ダンジョンをクリアーするのは間違っているだろうか? 作:中二ばっか
カウンター席に座ってジュースを飲んでいるヤマダに声が掛かる。
「隣ええか?」
「ん? おひさ」
「おひさや」
隣の席に座ったのはヤマダに神の恩恵を与えた、主神、ロキ。
「最近、調子どうや」
「強敵が現れないのが不満な毎日」
「……そうかい」
悲しい、心配、哀れそうな細目の瞳でヤマダを見るロキ。
「ところでや、あの別嬪のエルフのお嬢ちゃんは口説けたか?」
「連戦連敗。ある意味モンスターより強敵だぜ! 女性は!」
まぁ、ヤマダは力がなければそこに居るごく普通の人間なため、査定が厳しい女性にとっては見向きもされない男。
例えラスボスを1撃で倒そうとも、ヤマダにも勝てないものはあった。
リュー・リオンと言う強敵が。
「で? それだけ?」
「色ボケ女神に聞いたんや。神になるやて?」
「人間越えてやるだったと思うけど」
「ってか、なんでフレイヤに聞いたんや。うちっちゅうもんがありながら」
「俺が怖いんじゃなかったけ?」
「……なんで人を超えるんや」
「神様しか行けないんだろ?」
「……確かに神の恩恵は無限、可能性がない訳やない。けどな退屈やからうち等はこの世界に降りて来たんや。……またつまらんくなるで」
神々は娯楽を求めて地上に降りて来た。このロキも暇だからと、神々をけし掛け戦争を起こそうとしていたらしい。
「なぁ、俺が最初に言ったこと覚えてる?」
「ああ、……『最強の冒険者になる』やったな」
「実際に、そうなった。死に物狂いでダンジョンに潜って、モンスター片っ端からぶっ飛ばして、望んだ力を手に入れたはずなんだ。……なのに俺はまだ満足できない。……心が魂が満たされない」
「……」
「そして、俺はまだ限界なんて感じていない。まだまだ新しい所に、新しい景色を見れるはずなんだ。だから歩みを止めるつもりはねぇ」
「……そうかい。本心から言ってくれたとこに感謝するで。せやから言う。ヤマダ。うちはお前が怖い」
それは、あの日から分かっていたことだ。
「力だけならうちは嬉しいと思った。その力を付け戻ってきた時もな。けど、その力はうちの子供たちにも及んだ。いつか暴走して、うちの子をお前が殺すんじゃないかとも思う。実際、この前ベートを殺してしまうやないかと思った」
確かにあの時八つ裂きにしてやろうかと思ったが、理性で留めている。やるとしても【フェニックス】で怪我の治療はするつもりでいた。
「けど、今の言葉で。あの時、……ガレスを倒した時も「やっぱりこいつは面白い」とも思ったわ」
「……現金じゃね?」
「言ったやろ? うち等は退屈が嫌で気まぐれなんや。今も昔も」
「うん。神様クズ過ぎる」
「その神になるんやろ?」
「じゃあ、神になったら神様も越えてみるか」
「ははは! やっぱ面白いわ!」
冗談交じりだが、ヤマダなら出来てしまいそうで怖い。
だが、見てみたい。
人を超え、神を超え、その果てすら越えていく。
「でも、まずは英雄にならんとあかんのやないか?」
「別に名声や喝采が欲しい訳じゃないし。あ、でもお金は欲しいな」
「うん、ヤマダ。お前さんも現金や」
2人は少し笑い、ヤマダはジュース、ロキは酒の入ったコップで乾杯する。
「それに神になるんなら酒も飲まんとな!」
ヤマダは子供のような舌で酒は独特な苦みがあって嫌。これはファミリアに入団してからずっと変わっていない。
「……俺が神になったら不味い酒は一掃だ」
「うほぉー! こりゃ毎日上質な酒が飲めるで!」
「いや、俺自身が酒が不味いと思っているから。この世から酒自体が無くなるんだけど」
「やめて!」
馬鹿話に盛り上がり、夜は耽る。
たまには主神と話すのも悪くはない。
「うひー。飲んだ飲んだ。ヤマダー。肩貸して。後お金払って」
「おい。ここは気前よく主神のロキが払う所だろ」
「うちにファミリアの財布が預けてれていると思うなよ!」
「うん、やっぱ最悪の神だわ。お前」
席には空になったコップが並んでいる。結構高い酒を飲んでいなかったか、とヤマダは苛立つよりも呆れた。
取りあえず、自分とロキの分を払い、結構ふら付いているロキを背負い店を出た。
「おー、乗り心地いいでー」
「絶対吐くなよ。フリじゃねぇぞ」
「おういえーい。……うっぷ」
「マジ止めろ!? ここで下すぞ!」
灼熱の炎を頭から被ろうが、鋭い剣で体を攻撃されようが、全くの外傷のない体であるが、ゲロまみれは何か次元が違う。流石に他人の汚物を被りたいとは思わない。
取りあえず、ホーム【黄昏の館】の入口まで来た。
「ロキ様!?」
衛兵よろしくホームの前に立っていた眷属にロキを預け、ヤマダは借りた一部屋に帰る。
部屋に戻ったロキは一枚の紙を机から取り出す。
ヤマダが最後に確認のために映し出したステータスが書かれた紙。
ヤマダ
Lv Unknown 測定不能
筋力 EX 規格外
耐久 EX 規格外
敏捷 EX 規格外
器用 EX 規格外
魔力 EX 規格外
魔力量 ∞ 無限大
スキル
『自動更新』
アビリティ
『内包』
まるで頭の悪い子供が考えたような『僕が考えた最強の冒険者』を体現していた。
「神になるのも時間の問題やろなぁ。ほんと、楽しみやで」
ちなみにどのくらいで神様とかになれるんでしょうね?
指摘を受けインド神話を軽く調べてみた所、踊るだけで世界が壊れるとかどうなってんの?
ダンまちの世界にガネーシャって居ましよね。
シヴァの子供。首切り落とされてゾウの頭繋げられるとか、垢から生まれたとか、雑って言葉通り越して、ぶっ飛びすぎてるわ。