ISカグラ‐雷光の担い手‐   作:灰音穂乃香

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第十五話 『海に着いたら11時!』

「海っ!見えたー!」

 

トンネルを抜けたバスの中でクラスの女子が楽しげな声を上げた。

現在、昨乃達IS学園一年生の面々は臨海学校で海へと向かっていた。

 

「……」

 

「簪殿?気分が優れぬのでござるか?」

 

浮かれた空気の車内で昨乃は隣の席で俯いている簪に気づく。

 

「ううん………平気…何でも…ない」

 

そんな昨乃にそわそわと落ち着かない様子で答える簪。

 

『車酔ではないようでござるがどう言うことでござろう?』

 

っと疑問符を浮かべる昨乃であるが旅館に着い為にその思考は中断せざる得なかった。

 

 

一夏と共に教員であるところの千冬と麻耶の部屋の隣へと荷物を起き昨乃は一足早く海へと向かっていた。

ちなみに千冬達の部屋の隣である理由は言うまでもなく就寝時間を超えて女子達が遊ぶに来る可能性があったからである。

また、一足早く海へと向かったのは多少浮かれていたからでもある。

前世で通っていた学校…即ち、半蔵学園でも臨海学校はあったのだが昨乃が転入してきた時には行われた後だったりするのだ。

 

そんな事もあり、昨乃にとっては臨海学校は今回が初めての体験であるのだ。

 

ウキウキ気分で別館の更衣室…その一番奥の部屋へと昨乃は向かうと手早く着替えて海へと出る。

 

「あ、影宮くんだ!」

 

「う、うそっ!

わ、私の水着変じゃないよね!? 大丈夫だよぬ!?」

 

「わ、わー、腰細いー。 ハグしてもいい?」

 

「影宮くーん、あとでビーチバレーやろうよ~」

 

「時間があればよいでござるよ」

更衣室から浜辺へ出て直ぐに隣の更衣室から出てきた女子数人と出会う。

全員、可愛い水着を身につけていて、その露出に少しだけ照れる。

 

背筋がむず痒くなるような感覚を覚えながら砂浜に足を踏み出す。

 

「あちらっ」

 

照りつける太陽が熱した砂に足の裏を焼く感覚をどこか新鮮に感じられた。

任務以外で海へ来るのは初めての経験だったからだ。

足裏に感じる熱に爪先立ちになりながら、波打ち際へと向かう。

ビーチには既に多くの女子生徒が溢れており、肌を焼いていたりビーチバレーをしていたり、さっそく泳いでいたりと自由時間を満喫していた。

着ている水着も色とりどりで、ある意味七月の太陽よりも眩しく感じられた。

 

「にゃっほー!昨ちゃーん!!」

 

海に入るために柔軟体操を始めた昨乃に後ろから声をかけたはキツネの着ぐるみ(防水仕様)を着た本音であった。

そして彼女の後ろにで気恥ずかしげにしている簪の姿が見えた。

 

「さあ!カンさん!!昨ちゃんに君の水着姿を見せて籠絡してやるのだ!」

 

『ああ…成る程でござる…』

 

本音の言葉に昨乃はバスの中で簪の様子がおかしかった理由を理解した。

昨乃に自分の水着姿をみせるのが恥ずかしかったからだ。

 

身体をもじもじさせている簪にそう呼びかける本音。

 

「ちょ…本音…恥ずか…しい」

 

今にも消え入りそうな声で宣いながら簪は本音の背後からゆっくりとした足取りで出てくる。

 

簪が着ていたのは青いバンドゥビキニである。

どこか落ち着いた印象の水着は控え目な正確の簪には非常に良く似合っていた。

 

「どう…かな?」

 

恐る恐る尋ねる簪。

 

「その…凄く…似合ってるでござるよ…」

 

そんな簪に昨乃も気恥ずかしげにそう答える。

 

 

「二人ともラブラブだね~」

 

ニヤニヤした顔で宣う本音に昨乃と簪はハッとなる。

本音以外にもクラスの女子達がホクホク顔で昨乃達のラブい雰囲気を見ていたのであった。

 

 

 

その後、アリア(真紅のタンキニ着用)と本音、クラスの女子達を交えたビーチバレーをしたり、一夏、鈴と共に泳いだり、豪華な食事に舌鼓を打ったり、温泉を堪能したりして臨海学校初日は終了した。

 

 

 




随分と遅くなりました、灰音です。
原作三巻の福音編第一話をお送りします。
次回はもう少し早くup出来ればと思っています。
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