出来ない言葉だったからだ。

 

ヤマメ「いや、だって私は・・・・」

 

出雲「危険な能力を持ってるから、か?俺からしたらそれがどうしたって思うよ。危険な能力とか関係ないだろ?君は君だ、明るくて愉快な普通の女の子だよ」

 

ヤマメは今まで言ってほしかった、けど叶わなかった言葉を思わぬ所で聞く事となった。目の前の、自分の事も能力も知らない地上からきた少年は恥ずかしげもなく曇りのない純粋な瞳で言った。

 

ヤマメ「・・・・・・・本当に君は・・・・・・・・かなりのお人よしだね~」

 

出雲「よく言われるよ。けど、それが俺だからな」

 

ヤマメ「そうだ、私の友達紹介するよ!」

 

出雲「え?」

 

ヤマメ「丁度そこに行こうとしてたんだ~出雲行くよ!」

 

出雲「え?ちょっ・・・・」

 

ヤマメは出雲の手を引き旧都の街中を駆け抜けた、その時のヤマメの表情は凄く楽しそうに見えたので、出雲も大して抵抗することなくついていった。

 

 

 

.........少年少女移動中

 

 

 

しばらくして、一軒の飲み屋に入ると、そこは貸し切り状態となっており、その奥に桶に入っている緑色の髪の少女と金髪碧眼の少女、そして額に赤い角を持つ金髪の女性が大きなお猪口を片手に座っていた。

 

??「よおヤマメ、遅かったな・・・・・・って誰だそいつ?」

 

ヤマメ「ごめんね~彼は出雲、さっき知り合ったんだ」

 

出雲「えっと、月神出雲、旅の者です」

 

勇儀「ほお、この地底にまで訪れるとは酔狂なやつだね~私は星熊勇儀、見ての通り鬼さ」

 

パルスィ「水橋パルスィ・・・・・・橋姫よ。綺麗な目をしてるわね、妬ましい」

 

キスメ「・・・・・・キスメ・・・・釣瓶落とし・・・・」

 

橋姫とは、外敵の侵入を防ぐ橋の守護者で古くからある水神信仰の一つとされ、嫉妬深い神とも言われている。古くは古今和歌集の第14巻にて詠み知らずの歌では愛らしい女性として登場するが、平家物語では嫉妬に狂う鬼として登場している。

釣瓶落としは、京都や滋賀、岐阜、愛知、和歌山などに伝わる妖怪で木の上から落ちて来て人を襲う人食い妖怪といわれている。江戸時代の怪談本『古今百物語評判』では大木の精霊が火の玉となって降りてくる妖怪として描かれている。

出雲も本で読んだ程度でしか知らない妖怪が目の前にいる事より、キスメの正体に驚いていた。

 

出雲「だって、外じゃ釣瓶落としってこれで通ってるよ?」

 

出雲は以前親友から笑い狙いで送られてきた釣瓶落としの画像を見せると、当然ながらヤマメもパルスィも勇儀も吹きだした。

 

ヤマメ「ちょ・・・・・これはヒドイ・・・・・」

 

勇儀「よかったなキスメ~向こうでも有名みたいだぞ~」

 

キスメは余程嫌だったのか、出雲に画像を見せるのを止めようとワタワタしていた。

 

出雲「まあ悪ふざけはこの辺にして・・・・・・・勇儀さん、アンタ強いな」

 

勇儀「・・・・・・・・へえ、わかるのかい?」

 

出雲は以前レミリアから感じたものとは別物の強者特有の威圧感を感じていた。レミリアから感じたものは例えるなら深い闇の底のような言いようのない恐怖、それに対し勇儀の発する威圧感は圧倒的力の塊、出雲は不意に鬼哭を持つてに力が入る。

 

出雲「一つ・・・・・・手合わせ願えませんか?」

 

ヤマメ「ちょ・・・・・出雲本気!?」

 

出雲「ああ、勇儀さんの力、直に見てみたい」

 

出雲は真っ直ぐ勇儀を見つめた。勇儀は出雲の真っ直ぐな目に口角を吊り上げ、お猪口に注いであった酒を一気に飲み干した。

 

勇儀「いいね、その度胸は買ってやるよ。かかってきな!」

 

勇儀がお猪口を投げ捨てるのを合図に出雲は鬼哭を抜刀して一気に勇儀に斬りかかっていった。

 




次回予告

出雲「拳だけでこの威力かよ!!」

勇儀「鬼哭とは、懐かしい物持ってるね!」

元鬼四天王の拳と妖刀の刃がぶつかり合う

勇儀「そうか・・・・・スキマの言ってたのはお前だったのか、なら手加減しちゃ悪いよな!!!」

出雲「!!」

力を解放する怪力乱神

ヤマメ「ってか特等席で見物してる私たちもヤバくね?」

キスメ「勇儀・・・・・楽しんでる」

勝敗の行方は!?



次回、第31話「怪力乱神、星熊勇儀」
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