ダンジョンをクリアーするのは間違っているだろうか?   作:中二ばっか

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第5話

 カウンター席に座ってジュースを飲んでいるヤマダに声が掛かる。

「隣ええか?」

「ん? おひさ」

「おひさや」

 隣の席に座ったのはヤマダに神の恩恵を与えた、主神、ロキ。

「最近、調子どうや」

「強敵が現れないのが不満な毎日」

「……そうかい」

 悲しい、心配、哀れそうな細目の瞳でヤマダを見るロキ。

「ところでや、あの別嬪のエルフのお嬢ちゃんは口説けたか?」

「連戦連敗。ある意味モンスターより強敵だぜ! 女性は!」

 まぁ、ヤマダは力がなければそこに居るごく普通の人間なため、査定が厳しい女性にとっては見向きもされない男。

 例えラスボスを1撃で倒そうとも、ヤマダにも勝てないものはあった。

 リュー・リオンと言う強敵が。

「で? それだけ?」

「色ボケ女神に聞いたんや。神になるやて?」

「人間越えてやるだったと思うけど」

「ってか、なんでフレイヤに聞いたんや。うちっちゅうもんがありながら」

「俺が怖いんじゃなかったけ?」

「……なんで人を超えるんや」

「神様しか行けないんだろ?」

「……確かに神の恩恵は無限、可能性がない訳やない。けどな退屈やからうち等はこの世界に降りて来たんや。……またつまらんくなるで」

 神々は娯楽を求めて地上に降りて来た。このロキも暇だからと、神々をけし掛け戦争を起こそうとしていたらしい。

「なぁ、俺が最初に言ったこと覚えてる?」

「ああ、……『最強の冒険者になる』やったな」

「実際に、そうなった。死に物狂いでダンジョンに潜って、モンスター片っ端からぶっ飛ばして、望んだ力を手に入れたはずなんだ。……なのに俺はまだ満足できない。……心が魂が満たされない」

「……」

「そして、俺はまだ限界なんて感じていない。まだまだ新しい所に、新しい景色を見れるはずなんだ。だから歩みを止めるつもりはねぇ」

「……そうかい。本心から言ってくれたとこに感謝するで。せやから言う。ヤマダ。うちはお前が怖い」

 それは、あの日から分かっていたことだ。

「力だけならうちは嬉しいと思った。その力を付け戻ってきた時もな。けど、その力はうちの子供たちにも及んだ。いつか暴走して、うちの子をお前が殺すんじゃないかとも思う。実際、この前ベートを殺してしまうやないかと思った」

 確かにあの時八つ裂きにしてやろうかと思ったが、理性で留めている。やるとしても【フェニックス】で怪我の治療はするつもりでいた。

「けど、今の言葉で。あの時、……ガレスを倒した時も「やっぱりこいつは面白い」とも思ったわ」

「……現金じゃね?」

「言ったやろ? うち等は退屈が嫌で気まぐれなんや。今も昔も」

「うん。神様クズ過ぎる」

「その神になるんやろ?」

「じゃあ、神になったら神様も越えてみるか」

「ははは! やっぱ面白いわ!」

 冗談交じりだが、ヤマダなら出来てしまいそうで怖い。

 だが、見てみたい。

 人を超え、神を超え、その果てすら越えていく。

「でも、まずは英雄にならんとあかんのやないか?」

「別に名声や喝采が欲しい訳じゃないし。あ、でもお金は欲しいな」

「うん、ヤマダ。お前さんも現金や」

 2人は少し笑い、ヤマダはジュース、ロキは酒の入ったコップで乾杯する。

「それに神になるんなら酒も飲まんとな!」

 ヤマダは子供のような舌で酒は独特な苦みがあって嫌。これはファミリアに入団してからずっと変わっていない。

「……俺が神になったら不味い酒は一掃だ」

「うほぉー! こりゃ毎日上質な酒が飲めるで!」

「いや、俺自身が酒が不味いと思っているから。この世から酒自体が無くなるんだけど」

「やめて!」

 馬鹿話に盛り上がり、夜は耽る。

 たまには主神と話すのも悪くはない。

 

「うひー。飲んだ飲んだ。ヤマダー。肩貸して。後お金払って」

「おい。ここは気前よく主神のロキが払う所だろ」

「うちにファミリアの財布が預けてれていると思うなよ!」

「うん、やっぱ最悪の神だわ。お前」

 席には空になったコップが並んでいる。結構高い酒を飲んでいなかったか、とヤマダは苛立つよりも呆れた。

 取りあえず、自分とロキの分を払い、結構ふら付いているロキを背負い店を出た。

「おー、乗り心地いいでー」

「絶対吐くなよ。フリじゃねぇぞ」

「おういえーい。……うっぷ」

「マジ止めろ!? ここで下すぞ!」

 灼熱の炎を頭から被ろうが、鋭い剣で体を攻撃されようが、全くの外傷のない体であるが、ゲロまみれは何か次元が違う。流石に他人の汚物を被りたいとは思わない。

 取りあえず、ホーム【黄昏の館】の入口まで来た。

「ロキ様!?」

 衛兵よろしくホームの前に立っていた眷属にロキを預け、ヤマダは借りた一部屋に帰る。

 

 部屋に戻ったロキは一枚の紙を机から取り出す。

 ヤマダが最後に確認のために映し出したステータスが書かれた紙。

 

ヤマダ

Lv Unknown 測定不能

筋力 EX 規格外

耐久 EX 規格外

敏捷 EX 規格外

器用 EX 規格外

魔力 EX 規格外

魔力量 ∞ 無限大

スキル

『自動更新』

アビリティ

『内包』

 

 まるで頭の悪い子供が考えたような『僕が考えた最強の冒険者』を体現していた。

「神になるのも時間の問題やろなぁ。ほんと、楽しみやで」




 ちなみにどのくらいで神様とかになれるんでしょうね?
 指摘を受けインド神話を軽く調べてみた所、踊るだけで世界が壊れるとかどうなってんの?
 ダンまちの世界にガネーシャって居ましよね。
 シヴァの子供。首切り落とされてゾウの頭繋げられるとか、垢から生まれたとか、雑って言葉通り越して、ぶっ飛びすぎてるわ。
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