ISカグラ‐雷光の担い手‐   作:灰音穂乃香

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4話目up


第四話 『揺れる思い』

『しかし…何故悪人がこの世界に転生してるのでござろう…』

 

IS学園に向かうリニアモーターカーの中で朔乃はそんな事を考えていた。

 

『その質問には私が答えるよー』

 

その声が朔乃の脳内に直接に響くと同時に周囲から人の気配が消え失せる。

朔乃が忍結界を張ったのだ。

 

『神様でござるか?』

 

朔乃は記憶の中から声の主を探り出す。

 

『おー、良く覚えててくれたねー

感謝、感謝ー』

 

そう言いながら神が朔乃の前に姿を現す。

相変わらず手には日本酒の一升瓶とコップを持っている。

 

「それで、道元達、悪忍が何故この世界にいるのでござる?」

 

「今、その事について天界はてんやわんやの状態なのさー」

 

神は肩をすくめながらそう言うとコップへ日本酒を注ぐと一気に煽る。

 

「一度死んだ、人間の魂は天界へと来る筈なんだけどー

彼等が天界へと来た記録が全然残されてないんだよねー。」

 

「ふむ…」っと顎に手を当てながら朔乃は考え込む。

何らかの忍法を使って死した彼等がこの世界に渡って来たことは明白…。

だが、朔乃にはそれがどんなものなのか皆目、見当がつかない。

 

「私達の方でもいろいろと探ってみようと思うけどー

君の力を借りないといけないかもー」

 

そう言いながら神は再び日本酒を注ぐと一気に煽る。

 

「心得たでござる」

 

「うん、助かるー」

 

そう言うと神は立ち上がる。

 

「あっ、言い忘れてた事がもう一つあったんだー

今回の件で天界から調査員が送られて来ることになるから宜しくー」

 

そう言いながら神はその場から立ち去った。

 

簪にとって、彼‐影宮朔乃は幼なじみであると同時に数少ない異性の友人である。

そして弟のような存在でもあった。

簪が朔乃の変化のようなものを感じたのはつい最近の事である。

時期にすれば1ヶ月前、2人で秋葉原に買い物に向かってからである。

朔乃が偶然に篠ノ乃束を発見し、追跡を行ってからだ。

朔乃の報告によると束を追跡中に亡国機関と遭遇、束からISを借り受けて亡国機関を退けたらしい。

以前から頼りがいはあったが今はそれに拍車がかかったようにさえ思えるだ。

そのせいだろうか…朔乃の事を思うと胸が痛くなるように思える。

 

『まさか…ねっ…』

 

自分の朔乃に対する気持ちを否定する。

 

『だって、朔乃は…』

 

友人であり、弟のようなものだと…自分の心をごます。

 

「…殿…簪殿…」

 

耳元で朔乃に名を呼ばれて簪はビクリと体を震わせる。

 

「学園に着いたでござるよ…」

 

その言葉に周りを見回すとリニアの中には朔乃以外には人影が無い。

どうやら本当にIS学園に着いたようだ。

 

「さっ、行くでござるよ…」

 

「うん!」

 

簪は頷くとIS学園へと足を踏み出した。




遅くなりすいません&今回は文字数少なめです
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