ISカグラ‐雷光の担い手‐   作:灰音穂乃香

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第三十一話 『体育祭』‐前編

急遽、行われる事になった一年生のみの体育祭は上級生たちの準備により無事に執り行われる事となった。

 

勿論、上級生の中には自分も代表候補生だから一夏争奪戦に参加する権利を主張する女子もあったが楯無が設定した『裏方ポイント』により、一定以上の貢献度をあげた生徒には一夏と何かをできる権利が得るられることで、抗議の声は静まった。

そして迎えた体育祭の当日。

一夏の選手宣誓と共に始まった体育祭。

 

「何故…拙者がこのような格好を…」

 

恥ずかしげに顔を赤らめる昨乃は上級生の有志で結成された応援団と共にいた。

 

ミニスカートとFIGHTと刺繍されたシャツ、両手にはポンポンと、その格好は誰がどう見てもチアリーダーのそれだ。

一夏争奪戦を観戦しようとしていた矢先に上級生に捕まりこの格好に着替えさせられたのだ。

 

 

「影宮くん!いい!!ギザカワユス!!!」

 

「ヤバい!鼻血出そう!!!」

 

 

昨乃の不服を全く聞いていないない女子達に昨乃は溜め息をつくと競技へと視線を移す。

 

最初の競技である50mが始まった所である。

競技前に一夏と柔軟体操をしていた時、何かを言われたらしく鈴が一位を独走。

他の追随を許さないタイムで鈴のチームが一位を手にする。

 

「さーて、次なる種目はIS学園特別競技『玉打ち落とし』だ~!」

 

「玉打ち落としとはどんな競技でござるか?」

 

スパッツをスカートの下履いて応援を行うことを条件に有志の応援団に加わった昨乃は隣で応援を行う先輩に尋ねる。

 

「伝統がある我が校の競技で各チームは降ってくる玉をひたすら撃墜するのさ~。

小さい的ほど点は高くなるにょろよ~」

 

「それは面白そうでござるな~」

 

っと独特の語尾で説明してくれた先輩の言葉に目を輝かせる昨乃。

 

チームの応援を受けながら箒、セシリア、鈴、ラウラ、シャルの六人は体操着姿のままISを展開。

それと共にフィールド中心に全自動標的投擲機が光の粒子と共に構成されてる。

 

 

「さあ、準備はいいかしら!? ここからは私、生徒会長の楯無が実況をさせてもらうわ!」

 

先ほどまで実況を行っていた生徒が楯無へとマイクを渡す。

 

「それでは、ISによる玉打ち落とし、スタート!」

 

 

開始宣言と同時に装 置から色とりどり大小さまざまなボールがはき出され、空に舞い上がったれらを、最初に捕捉したのはシャルである。

 

「《レイン・オブ・サタデイ》!」

 

両手にサブマシンガンを呼び出したシャルは、二挺流で次々にターゲットを打ち落としていく。

スコアを表示するウインドウでは、まさに雨のように得点が加算されていった。

 

「やるな。だが!」

 

一定の距離を保ちつつ上方に向けて斉射するシヤルロットの隣を、箒が駆る紅椿が飛翔する。

 

「はあああああっ!」

《雨月》を駆使して標的を切り裂くー。

 

「あら、箒さん。

そのターゲットはわたくしがいただきましてよ?」

 

声とともに青い閃光が箒の直ぐ横から放たれる。

ブルー・ティアーズのビットにから放たれたBTレーザーである。

 

「最高得点の黄金玉、落としますわ!」

 

セシリアが《スター ライトmk皿》を黄金玉へと向ける。

たが、セシリアがトリガーを弾くよりも早く、目標物は両断される。

 

「へへん! 狙ってたのよこれ!」

 

狙撃を行おうとしたところを鈴の《双天牙月》による一刀両断。

さらに、下方ヘ向けて衝撃砲を最大出力で放つ。

 

「ヘヘーんだ。一網打尽!」

 

自信満々に言う鈴であるが衝撃砲のエネルギーが標的に命中する前に霧散する。

よく見ると、そのターゲットもまた落下を停止していた。

《AIC》による防壁である。

慣性を停止させ る結界は、ボー ルの落 下さえ止めていた。

 

「もらった!」

 

巨大な咆哮をあげて大口径レールガ ンが火を噴く。

次の瞬間、 AICにより静止させれていた ボールは一直線にすべて破壊された。

 

「おおっと、これは勝負あった か!?」

 

「良いぞ!ラウラ!!」

 

ラウラのファインプレーにテンプレートな声援を送る解説席の一夏。

しかし、それはラウ ラの頬を赤らめさせ るには十分だったようである。

 

「う、うむ!

わ、私にかかれば、 この程度のことは……ふふ」

 

人差し指を合わせてちょんちょんとしているラウラを、他のメンバーはジト目で見ている。

 

それからさらに試合は白熱し、ポイントがほぼ全員横並びになってきた。

 

そんな中、箒は何かを考えるように顎に手を当てていた。

 

「仕掛ける気でござるな…」

 

 

箒の視線を追って空を見上げると激しい空中戦が繰り広げられており、四人がそれぞれに獲物を取り合っている。

一方の箒はと言うと素早く着地すると腰を落とすと肩部ユニットを展開、エネルギーを充填し始める。

 

『なるほど…』

 

箒の行動に納得する昨乃、紅椿に搭載されたエネルギーカノンである《穿千》を使い一気に的を破壊するつもりらしい。

 

しかし箒を余所に状況は更にややこしくなっていく。

 

「いただきましたわ!」

 

セシリアの狙撃を回避するする鈴。

 

「ちょっと、危ないじゃない!」

 

鈴の体がシャルにぶつかる。

 

「うわわわわっ!?」

姿勢を崩したシャルは、マシンガンの弾をばらまいてしまう。

 

「ぬわっ!?」

 

マシンガンの弾を回避したラウラは、 はず みでリボルバーキャノンを発射する。

――そう、箒に向けて。

 

「な、なにっ!?」

 

直撃は免れたものの、おかげで《穿千》の射線がずれてしまった。

 

そして、 行き着く先は――

 

「ちょ、ちょっとちょっとちょっと!

その装置、高いのよ!?」

楯無の声もむなしくエネルギー弾の直撃を受けた競技装置は派手な音を立てて爆散した。

「あ、いや、これは、その……」

 

会場全体の視線が箒に集中する。

無論、それは非難めいたものである。

 

「ふ、ふん!やわな機械だっ!」

 

静まりかえる会場。

 

やっとのことで、楯無が口を開いた。

 

「………箒組、 マイ ナス 二百点」

 

 

楯無の言葉に箒の悲鳴がこだました。

 

 

 




灰音です、体育祭の前編をupさせていただきました。
内容的には原作と同じような感じですが御容赦下さい。
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