気づけば真っ白な世界にいた。
と言うのもどうでも良い話だろう。何て言ったってこの状況は見たことは無いにしろ、知ってはいるのだ。
これはあれだろう。転生フラグ。絶対あり得ないと分かっていながらも何処か期待していたのは、まあ、仕方ない。
取り敢えず立ち上がり、いや、立ち上がると言うか座ってなかった、と言うか。そもそも体が無かった。
何て言うのだろう。何か光の固まりになっている。目とか無いのに辺りが見える、と言うのは案外落ち着かない物なのだが。
あれだろう。所謂魂。俺、ver.魂。
さて、記憶もはっきりしてきた。そう言えば確か子供を助けたような覚えがある。トラックにひかれそうになってた子供を押し飛ばして、其処から記憶がない。
可愛いおんにゃのこは助けなければいけないのだ。
さてさて。自己分析は済んだところだし、そろそろ個人的には何かアクションを起こして欲しいものなのだが。
「そうだねえ。もう少し慌ててくれた方が可愛いげが有るってものなんだけどねえ」
後ろから声が聞こえたもので、期待して振り向く。いや、振り向くと言うのが正しいのか分かんないけども、視点は後ろを向いてくれた。
「どうも。神様って奴でーす」
其処に居たのはなんと言うか、真っ白いヒトガタ。輪郭だけ光ってるからヒトガタってのが分かるだけで、横から見たらもしかしたら全く違うものなのかもしれない。
「まあ、そうだよね。分かりやすく人の形っぽくしてるだけで、本来は別物なんだから」
心を読んだ、と言うかこの状態声を出せるかも分からないので心を読んでくれた方がありがたい訳なのであって。
「此所が何処かって知りたい?」
此所が何処か。と言うのはあれだろう。恐らく……何だろう。神様がこんな何もないところにいる、と言うのも考えにくい話なので……。
「何もなくて良いんだけどね、本当は」
……?何を言っているのだろう。
「大罪である欲を持たない、基本的に不干渉である神ならばーーと。今はそんな事関係なくて。此処は神様の一部、だよ」
……?えっと、どういう?
「まあ、気にする事はないかな」
はあ。じゃあ何で話を振ったのだろう。
「君が此処にいる理由も分かるね?」
この神様スルーしやがった。まあ、良いか。えっと、此処にいる理由とな。死んだから、とか?
「いや、まあ。うん。そうなんだけどね?えっと、何で死んだーとか。死んでなんでここにー、とかさ」
その発想は無かった。えーと、予想で答えろって事で良いんだよね。あれかな?テンプレ的に神様の暇潰しとか。
「其れは無いんだよね。そもそも暇じゃないし」
ありゃ。ならば、なんだ。……たまたま選ばれたとか?
「其れも不正解。そもそも、たまたまってことは運って事。運、つまり運命を神様が手中に収めて無いとでも思うかい?」
その論で言うと偶然的な要素が無くなって、神様が自ら選んだって事になるんですが。
「そうだよ?何言ってんのさ」
……もしかしてお会いしたこととかあります?
「何でそう思ったのさ」
え、神様が選んだなら、自分の事知ってんのかなーって。
「どれにしようかなで選んだ」
え、あ、てか、それ、たまたまじゃ。
「気にしないの。さあ、本題に入ろう」
誤魔化された気がするんだけども。まあ良いか。
「聞き分けの良い子は好きだよ。えっと、転生するって事は分かってんでしょ?」
うん。大体予想はしてたし。
「君が行くのはネギま!の平行世界なんだけど、知ってる?」
えーと。存在は知ってます。
「まあ、好きに行動してくれて良いよ。世界を滅ぼそうが君の勝手だ」
面倒臭いのでしないと思うんですけど。
「その辺は良いよ。それで、特典、と言うか、出来る限りの希望は叶えてあげようかと思ってるんだけど」
んー、じゃあ、某弾幕ゲーの咲夜さんの能力を応用効く感じにしたり強化した感じで。
「はい。……よし。おっけーだよー」
ういうい。
「……」
……
「……」
……?
「えっ」
えっ。
「終わり?」
え?うん。良いじゃん。咲夜さんかっけーじゃん。咲夜さん強いじゃん。あれを強化応用出来るようになるだけで大分チート臭いと思うんだよね。
「えっと、あー、うん。わかった……なら強化いや、凶化、狂化して……」
後半何言ってるか分かんなかったけども、嫌な予感はするね。知識とか貰おうとも思ったけど目立ちたくないし。
「じゃあ、その他ステータスやら容姿やらは此方で好きに決めて良いかい?」
お願いします。悪いようにはしないで欲しいけど。……しないよね?
「大丈夫大丈夫。悪いようにはしないって」
なら良いけども。
「……よし。準備は完了」
あ、何時の間に終わっていて。はやいっすね。
「さて。もう跳ばすけど、何かあるかな」
はやいっすね。もう少しお話ししたかったんだけど。
「……僕と?」
貴方と。
「ふふっ。また、何か機会があったらお茶でもしようか」
ういうい。ありがとね。こんな機会をくれて。
「どういたしまして。じゃ、頑張って」
ーーそして、意識は何処かへ消えていった。
……消えていってない。
いや、せっかく良い別れだったんだから。
「ごめんごめん」
意識が消えた。スイーツ(笑)
「最期までしまらないね」
お前のせいとは言えなかった。