ISカグラ‐雷光の担い手‐   作:灰音穂乃香

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かなり遅れました第九話をお届けしました。



第九話 『緋弾』

「これから空中戦をしてもらう。

織斑、オルコット、影宮、神崎。

ISを展開しろ」

 

朔乃が代表となった三日後の授業。

一組の面々はIS学園敷地内の海上にいた。

ISを用いた空中戦は落下物の心配が無い海上や砂漠で行われることが国際大会の規約で決められているからだ。

千冬の号令と共に黒鉄を展開させた朔乃は彼同様に既にISを展開し終えているアリアを‐正確には彼女が展開しているISを見る。

ラファール・カドラ…その名が示す通りフランス製のラファールをカスタマイズしたものである。

朔乃の黒鉄と同様に束から託された専用機でありその最大の特徴が…。

 

『副腕でござるな……』

 

朔乃がそう心の中で呟く通り、ラファール・カトラの持つ一番の特徴は四本の腕を持つことにある。

実弾武器の多い第二世代機。

火力不足という事もあり作られた試作機がこのラファール・カトラである。

だがこの機体には乗り手を選ぶという重大な欠点があった。

本来人間に無い、もう二本の腕を操るのは難しくその操縦は亡国機関が持つアラクネ程では無いがそれなりの技術を必要としたのである。

 

「………」

 

そこで朔乃はアリアが自分の事を睨んでいるのに気づく。

言葉には発していないが朔乃が自分を見ていた事が気に障ったらしい。

 

っと、そこで…。

 

「よし、展開が終わったようだな」

 

朔乃達から遅れる事数瞬、一夏とセシリアもISを展開を終えたらしい。

 

『あれっ?』

 

っと、そこで朔乃はある事に気づく。

通常、空中での戦闘は銃火機の撃ち合いがセオリーだ。

朔乃の場合は『纏雷』を流用した電撃などがあるが一夏の白式は武装は『零落白夜』オンリーだったはずだ。

「ちふ…織斑先生、俺の白夜には遠距離武装が無いんだが?」

 

それについて、一夏自身も理解しているらしく一夏が手を上げてそう宣う。

 

「知らん、それぐらいは自分でなんとかしてみせろ」

 

「そんなー」

 

千冬の言葉に肩を落とす一夏を気の毒に思いつつ朔乃は意識を研ぎ澄ます。

 

「先ずは影宮と神崎からだ」

 

千冬の言葉と共に朔乃とアリアは上空へと飛び立った。

 

 

『影宮くん、カメラの方は邪魔じゃない?』

 

耳に取り付けたインカムから摩耶がそんな言葉を発している。

空中戦の様子はISに取り付けられたら小型カメラによってリアルタイム中継で船にあるモニターへとと届けられる。

事故防止などの理由からである。

 

「何ら問題はござらん」

 

摩耶の言葉に朔乃はそう答えるとアリアを見る。

彼女も朔と同じように千冬から通信を受けているのか何か受け答えをしているように見えた。

 

『二人共、初めてくれ』

 

千冬のその言葉と共に先ず、動き出したのはアリアだった。

 

『熱源反応!多弾頭ロケットランチャーです!!』

 

「つっ!」

 

ハイパーセンサーから告げられる情報に朔乃は『纏雷』を発動、急加速して砲撃の範囲から逃げる。

それと同時に爆風が黒鉄を叩くが大したダメージは無い。

だがアリアも加速して朔乃が銃弾を放つ。

アリアの方を見ると彼女のISは左右の腕でガトリング砲を構えている。

通常、ガトリング等の大型の機銃を持つ場合は両腕で支えていなければいけない訳だが彼女の副腕はそれを可能としているのである。

以前、遭遇したゴーレムが使用したガトリングよりも大口径のせいかかなりのシールドエネルギーが削れていく。

 

「これ以上は…やらせぬでござる!」

 

言いながら、朔乃は武装を展開、急減速するとアリアの後ろへ回り込み、それの引き金を弾く。

光の尾を引きなら撃ちそれは銃弾では無く棒状の手裏剣である。

だが、只の手裏剣とはいえ朔乃の纏雷のにより発射された手裏剣の威力は実弾のそれを大きく上回る。

朔乃が設計した連射式の小型レールガンである。

超高速で撃ち出した手裏剣はラファール・カトラへと直撃し、盛大な爆発を引き起こしたのであった。

 

 

「使ってくるとは思ってけどなんて威力よ…」

 

爆炎に包まれながらアリアは呟く。

天界から朔乃の能力について聞かされてはいたのだが

今の状況では些か歩が悪すぎる。

だが、アリアのラファール・カトラには現状を打破する為の手段は残されている。

 

『ここであれを使うのは少しばかりもったいないけど…』

 

逡巡は一瞬、アリアはその言葉を口にした。

 

「トランザム」っと…。

 

 

 

『むっ?』

 

爆炎に包まれるラファール・カトラから何かを感じたのか朔乃は両手に小太刀を展開する。

 

『前方からラファール・カトラが接近!』

 

それと同時にセンサーからの報告と共に朔乃は振り向き、アリアの攻撃を受け止める。

「ちっ…やっぱり一撃は入れさせては貰えないか…」

 

残念そうに言葉を漏らすアリア。

その機体は彼女の髪と同じく紅い光を放ち、腕には朔乃と同様に小太刀を展開している。

 

『なるほど…それがお主の能力でござるか?』

 

ISのプライベートチャンネルで朔乃はアリアに尋ねる。

 

『そっ、ISのコアにアクセスして機体の限界以上の性能を引き出す技‐それがトランザム・システムよ。

あんたの『纏雷』と違ってシールドエネルギーを消費しまくるから余り長い時間は使えないけどねっ!』

 

アリアの言葉と共に副腕に展開されたのはガバメントだ。

 

黒鉄もダメージは受けているといえ拳銃で倒されるほどではない。

だが、背筋にびりびりするようなプレッシャーを感じた朔乃は鍔迫り合いの状態から足払いをする。

「しまっ…」

 

全く予想していなかったアリアは目を大きく見開く。

体勢が崩れた彼女の持つガバメントから紅い光弾が発射され空を穿がち、同時にラファール・カトラのシールドエネルギーが尽きたのか千冬から戦闘の終了を告げられたのであった。

 

 

『あの状態から緋弾をかわすとは思ってなかったわ…』

 

船へと着地しながらアリアがプライベートチャンネル越しでそう呟く。

 

『アリア殿、先ほどの光弾は?』

 

『『緋弾』…ラファール・カトラがトランザム状態の時にだけ撃てる必殺技とでも思っておいて』

 

そう言うとアリアは小さく伸びをして上空へと目を向ける。

そこではセシリアと一夏の戦闘が開始されようとしていた。

 

 

 




原作ではISの飛行の授業となる本話ですが一夏もある程度IS使い慣れてる筈なのでドッグファイトを書いてみましたー。
因みに一夏はセシリアにボロ負けしました~
次回は鈴登場&代表戦を予定してますのでお楽しみにですw
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