東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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知ってるかい?普段大人しい人程怒らせると怖いのだよ

出雲「いきなりどうした!?」


第3話「失意、そして湖での出会い」

出雲とアリスは博麗神社を出てしばらく魔法の森を歩いているが、二人とも終始無言の状態が続いていた。

出雲は外へ帰る事が出来ず、親友や家族との別れという辛い現実を余儀なくされ、アリスもそんな出雲の心境を察してどう励ませばいいか悩んでいた。

 

アリス「その・・・・・大丈夫?」

 

出雲「・・・・・・大丈夫・・・・・じゃないかな」

 

そこで再び会話が途切れてしまった。

アリスが次にどう切り出せばいいか迷っていた時、意外にも出雲から話しかけてきた。

 

出雲「つい昨日まで・・・・普通の高校生だったのにな、両親や弟がいて・・・・・親友がいて・・・・・・なのに・・・・・」

 

アリス「・・・・・」

 

アリスは何も言えなかった、どこにでもいる普通の男の子だった目の前の少年に対してどんな言葉をかければいいか全然わからなかった。

再び無言の時間が続いていたその時、周囲の気温が一気に下がっている事に気づく。

 

出雲「ここは・・・・・・湖?」

 

いつの間にか森を抜けており、出雲とアリスの目の前には真っ白な霧に覆われた湖が広がっていた。

 

アリス「ここは霧の湖よ。気を付けて、ここには・・・・っ!!」

 

アリスは何かに気づき出雲の手を引く。その直後、出雲の立っていた場所に氷の塊が突き刺さった。

 

??「アタイの縄張りに入るな!!」

 

??「ここは別に・・・・・・チルノちゃんの土地じゃないんだけど・・・」

 

声のする湖の上空を見ると、青い髪に結晶のような羽の少女と緑色の髪の気の弱そうな少女がいた。

 

出雲「な、なんだ、あれ」

 

アリス「妖精よ、特に青い髪の『チルノ』って妖精は頭は悪いけど力は妖精の中では強いの。隣の大妖精は聞き分けのいい子なんだけどね」

 

チルノ「そこの人形使い!今サイキョーのアタイをバカにしたな!?アタイの力を思い知らせてやる!!」

 

チルノが両手を突き出すと、無数の氷の塊が出現して出雲とアリスに襲い掛かった。

アリスは人形を出して弾幕で相殺した、しかし出雲は能力で剣を出して防ごうとしたが今の出雲は武器の生成に必要なイメージが定まらない程集中出来ず剣は氷の塊を防げず折れてしまった。

咄嗟に反応して避けようとしたが避けきれず被弾してしまう。

 

アリス「出雲!!」

 

チルノ「どうだ、思い知ったか!!」

 

アリスは弾幕で煙幕を作り、チルノが見失っている内に傷ついた出雲を連れて物陰に隠れた。

 

 

 

出雲「・・・・・・ごめん、情けない所見せちゃったな。こんなんじゃ・・・・・・」

 

 

能力がまともに使えない程集中出来ていないのは目に見えていた。

ただでさえ受け入れきれない現実に直面している、あまりに間が悪すぎた。

 

アリス「ね、ねえ出雲・・・・・・・やっぱり独りは辛い?」

 

かつてのアリスはそんな事を気にしたことはなかった。そんな自分を変えてくれたのが人間でありながら魔法使いを名乗る親友だった。

今度は自分が彼女のように出雲を助ける番かもしれない。

そう思ったアリスは考えるより先に口が動いていた。

 

アリス「・・・・・・・だったら、私が新しい友達になってあげるっていうのはどうかな~・・・・・・なんて?」

 

突然の申し出に出雲は目を丸くして、アリスは自分の発言を思い浮かべてオロオロ狼狽えだして百面相していた。

 

アリス(って何言ってんの私は!!いや、だって他に思いつかなかったし・・・・・・・・でももっと気のきいた事言えないの!?)

 

出雲は呆然としていたが、狼狽えるアリスを見て不意に笑みを浮かべてアリスの頭を撫でた。

 

出雲「・・・・・・・・ごめん、気を使わせちゃったね」

 

突然頭を撫でられたアリスは顔を真っ赤にして目を回して思考回路が追い付かずショート寸前に陥っていた。

 

チルノ「見つけた!!」

 

近くからチルノの声がしてアリスは我に返って、弾幕より早く二人は隠れていた茂みから飛び出した。

 

チルノ「もう逃がさないぞ!これで・・・・」

 

出雲とアリスは身構えて、チルノはさらに弾幕撃とうとしていたが・・・・・・・・

 

 

チルノ「ぎゃばばばばばばばばばばば!!!!」

 

突然チルノの全身を電流がはしり、チルノは黒焦げになって目を回して湖に落ちていった。そんなチルノが先程までいたところにいたのは・・・・・・・・

 

大妖精「チルノちゃん・・・・・・・・・少し、頭冷やそうか?」

 

目からハイライトの消えた大妖精が大きめのスタンガン片手に笑みを浮かべていた。

 

出雲・アリス(この子なんでそんな物騒な物持ってるの!?)

 

大妖精「あの・・・・・・チルノちゃんがご迷惑をおかけしてすみません!」

 

二人の近くに降りて丁寧に謝る大妖精だったが、その手に持つスタンガンのせいで二人は恐怖を覚えていた。

 

出雲「一応聞くけど・・・・・・・君、その手に持ってるのどこで手に入れたの?」

 

大妖精「これですか?チルノちゃんがまた暴走した時に止める為に無縁塚で拾った物を香霖堂の店主さんに頼んで改造してもらったんです♪」

 

アリス(あの人は・・・・・・子供になんて物を・・・・・)

 

出雲は湖に目を向けると、黒焦げになったチルノが湖の中央で水死体のように浮かんでいた。

若干動いているから一応生きてるようだ。

 

アリス「そうだ、そろそろ博麗神社に戻りましょ?」

 

出雲「・・・・・・・あれ、大丈夫なのか?」

 

アリス「妖精はあれくらいじゃ死なないし、チルノの生命力は乙女の天敵のGと同レベルだから大丈夫よ」

 

出雲「そ、そうなのか?・・・・・・・・じゃあえっと大妖精?またな」

 

大妖精「はい、チルノちゃんはあとで回収しますのでお気になさらず」

 

大妖精に別れを告げて出雲とアリスは博麗神社へ戻っていった。

 

出雲「アリス、心配させてごめん。もう大丈夫だから」

 

アリス「そ、そう・・・・・・・」

 

出雲「もういつまでも後ろ向きに考えるのはヤメだ。戻ったら、能力も含めて自分の出来る事と出来ない事を調べないとな」

 

出雲はやっと落ち着いて、自分の事も前向きに考えるようになっていた、しかし・・・・・・・

 

アリス(・・・・・・・・うぅ、思い出しただけで顔が熱い・・・・)

 

アリスは先程の事を思い出しては顔を真っ赤にしていたが、出雲は全然気づいていなかった。

 

 

 




次回予告

霊夢「それはあくまでアンタの人間の部分から発言した能力、それを忘れないように」

出雲「了解、じゃあ始めよう」

霊夢と共に能力の研究開始

紫「そう、いずれ妖力を完全に継承して完全な妖怪、それも大妖怪レベルになるわ」

霊夢「・・・・・・危険な奴じゃないでしょうね」

出雲の体の変化は未だ終わっていなかった

霊夢「アンタはどうしたいの?」

出雲「俺は・・・・・・・・・・幻想郷を見て回りたいかな、自分の足で」

出雲は、決意を新たに旅に出る



次回、第4話「旅立ち」
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