ISカグラ‐雷光の担い手‐   作:灰音穂乃香

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第十九話 『武御雷‐タケミカヅチ‐』

朔乃とアリアが旅館をから福音のいるポイントへ向かったのは箒達が出発して五分が過ぎてからであった。

 

「それにしても…一体どこのどいつよ…福音の武装を入れ替えた奴は…」

 

等と言ったアリアのIS‐ラファール・カトラに装備されたパッケージは『アラストール』

高機動ブースターの左右に40mm連射型レールガン『フレイムヘイズ』と八発装填式のミサイルポッドを左右に装着させ、腕にはガトリングシールド、実体剣を左右の腰に一本づつ装備させた某種ガン●ムのIW●Pを思わせる武装である。

「恐らくは亡国機業の手の者の仕業で………」

 

「ござろう」と言いかけたところで朔乃は何かに気づき話すのを止めると雷をその身に纏う。

 

『『後方より高エネルギー反応!!』』

 

同時にハイパーセンサーからの報告に朔乃とアリアは散開する。

 

その直後に先ほどまで朔乃とアリアがいた場所に火線が走る。

 

「「!!!!」」

 

火線が放たれた方向を見ると赤い鎧武者ようなデザインのフルスキンタイプのISハイパーセンサーが捉える。

道元のIS『炎帝』だ。

接触まで三十秒もかからないだろう。

 

「アリア殿…すまぬが先に箒殿の所へ向かって頂けぬでござるか?」

 

「つっ!?そんな事が出来る訳が…」

 

「敵の狙いは恐らく福音でござる、ならば福音を倒してしまえば道元も引き上げるでござろう」

 

「わかったわよ…その変わりやられたら風穴空けるからね!」

 

そう言いながらアリアはブースターをふかして箒達の方へと向かう。

 

 

 

「さて…」

 

朔乃が小太刀を展開させると同時に目視でも炎帝が確認できる距離にまで近づいてきていた。

 

背中に大刀がある以外は以前に朔乃が戦ったものとは外見上の変化は無い。

だが、忍としての技量、剣術共に道元は朔乃を上回っている。

それ故に朔乃はこの戦いに死力を尽くすつもりであった。

 

「やはり我の前に立ちはだかるか…」

 

「当たり前でござる」

 

プライベートチャンネル越しの道元の言葉に答えると同時に道元は背中の大刀を抜き朔乃に切りかかる。

 

「お主の狙いは福音でござるな?」

 

大刀を小太刀で受け止めながら朔乃は道元に問う。

 

「ああ…上層部からの依頼でな…。

この依頼を果たすために貴様を排除させてもらう!」

 

道元が言うと同時に大刀が炎を纏い熱波がシールドエネルギーをジリジリと削っていく。

このまま鍔迫り合いをしていてはマズいと思った朔乃は蹴りを放ち距離を取ろうとする。

しかし、道元はその行動を読んでいたらしく片腕で蹴り足を掴み………

 

「…紅蓮腕」

 

「ぐぅぅぅ!」

 

道元が呟いた瞬間、爆炎が脚を包み込み朔乃の顔が苦痛に歪む。

 

「距離を取れば我に攻撃を当てられるとでも思ったか?

だがまぁ良い…」

 

そう言うと同時に道元が朔乃を放り投げる。

 

「くっ!」

 

朔乃は空中で大勢を整えながらプラズマスフィアを三十発形成し撃ち出す。

 

それに対して道元は数秒で火球を六十発形成、三十発をプラズマスフィアを迎撃。

爆風と爆炎がシールドエネルギーを削る。

更に追い討ちとばかりに残りの放たれ黒鉄に直撃する。

 

「あぁぁぁぁっ!」

 

与えられる痛みに声を上げる朔乃。

それと同時にシールドエネルギーがゼロになり海へと落ちていく。

 

「ふん、つまらぬ…死ね」

 

道元は大刀に炎を纏わせる。

 

「秘伝忍法・火具神‐カグツチ-」

 

そう道元が言うと同時に炎が渦を巻ながら朔乃へと撃ち出される。

 

シールドエネルギーがゼロとなった今、喰らえば命は無い。

 

『拙者は…死ぬのでござるか…?』

 

迫り来る絶望の炎に朔乃は目を瞑る。

 

『必ず…帰ってきて…』

 

刹那、簪のそんな声が朔乃の脳内に響く。

 

『否…このような所で死んではいられぬ!』

 

そう強く思った瞬間。

―戦闘経験値が一定量まで蓄積しました、120mm収束荷電粒子砲《御武雷‐タケミカヅチ‐》の使用が可能です。

 

っと言うマシンボイスが響く。

 

『スペックを確認している余裕は無い、この武装にかけるでござる!』

 

目前に迫る、炎に朔乃は御武雷を展開する。

 

Wガン●ムのバスターライフルに似た形状のそれを掴み、トリガーを引く。

 

眩い閃光とともに放たれたビームが火具神とぶつかり合って空中で激しい爆発を起こす。

 

「っぐ!」

 

それによって生じた爆風に吹き飛ばされた朔乃は海面へと激突、そのまま意識を失った。

 

 

 

 

 

 

「の…朔乃…」

 

「んっ…」

 

簪の声に朔乃は目を覚ます。

 

「簪…殿…?」

 

目の前には今にも泣き出しそうな簪の顔があった。

 

「道元は!?福音はどうなったで…あいっ!」

 

我に返りを起こした身体に走った激痛に朔乃は顔をしかめる。

 

「福音は無事に回収、フルスキンのISは所属不明機が回収し行方は不明だ。

それと無理をするな、絶対防御が働いたとはいえISが中破して全身を海面に打ち付けられたんだからな」

 

朔乃の質問に答え、そう言ったのは部屋の入り口にいた千冬であった。

 

「織斑先生…申し訳ないでござる…」

 

待機命令を無視して 出撃した事を謝る朔乃。

 

「謝るくらいなら今後はこのような無茶は控えろ…

更織、すまんが少し席を外せ。

あの赤いフルスキンISのパイロットについて聞かねばならぬからな…。

知っているのだろう?あのISのパイロットについて」

 

朔乃が起き抜けに言った言葉を聞いていたらしく千冬が問うてくる。

 

「織斑先生…出来れば私も同席させてはいただけないでしょうか?

朔乃はその…私の家族だから…」

 

珍しく食い下がる簪…。

そんな簪に千冬は肩をすくめる。

 

「まぁ…良いだろう、その変わりここで聞いたことは他言無用だぞ」

 

頷き簪は朔乃を見つめる。

 

「少々長くなるでござるよ…」

 

その真剣な眼差しに朔乃は自分が転生者であること、前世のこと、そして道元達悪忍のことを話し始めた…。

 

 

 

 




福音編筆了…。

次回は短編を執筆予定w
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