東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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出雲、骨は拾ってやるよ・・・・・

出雲「なんでさ!!」


第31話「怪力乱神、星熊勇儀」

 

戦闘BGMイメージ~FFXより「otherworld」~

 

 

出雲の鬼哭と勇儀の拳が衝突する、店の屋根に大穴が空いてそこから二人が飛び出してきた。

穴を挟むように屋根の上で向かい合う二人、それを見た近くの妖怪達が集まってきていた。

 

「おい、さっきの兄ちゃんが勇儀さんとやりあってるぞ!」

 

「こりゃ見物だ!親父~酒持ってこい!!」

 

出雲が辺りを見渡すと、あちこちから歓声があがり屋根に登ってまで見物しようとしている者もいた。

 

出雲「本当に・・・・・皆お祭り騒ぎが大好きみたいですね!」

 

出雲は穴を飛び越えて勇儀に正面から斬りかかる、勇儀はそれを片手で受け止める。

 

勇儀「そりゃ喧嘩も祭りも酒の肴だから、ね!!」

 

勇儀は空いている拳を出雲向ける、出雲は剣を引いて隣の屋根に飛び移ると店の屋根の瓦が一斉に吹き飛んだ。

 

出雲「拳だけでこの威力かよ!!」

 

出雲は鬼哭を軽く振るうと、刀身は妖力を帯びて淡い光を放つ。

 

出雲「醒めろ、『鬼哭』!!」

 

出雲は頭上で鬼哭を回して勢いよく振り下ろすと、鍔が消えて大太刀に姿を変えた。

 

出雲「鬼哭、剛の太刀『鬼斬包丁』!!」

 

勇儀「鬼哭とは、懐かしい物持ってるね!」

 

今度は勇儀が飛び上がり、拳を構えて出雲に殴りかかる。出雲は鬼哭を構えて飛び上がり迎撃する。刃と拳がぶつかり合い衝撃波が生じる。

しかし、力負けした出雲が道の真ん中に降り立った。

 

勇儀「へえ、鬼の力に耐えるとはね」

 

出雲「『鬼斬包丁』はその名の通り、鬼を斬る太刀。鬼の妖力に反応し、その妖力に対抗する妖力を纏い相殺します。まあ、使い手は強化されませんから力負けすればこうなりますけどね!」

 

出雲は飛び上がり鬼哭を振り下ろす、勇儀はそれをかわして殴りかかる。ギリギリで回避するも拳圧にやられて出雲は吹き飛び、少し遠くの見張り台まで飛ばされた。

 

出雲「やっぱり出し惜しみしてる場合じゃないか、妖力解放!!」

 

出雲から発せられる妖力が増幅し、手の甲と頬に文様が浮かび髪の色が黒から白に変化した。

その姿を見た勇儀の動きが止まり、出雲の姿に目を見開いた。

 

勇儀「お前・・・・・・まさか・・・」

 

出雲「・・・・・・・・?」

 

勇儀のかつて鬼四天王と呼ばれるより以前の記憶が蘇る、質の悪い鬼に喧嘩を売ってしまいやられそうになった所に現れた美しい魅入るような白髪の妖怪。

 

『余計な事しなくても私一人でやれたんだ!』

 

『そうか、それはすまない事をしたね。君があの鬼に殺されそうだったように見えたもので、無粋ながら横槍を入れさせてもらったんだが』

 

『馬鹿にしやがって・・・・・・私は星熊勇儀!いつかこの山の天辺に立つ鬼だ、覚えとけ!!』

 

 

あの時の強く、美しい妖怪の姿と今の出雲の姿が被った勇儀の拳に次第に力が入った。

 

勇儀「そうか・・・・・・・スキマの言ってたのはお前だったのか、なら手加減しちゃ悪いよな!!!」

 

出雲「!!」

 

勇儀の全身から妖力が噴き出し、威圧感が更に増した。力を抑えていた状態であの力、出雲は自然と鬼哭を持つ手に力を込めて構えなおして、再び斬りかかる。

再び剣と拳がぶつかり合い、先程より強い衝撃波を発してその周囲の建物を破壊する。

衝撃波が生じる度に歓声があがる中、その戦いの真っただ中でヤマメ達は立ち尽くしながら二人を見ていた。

 

パルスィ「いつも以上に滅茶苦茶ね」

 

ヤマメ「ってか特等席で見物してる私たちもヤバくね?」

 

キスメ「勇儀・・・・・・・楽しんでる」

 

再び衝撃波が生じて無数の瓦礫が宙を舞う、その瓦礫を足場に剣と拳が幾度となくぶつかり合う。

勇儀が上空に向かい、出雲も瓦礫の足場を跳んで後を追う。勇儀は途中で立ち止まり、拳に力を込めた。

次の一撃が決着と見た出雲は鬼哭を再び頭上で回して肩に担ぐ、今込められる妖力を刀身に回して最後の一振りを放った。

勇儀の拳と出雲の剣がぶつかり、巨大な衝撃波が発生する。

 

出雲「うぉああああああああああああああああ!!」

 

勇儀「おらあああああああああああああああああああああ!!」

 

しかし、均衡はあっさりと崩れ去る、出雲の頬に衝撃から傷が生じ次第に出雲が押されていく。

出雲も必死に食らいつくが、鬼の力は止まらない。勇儀は空いている拳に力を込めると勢いよく振り下ろした。

 

勇儀「これで・・・・・・・沈めええええええええええええ!!」

 

その一撃が決定打となり、完全に力負けした出雲は勢いよく吹き飛ばされて丁度ヤマメ達のすぐ近くの店を破壊した。

勇儀が降り立ち、立ち込める土煙が晴れていく。妖力を使い切ったのだろう、元の姿に戻った出雲が瓦礫の上にいた。

ふと近くに目を向けると、勇儀達がすぐ近くに来ていた。

 

出雲「・・・・・・・・参りました、やっぱり鬼は強いですね」

 

ヤマメ「そりゃ勇儀は元鬼四天王の一角『怪力乱神』だよ?」

 

出雲「は、ははは・・・・・・・それは勝てるわけもないか」

 

勇儀「いやいや、中々楽しめたよ!私相手にあんな食らいついたのは紅白巫女以来だからね~」

 

出雲は完全にボロボロに対して、勇儀は服に汚れはあれど殆ど無傷、出雲は圧倒的な力の差を目の当たりにしてしまった。

それからすぐ、瓦礫の撤去と立て直しが慣れた手際ですぐ行われて勇儀達はというと、見物していた妖怪達を交えて何故か宴会を行っていた。

 

「はっはははは!兄ちゃん、勇儀さんに喧嘩売るたあ大した度胸してるな~」

 

「あの姐さん強すぎて最近じゃ喧嘩売る奴も少なくてな~」

 

出雲は予想外にも妖怪達に気に入られてしまっていた。

 

出雲「あれだけの大暴れしてもこの反応・・・・・・・これが地底クオリティか」

 

勇儀「はははは!ここじゃ喧嘩なんざ日常茶飯事、旧都の一部壊れるなんていつもの事だからね~」

 

勇儀も愛用の巨大なお猪口に酒を注いで一気飲みしていた。出雲も主に魔理沙のおかげで酒にはそこそこ強くなった為飲んでいるが、勇儀は「鬼殺し」と書かれたアルコール度数80%の酒を水を飲むようにがぶ飲みしていた。

 

出雲「・・・・・・・勇儀さんって酒呑童子?」

 

勇儀「あいつは私より飲むぞ」

 

出雲(勇儀さんより!?)

 

勇儀「さあて、いい感じで酔いも回ってきた所だし温泉でも行ってくるか!」

 

勇儀はお猪口の酒を飲み干すと、出雲を掴んで担ぎ出した。

 

出雲「え・・・・ぇえ!?」

 

ヤマメ「じゃあ私も♪」

 

パルスィ「じゃあ私も」

 

キスメ「・・・・・・・行く」

 

出雲は担がれて、温泉へと向かっていった。

 

 

 

出雲「自分で歩けるので降ろしてくださ~い!!」




次回予告

勇儀「さあ、着いたよ!」

出雲「ここが?」

勇儀達に連れられて地底の温泉を管理する地霊殿へ

さとり「こんにちは勇儀さん、それと初めまして月神出雲さん。私がこの地霊殿の主、古明地さとりです」

出雲「まさか・・・・・覚り妖怪?」

地霊殿を治める心読む妖怪

出雲「・・・・・・マジ?」

さとり「マジです♪」





次回、第32話「地霊殿の覚り妖怪」
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