ダンジョンをクリアーするのは間違っているだろうか?   作:中二ばっか

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第4話

 巨大な黄金の蛇。

 蛇と言っても体長が10m以上ある。

 強力な酸《王水》を辺りに撒き散らし、ヤマダを近づけないようにしていた。

 だが無意味だ。

「おい、俺の髪の毛薄くする気か?」

 そんな事態にはなりたくないのか、完全に回避し続ける。どう考えても肉の骨が溶けそうなものだが、全くと言っていいほど危機感がない。現に溶けるのは黄色のジャージだけで、ヤマダ自身には致命傷になっていない。

 エロいスライムのような攻撃を繰り出すくらいにしかヤマダは認識していない。後、誰得だとも。

 高速の水鉄砲などお構いなしに、飛び跳ねた酸も回避している。

 そして、あまり近づきたくないヤマダは自身の中から【フルフル】を取り出す。

 象牙の色をしたランス。その刀身が二股に分かれバチバチを音を出しながら、ヤマダの魔力を吸い込む。

 そして放射された雷は、極太の線となり黄金の蛇を飲み込んだ。

 先程のモンスターの跡形もなく蒸発。

「ドロップアイテムはないだろうなぁ……はぁ」

【ゴ メ ン】

「いや、こっちが魔力を込めすぎた感もあるんだよな」

 追加で弱体装備の何重にも連なった呪いの指輪の首飾りを、首に掛け700階層当たりのモンスターを鎧袖一触してゆく。辺りにあった大量のモンスターが死んだときに残る灰は、酸の湖に溶け、無くなっている。鉄程度なら触れた瞬間に溶けてしまう酸度。

 そんなんところで戦っているのだが、全く苦にはならない。しいて言うならば靴や服が溶けてしまうことが嫌だぐらいにしか思っていない。

 その辺りのモンスターは軽く20体は居たのだが、ヤマダと【フルフル】が食い散らかしたのでもういない。

 取りあえず敵が居なくなったので下に行く。

 

 あれから100層ほど降りて行ったが、全く障害にすらならないモンスター達。

 次も100層までと降りて、もうそこまで行ったら、次元が違うはずなのにモンスターが強く感じない。

 実は666層から魔界へと変貌し、正しく次元が違う敵と戦う。

 魔界とか言う所からは、マジで2,3回は死にかけたハズである。

 でも、もう何も感じない。敢えてモンスターの攻撃をワザと受けても傷一つ付かないこの体。

 もうそれが分かった後、ヤマダは【セーレ】の能力を使い地上に戻る。

 

 何時も一目に付かないように路地裏と転移する。見られても【アルドゥスキアス】で記憶を消してしまえばいいだけだが、大勢に掛けるとなると【アルドゥスキアス】の性能が足りないらしい。

 そして、少々歩くと麗しの愛しき君。リューリオンをヤマダは発見する。

「リオンさーん゛っ!?」

「失せろ変態」

 会った瞬間にその辺にあった石を顔面にぶつけられる。ヤマダからすれば避けられる攻撃であるが、あえて避けない。神に言われた言葉、この世界には「愛の鞭」があると!

 しかし、今しがたダンジョン潜り、モンスターの攻撃を受けジャージはボロボロになり、最小限守られているという感じである。

 肌の露出を嫌うエルフからすれば常識外れの格好。オラリオでは常識外れでもないが。

 まぁ、常識人からすれば変態と言われても仕方がない。

「いや、さっきまでダンジョンに潜ってただけですって」

「ダンジョンに変質者が居るので倒してください」

「おのれ変質者が。冒険者の面汚しめ! リオンさん、その変質者は何階層にいる!?」

「そう言えば馬鹿でしたね」

「最近言われるけど座学はそれなりいいからな!?」

「では、頭が残念なのでしょう。と言うか付いてくるな。私に変態の友人は居ない」

「あ、知り合いはいるのか」

「ストーカーなら目の前に居ますが」

「ど、こ、だ!? まさか俺にも認識できないステルススキルの持ち主だと!?」

「ワザとやっているでしょう」

「うん、面白かった?」

「全然」

 先程までのアホな会話は、1秒長くでもリューと話をしていたいがためにヤマダが考えたボケである。

 ヤマダの知識にはこうある。女性の人は面白い人が好きだと!

 だが、リューにとっては苦い顔をするほど詰まらなかったらしい。

 その時、ガキンッと金属と金属がぶつかり合う音が聞こえる。

 何やら揉め物事らしく、前にあった白髪の男の子とガラの悪い男が刃物を手にしていた。

「やめなさい」

 と、リューが相手を威圧する。ピリピリした空気が彼らを襲い、挙動不審になり掛けるが、隣のほとんど裸の間抜け顔した男に中和されたのか、ガラの悪い男が吠える。

「今の私は少々機嫌が悪い」

「ああ!? いきなり出て来―――」

「吠えるな。殺すぞ」

 流石に格上の殺気を浴びたせいか、ガラの悪い男は顔に似合わず腰を抜かしてしまう。そして、リューが殺気を放つのを止めた瞬間、慌てて立ち上がって逃げ出した。白髪の子も逃げるようにして壁際に移動していた。

「大丈夫か、少年」

「いえ、あの、……貴方の方が大丈夫ですか?」

 頭が、とか思っていそうで嫌なガキである。

「クラネルさん。この変質者は余り気にしない方がよろしいでしょう。関わってはいけません」

 思わず力説するリューにたじろいでしまうベル・クラネル。

「そ、それよりあの子は?」

「あの子?」

「さっきあの男に追いかけられて居たんですけど……あれ、逃げちゃったのかな?」

 キョロキョロと首を振るベルだが、彼だけ隠れてこちらを見る子供の姿を察知出来ない。ヤマダとリューは流石に気配には気づくが、なんであんなところに隠れているのだろうと疑問にしか思わなかった。

「リオンさんみたいに照れ屋なんじゃない?」

「ではこれで」

「え、いや、あ、はい、ありがとうございました」

「ちょっと待ってリオンさん。全力で無視しないで。少年も戸惑っている」

「来るな変態。せめて服着てから店に金をつぎ込め」

「あいあいさー。というわけで少年」

「えっと、はい?」

 流石に出禁は困るのか、あっさりとヤマダは引き下がり、突然声を掛けられたベルは困惑してしまった。

「お駄賃上げるから服買ってきてください。流石に大衆の面前に殆ど全裸で出る勇気は俺にはなかった」

 リューの前では恥ずかしげもなかったのに、今にも頼りなさそうに震え出し情けない。

 本当になんでこの人の背中が遠く見えたのか、ベルは少し悲しくなった。

 だが、その雰囲気のせいでベルは気付かない。ヤマダの体が俗に言う細マッチョではあったが、1ミリの無駄もない筋肉質の体であったことを。




黄金の蛇「ぎゃぎゃぎゃぎゃー!」
 ちなみに黄金の蛇ですが、1体で軽く現存する大手ファミリアを壊滅状態まで追い込むことが出来る設定。
 時列とか余り気にしないで!
 というかダンまちの時列が余り良く分かっていない。
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