東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

45 / 49
前回のあらすじ

はたて極刑執行!以上!!

出雲「一言で終わらせた!?」

はたて「解せぬ・・・・」


第42話「妖怪の山の天狗達」

出雲が目を覚ますと、目の前に知らない天井があった。首を回して周囲を見回す、どうやら和式家屋の一室のようだ。

 

出雲「・・・・・・あれ、俺香霖堂にいたはずなのに・・・」

 

出雲は人格崩壊時の事は何一つ覚えていなかった。とりあえず、自分がこうなっている理由を試案してみる。

 

1.魔理沙にアルコール度数の高い酒を無理矢理飲まされた

 

まず、魔理沙は昼間から酒を勧めるような性格ではない

 

2.霖之助の怪しい商品シリーズが原因

 

大いにあり得そうだが身体に大して悪影響が出ていないので無いだろうと信じたい

 

3.あの天敵とも言うべき青いつなぎの妖怪に拉致されてしまった

 

それは無い、あってはいけない、神がいるなら(この幻想郷には普通にいるが)一生忠誠を誓ってでも懇願したい

 

などと思考を巡らせていると、すぐ横の襖が開いて魔法使いを自称する友人、魔理沙が入ってきた。

 

魔理沙「お、起きたか?気分はどうだ?」

 

出雲「なんか・・・・・・凄い悪夢のような光を見た気がする」

 

魔理沙「(この調子なら覚えてなさそうだな)覚えてないのか?妖怪の山までついて行った辺りで私と弾幕ごっこしたんだぜ?」

 

出雲「そうだったのか?」

 

魔理沙「最後は私のラストスペルでふっ飛ばしてやったがな!」

 

ラストスペル、霊夢から聞いた所ではゲームで言う最終奥義みたいなものだと聞かされていた。

 

出雲「お前な・・・・」

 

魔理沙「やりすぎたZE☆」

 

まったく悪びれもしていない魔理沙に出雲はため息をつく、こういう性格だということは幻想郷に来てからの付き合いで分かっていたので仕方ないと思っている。

そしてこういった性格だからこそ人妖問わず様々な交友関係を築けるのだと思っていた。

出雲は起き上がると枕元に畳まれているロングパーカーを羽織って魔理沙と部屋を出た。

 

出雲「そういえば、ここって誰の家なんだ?」

 

魔理沙「ああ、ここは文の家だよ。ちなみに仕事場もここにある」

 

魔理沙が指さす部屋の奥で、文が頭を捻りながら次の新聞の原稿を作っていた。色々と試行錯誤しながらもその表情はとても楽しそうにみえた。

 

出雲「・・・・・・・文、お勤めご苦労様」

 

文「!・・・・・・って出雲さん、起きたんですね(魔理沙さん曰く人格崩壊していたようですが)」

 

出雲「ああ、悪いね。部屋一つ使わせてもらっちゃって」

 

文「いえいえ~私いつも記事作りながらここで寝落ちしちゃうものでして・・・・」

 

出雲「何かに熱心になるのはいいけど、程々にな。そうだな、ちょっと台所借りるよ」

 

出雲は文に断りを入れて台所に向かう、幸いにも野菜関連の食材が一通り揃っていた。さらに一通りの調味料、調理具も揃っていることに驚きながらも出雲は慣れた手際で調理を開始した。

野菜を食べやすい大きさに切り、鍋に入れて調味用で味付けして蓋をする。

完成した料理を器に入れて仕事場に戻った。

 

出雲「はい、作るのは久しぶりだからちょっと自信ないけど」

 

魔理沙「これって、確かポトフだっけ?アリスもたまに作ってる」

 

文「!・・・・・・・お、美味しい」

 

出雲「なんとなく、文って俺の母さんに似たタイプみたいだから栄養バランス偏ってそうだったからさ。隅に栄養剤のパック散らばってるし」

 

魔理沙「お前の洞察力すげえな、おい」

 

文「しかも・・・・・・これ程家庭的で気遣い上手・・・・・・何故でしょう、女として凄い敗北感が・・・・」

 

箸が止まらず、すぐに完食した文は出雲の高い家事スキルに何故か敗北感を抱いていた。すると玄関が開いて、白い髪と尻尾に犬耳の山伏の恰好の少女が入ってきた。

 

??「文さ~ん、さっきの人起きました~?って何故文さんがっくりうなだれてるんですか?」

 

魔理沙「女として敗北したからさ(ちなみにこいつ、香霖堂にいた時からの記憶消えてるから悟られるなよ。後が面倒だ)」

 

??(わかりました)

 

出雲「えっと、はじめましてだな。俺は出雲、月神出雲だ」

 

椛「私は哨戒天狗の犬走椛と言います。本当に同胞の引きこもり駄記者がとんだご迷惑を」

 

文「椛~毒舌凄いですよ~」

 

最後の部分が小声でよく聞き取れず出雲は首を傾げながら、耳や尻尾に目を向けた。

 

出雲「・・・・・・・天狗?」

 

椛「・・・・・・・?」

 

出雲「・・・・・・おすわり」

 

椛は反射的に犬のように座り込んだ。

 

出雲「・・・・・・お手」

 

出雲が右手を差し出すと椛は左手を乗せた。

 

出雲「・・・・・・犬じゃん」

 

椛「犬じゃありません!白狼天狗っていう狼の天狗です!!」

 

出雲「ふむ・・・・・・文、骨くれる?」

 

文「どうぞ」

 

立ち上がって猛抗議する椛、出雲は文からどこから持ってきたかわからないが骨を受け取るとそれを椛の前に向ける。

次第に椛は目を輝かせて尻尾を振り始めた。

 

出雲「それ、取ってこい」

 

出雲が骨を投げると椛は一目散に走りだして、見事にキャッチすると尻尾を振りながら骨をかじり始めた。

その様子は100人中100人が犬と思う光景だった。

 

椛「♪~・・・・・・・はっ!」

 

我に返り、出雲と魔理沙は苦笑を浮かべ、文はカメラで撮り続けていた。

 

 

 

 

 

一通り落ち着き、魔理沙は用事があるからと飛んでいき、文は出雲の用意した料理を堪能して原稿を仕上げ始めた。

そして出雲は、椛の案内で山の頂上にあるらしい外の世界から来たという守矢神社に向かっていった。

 

出雲「随分手馴れてるんだな」

 

椛「ええ、一応人里からも参拝客は来ますので、そういった人たちの案内と護衛も仕事ですから」

 

椛に案内されて安全な参道を歩いていく、途中山に住み着く妖怪もいるが大体は椛が剣を向けるより早く出雲の一睨みで逃げていった。

たまに椛を狙った息を荒げる妖怪や、青いつなぎを来たあの妖怪もいたが、奴らは睨むと身を捩らせて恍惚な表情を浮かべていた。無論気持ち悪がって戦闘?になったが、身の危険を感じた二人は即席とは思えぬ連携で吹き飛ばしていた。

人間も妖怪も自身に危険が迫ると本来以上の力を発揮できるものだと改めて感じていた。

しばらくすると、石畳の舗装された道が見えてきた。

 

椛「この参道を行けば、守矢神社です」

 

出雲「この先が・・・・」

 

椛「では、私は哨戒任務に戻りますね」

 

出雲「ああ、色々ありがとう・・・・・・・とりあえず、道中気を付けて」

 

椛「はい・・・・出雲さんも」

 

気持ち悪い妖怪に狙われた者同士、通じるモノを感じた二人は自然な流れで握手を交わした。

そして、飛んでいく椛を見送った出雲は石畳の参道を歩き出した。




次回予告

出雲「ここが・・・・・博麗神社より立派だな」

霊夢「・・・・・・・はっ今ウチの悪口を言われた気配が!」

参道を通り、守矢神社へ

??「おや、参拝客ですか?」

出雲「まあ、そんなところかな」

常識に囚われない巫女との出会い

??「ほお、中々礼儀正しいじゃないか」

??「神奈子~あんま威圧しちゃ可哀想だよ~」

出雲(この二人が・・・・・・・神)

二柱の神との邂逅


次回、43話「奇跡起こす風祝と二柱の神」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。