ISカグラ‐雷光の担い手‐   作:灰音穂乃香

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第十二話 『恋心』

原作通り、セシリアと鈴がうずくまっていた理由は一夏に絡んでいたためであり。

その後に行われた摩耶VSセシリア&鈴の組み合わせで行われた実戦訓練もまた原作通りに摩耶が圧勝と終わった。

 

「鈴さんが無駄にボカスカ衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

 

「こっちのセリフよ!何でエネルギー切れの早いビットをすぐに出すのよ!」

 

そして現在、またまた原作通りにセシリアと鈴が責任の押し付け合いが朔乃の目の前で繰り広げられていた。

 

 

結局のところ二人のいがみ合いは一組、二組の女子が小さな笑いを起こすまで続いた。

「さて、これで諸君にもせよIS学園教育の実力が理解できただろう。

以後は経緯を持って接すること」

 

そう言いながら千冬が手を叩き皆の意識を切り替える。

 

「専用機持ちは織斑、影宮、オルコット、デュノア、ボーディッヒ、鳳、神崎だったな。

では五~六人でグループを作れ。

各グループリーダーは専用機持ちがやること。

では分かれろ」

 

千冬が言い終わるや否や朔乃と一夏、そしてシャルロットへと一気に女子が集まってきたのだ。

正直、女子の状態で人が集まってきたのは意外に思えたが彼女の温厚な人柄から考えてみればそれも妥当な事だと考えられた。

 

「織斑君!一緒に頑張ろう!」

 

「わかんないところ教えて~」

 

「デュノア君の操縦技術がみたいなー」

 

「私も良いよね?同じグループに入れて!」

 

「影宮君のビリビリってやつを私も喰らいたいー」

 

「朔ちゃんの強さの秘密を私に教授して~」

 

予想を上回る盛況ぶりにシャルロットも一夏も、そして朔乃もどう対応していいか立ち尽くしていた。

その状況を見かねたか、自分の浅はかな考えに嫌気がさしたのか、千冬は面倒そうに額を手で押さえながら口を開く。

 

「この馬鹿者どもが…。出席番号順に一人ずつ各グループに入れ!順番は先ほど言ったとおりだ。

次にもたつくようならば今日はISを背負ってグランドを百周させるからな!」

 

千冬のその声と同時に女子達は移動を開始、二分とかからずに専用機持ちのグループを作る。

 

「最初からそうしろ。戯けが」

 

千冬が大きくため息を漏らす。

それにバレないように各班の女子はお喋りを始める。

 

「…織斑君と一緒…良かったー。私、この時ほど親に感謝したことはないよー」

 

「…ツイてない…セシリアか…。

さっきボロ負けしてたしなぁ…」

 

「…影宮君、夜は待ってるからって…こんなこと言ったら更識さんに悪いかなー」

 

「神崎さんー、よろしくー」

 

「…鳳さん、よろしくね。

あとで織斑君の事を聞かせてよっ」

 

「…デュノア君!わからない事があったらなんでも聞いてね!

ちなみに私はフリーダから!」

 

「…………………」

 

「…拙者と簪殿はそのような関係ではござらんよ!?」

 

女子達の間では既に朔乃と簪はそういう関係になってるらしく、朔乃は慌てて首を横に振る。

同室だからそのような勘違いをしないで欲しいと云うのも些か無理があるのだが。

 

「ええと、いですかーみなさん。

これから訓練機を一般に一体を取りに来てくださいねー

数は『打鉄』が三機、『リヴァイブ』が二機です。

早い者勝ちですからねー」

 

模擬戦で自信を取り戻したのか摩耶が普段より堂々たる態度で口を開く。

 

「影宮君、操縦教えてー」

 

「このIS重ーい、影宮君ヘルプミー」

 

「やっぱり専用機って良い感じなのかな?」

 

摩耶の号令と共に朔乃は女子達に取り囲まれる。

 

「お喋りもいいでござるが余り盛り上がりすぎると…」

 

そんな彼女達を納めようとしたときにスパーンっと小気味よい音と「「「いったああっっ!」」」っと言う見事なハモリ悲鳴が響く。

一夏の班からである。

そちらの方を見ると朔乃と同じ状態だったらしく一夏の周囲の女子達が頭を押さえてうずくまっていた。

 

「ああなるでござるよ?」

 

「「「…………」」」

 

一夏班を指差しながら言う朔乃に女子達は飛び火を恐れて即解散、今は朔乃班の女子の一人‐木原涼子‐(簪の友人その一とのこと)ISの外部コンソールを開いてステータスを確認している。

ちなみに朔乃班の訓練機は打鉄である。

 

「それでは始めるでござる。

木原殿、ISに何回かは乗ったでござるな?」

「うん、授業でだけど」

 

「では大丈夫でござるな。

では装着から起動までやるでござるよ。

長引けば放課後居残りでござるからな」

 

「そ、それはマズいわね!

よし、真面目にいこう!」

 

今までは真面目ではなかったような発言にとりあえずは目を瞑り、朔乃は一人目の装着、起動、歩行と指示された工程を問題なく進んでいく。

―はずだったのだが、二人目の装着時に問題が発生する。

 

「コックピットに届かないー」

 

「む?」

 

通常は訓練機を使う際には装着解除時にしゃがませた状態にしないといけないのだ。

『『黒鉄』を出して乗せるのが手っ取り早いでござるな…』

 

などと朔乃が思っていた時である。

 

「どうしました?」

 

そこで登場したのは摩耶先生である。

 

「ISをしゃがませるのを忘れていたのでござるよ…

それで拙者が『黒鉄』を出して彼女をコックピットへと運ぼうと思うのでござるが…」

「確かにISは飛べますから安全にコックピットに運べますね。

では、そうしてあげてください」

「心得たでござる」

 

摩耶の言葉に朔乃は頷くと『黒鉄』を展開すると二番目の女子‐栗林雪歩(彼女もまた簪の友人とのこと)を抱きかかえる。

 

「ひゃあ!」

 

それと同時に雪歩が小さく悲鳴を上げる。

「すまぬ、どこか変な所でも触ったでござるか?」

 

「ううん、大丈夫。

少しびっくりしただけだから」

 

朔乃の言葉に雪歩は首を横に振る。

 

「しっかり捕まっているでござるよ」

 

「う、うん」

 

遠慮がちに腕を握る雪歩を確認すると一メートル程の高さへとゆっくりと上昇すると彼女を落とさないように気を使いながら打鉄のコックピットへと運ぶ。

 

「では、背中からゆっくり入って。

そこの装甲に手をかけるとやりやすいと思うでござる。

大丈夫でござる?」

 

「だ、大丈夫…後は自分で出来る…簪もこっちの方をガン見してるし」

 

最後の方はゴニョゴニョと言っててよくわからなかったが雪歩の言う通りに離す。

 

「それでは起動をしてみるでござるよ」

 

朔乃に促されて、起動シークエンスを開始する。

開いたままの走行が閉じて操縦者をロックすると、静かに起動音を響かせて打鉄が姿勢を正した。

 

「では次に―」

 

 

 

 

 

朔乃とは別の班の簪は偶然にも見てしまった。

朔乃が女子をお姫様抱っこしてISに乗せようとしているところを。

 

『つっ!』

 

それを見た簪の胸にチクリと疼くような痛みが走る。

この痛みを感じるのは既に二度目。

そこでようやく簪は自分の気持ちを悟った。

『ああ…そうか…私はやっぱり朔乃の事を…』

 

好きなのだと…。

 

 




前話から2ヶ月近くかかりようやく十二話です!!
二巻中頃です!
IS二期が始まるのに全然進んでない…orz
放送中になんとか原作に追いつけるように加速していきます!
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