東方幻妖録 第1部《大妖転生篇》   作:ハマトラ

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出雲「作者、作品一つ消して新しいの書くらしいな」

評価が以前より下がったしな・・・・・・・・・・

出雲(それが狙いの批判厨の可能性を考えなかったのか?)


第44話「常識に囚われない巫女」

お茶を出して、早苗は一人神社の境内の真ん中で空を見上げる。『あの日』と同じ曇天がどこまでも広がっている。

この曇天を見ると否応なしに外の世界での苦い記憶が蘇る、東風谷早苗は現人神であったがそれ以外は能力を有する以外普通の少女であった。

普通に高校に通い、普通の年相応の青春を送るはずだった普通の少女であった。しかし、人間とは自分と違う者を避け、自身より優れる者を妬み、迫害する。

彼女が高校に入学してすぐの話をしよう。

彼女はその容姿もあり、男子から絶大な人気を得た。しかし、それを快く思わぬ者もいた。始まりは一人の女子生徒がクラスの女子をたきつけたことだった、女子生徒の目論み通り、早苗は初めてイジメを受けた。それからそれに便乗するように回数と人数が増えていき、そして親代わりの神2柱が様子を見に行く少し前にはクラスの女子全員がイジメに参加していた。

その方法も陰湿なもので人混みに紛れて階段から突き落としたり、机に蝮や蜴を入れられたこともあった。

さらに人のいない場所で服ので見えない箇所に殴る蹴ると悪質であり陰湿であり卑劣なイジメが続いた。

2柱が幻想郷への移住を決めた時には既に手遅れだった。元々の明るく太陽を連想させる笑顔は見る影無く無機質で無表情な心の壊れた東風谷早苗だった少女が表情一つ変えずに言った。

 

早苗「神奈子様、諏訪子様、お二人の居る所が私の居場所です。どうぞ、どこへでも連れて行って下さい。」

 

神奈子はこれほど嘆いたことが無い程泣き叫び、諏訪子は自身の持つ祟りの力が溢れる程憤慨した、二人には幻想郷に移住する前にやらなければならないことができた。

 

神奈子「早苗が何をした!!!!!普通の生活を誰よりも望んでいたあの子を・・・・・・・・・あの子の心を壊しやがって!!!!!!!」

 

諏訪子「返せ!早苗の心を!笑顔を返せ!!!!!お前達は今!神の逆鱗に触れた!!!!!」

 

かつて敵対していた2柱の神は限られた神力を振るい、その女子達全てにあらゆる祟りを呪詛を厄災を与えた。

その後その少女達がどうなったかは定かでは無いが元々の原因を作った始まりの女子生徒はあらゆる死を体験する呪詛を受け死より残酷な廃人と化したようだ。

幻想郷に来て早苗の心は少しずつ癒えていったが、一度壊れた心はそう簡単には元に戻らない。

今でも彼女の心にはかつてのイジメの記憶が纏わり付き彼女の心を蝕む。

曇天の下、早苗は小刻みに震え、過去のイジメの記憶がフラッシュバックのように流れ込んでいく。

焦点が合わなくなり、パニックを起こす寸前だった。

 

その時、肩に手を置かれて我に返る。そこには客人の出雲が真剣な顔付きで立っていた。

 

出雲「早苗、大丈夫だ。落ち着いて・・・・ゆっくり深呼吸するんだ」

 

出雲の指摘通り深呼吸する早苗は次第に落ち着きを取り戻していった。

 

 

 

 

 

早苗「すみません、こんな酷い発作なんて初めてで・・・・・・・」

 

出雲「早苗・・・・・・・・・・お前気付いてないのか?」

 

首を傾げる早苗の背に手を回すと何かを掴んだ。姿を現したそれは小さな鬼だった。

 

出雲「勇儀さんから聞いたけど、鬼には力が弱い代わりに血鬼術って特殊な術を使う奴もいるらしい。こいつの場合、取り憑いた人間の最も辛い過去を見せ続けるってところか」

 

小鬼は喚きながら暴れ、拘束を逃れると一目散に飛び去ろうとした。しかし、出雲が逃がすわけなく、指を鳴らした瞬間小鬼は苦無に包囲され全方向から襲い掛かる苦無で細切れになった。

 

早苗「妖怪に取り憑かれてたことに気付かなかったなんて・・・・・・」

 

出雲「元々力の弱い鬼だからだろう、だから神域の影響もあまり受けなかったんだ」

 

早苗「幻想郷では常識に囚われてはいけない、わかっていたんですけど」

 

精神攻撃が相当効いていたようで先程までとは大違いな程弱々しく思えていた。

 

出雲「・・・・・・・・無理しない方がいい。イジメの記憶を掘り起こされたんだろ?」

 

早苗「!!どうして・・・・・・・」

 

出雲「さっき聞いた。君も人の悪意の犠牲者なんだな」

 

出雲は跳躍すると鳥居の上に登りそこから見える美しい日本の原風景を眺めた。早苗も出雲を追って鳥居の上に登る。

 

出雲「俺は、本当だったら春頃剣道のインターハイで選手として出てるはずだったんだ」

 

早苗「!」

 

出雲「けどそれが決まった日、それが面白くなかった先輩達に襲われて崖から落ちた所を紫さんが助けてここに連れて来たんだ。先輩達に対し恨む気持ちが無い訳じゃない、けど辛い記憶を埋め尽くす程に、ここでの日々は楽しい事が多い。君の心の傷は俺よりも深いことは解ってる、だけどここは毎日退屈させてくれない所だ。きっと君の心に影を落とす辛い過去も簡単に埋め尽くしてくれるだろう。」

 

早苗は不意に幻想郷に来てすぐのことを思い出していた。異変を解決しに来た博麗の巫女と自称普通の魔法使いと対峙した時、明らかに自分の方が力を持っているはずだった。

しかし、結局手も足も出せなかった。

 

霊夢『アンタみたいな死んでるみたいに生きてる奴に負けるか!!』

 

魔理沙『お前がどんな辛いの抱えてるかは知らないけどな・・・・・・・・私はそういうの全部受け入れてやってきたんだ!』

 

二人の言葉が今でも突き刺さる、今でこそ仲良くはしているが心に壁を作って踏み込ませようとはしなかった。

彼はその壁を難無く飛び越えてこちらに手を差し伸べていた。

 

 

出雲「君がいつか、心から笑顔になれる日が来るって信じてる。俺も友達として協力するからさ」

 

早苗「出雲さん・・・・・・・・」

 

出雲「だからさ、改めてよろしく」

 

早苗「・・・・・・・・・はい、こちらこそ」

 

ずっと暗闇の中にあった少女の心に光が差し込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその日は、神奈子の誘いもあり守矢神社に泊まることになった。

 

神奈子「出雲・・・・・・・いっそのこと早苗を嫁にしないか?」

 

出雲「ブゥッ!!!!!」

 

早苗「神奈子様!!」

 

諏訪子「あっはは~照れちゃって~早苗は可愛いな~」

 

神奈子の爆弾発言に出雲が吹き出し、早苗は顔を真っ赤にして、諏訪子はその様子を見ながらケラケラ笑っていた。

出雲旅の話を交え、守矢一家と親睦を深めてながら夜は更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、出雲は次の目的地に向かう為、守矢神社を発つことになった。

 

神奈子「出雲、次はどこへ?」

 

出雲「そうですね、冥界の白玉楼に行ってみたいですね」

 

諏訪子「あそこか~・・・・・・・・・・・とりあえず死なないで」

 

出雲「え!?」

 

神奈子「行けばわかるさ」

 

早苗「出雲さん、これを」

 

早苗が手渡したのは一枚の護符だった、そこには風を思わせる紋様が刻まれていた。

 

早苗「私の力を込めた護符です。冥界に行くには空を飛ぶ必要がありますから、使い捨てしか用意出来なくてすみません」

 

出雲「いや、十分だよ。ありがとう」

 

出雲は護符を握り強く念じる、出雲を包むように風が集まり出雲の体は宙に浮いた。

 

神奈子「冥界の入り口は東の空にある、気をつけてな」

 

出雲「はい!神奈子さん、諏訪子さん、早苗、またな!!」

 

出雲は別れを告げて、東の空に向かって飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ーーーーーーーー

 

紅い館の庭に鋭い打撃の音が響き渡り、衝撃が大気を軽く揺らした。

 

美鈴「大分上達してきましたね!」

 

紅臥「ありがとうございます!でもまだまだ!!」

 

紅臥は蹴りを弾かれた反動を利用して逆方向へ回し蹴りを叩き込んだ。

 

美鈴「甘い!!」

 

美鈴は蹴りの入る瞬間、紅臥の足を掴んでそのまま地面にたたき付けた。

 

紅臥「いったた・・・・・・・・やっと美鈴師匠から一本取れると思ったんですが」

 

美鈴「なんの、まだまだ弟子に遅れを取る私じゃありませんよ♪」

 

出雲の式、紅臥は日々上達していっていた。

 

 

 

 

 




予告消しました・・・・・・・・ネタ縛りがきつくなってきましたんで・・・・・・・年内に更新再開出来る様にします
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