還る星
夜ある旅館二階ベランダにゼオンはいた。
「(ロキがこの世界に留まる事になって三年もうすぐ体も限界だが、ルーシィに任せておけば安心か。)」
それはかつて自分の仲間であった星霊魔導師がいたからこそ思えることだったが一つだけ不安がある。ゼオンはかつて自分が王として君臨していたのもあって上に立つ者の責任をよく理解していた。間接的にとはいえ罪を犯したロキを許すには仲間の星霊たちの力が必要だ。王の判決を変えるには民衆の声が必要であるのと同じように
「(まあそうは言っても簡単じゃ無いがな。 ルーシィお前が星霊王の気持ちを変えろ)」
「私はそういう冗談大嫌い!」
ルーシィのでかい声が聞こえたが近所迷惑いや俺の貴重な休暇妨害だな。下に降りてみると頰が真っ赤に腫れたロキがいた
「珍しいな。女の扱いが上手いお前がビンタされるとは」
俺が話しかけるとロキは驚愕の表情で包まれた。今日は珍しく事の連続である
「ゼオン 何故此処に⁉︎」
ゼオンはきょとんとした顔でロキの質問に答える
「休暇に決まっているだろう」
何で僕が責められてる形になっているんだろうと感じているロキ
「あははは。そうだね。ごめん。」
心に思っている事は露にも思わせず返答したつもりだろうが相手はいろんな意味において規格外なゼオンである。そんなことお見通しだとばかりに余裕の笑みを見せる。ロキは当然その笑みを見て
あれバレてる⁉︎と内心焦りまくりだった。
ゼオンは話を切り出した。
「で平気なのか?」
その言葉にロキは焦るがそれをおくびにも出さずいつも通りに振る舞う。
「何の事かな?あっ もしかしてルーシィにビンタされた頰の事。大丈夫だよ。」
「とぼけなくて良い。カレンへの罪滅ぼしの為にそのまま消えるつもりかと聞いているんだ。」
ロキはゼオンの言葉を聞きいつもとは逆の深刻そうな表情をして喋る
「知っているんだね。そうだよ。 僕は仲間の為とはいえ自身の契約者であるカレンを殺したんだ。その罪は許されない」
ゼオンはその言葉を聞くと自分の部屋に戻ろうとして歩を進め少し歩いたところで一度止まる
「ロキ お前のいう罪は言い訳にしか聞こえないぞ。自分の罪から逃げようとして」
ゼオンはそう言うと後ろを振り向かず自分の部屋に戻っていった。
星霊王が出てきたところに丁度きたゼオンは茂みに姿を隠し星霊王を見る
「あれが今の星霊王か。老けたな」
「(まあ やばそうになったら行くか)」
『古き友である人間との盟約において鍵を持つ者を殺めることを禁ずる。直接では無くとも間接的にこれを行った獅子宮のレオ 貴様が星霊界に帰る事を禁ずる』
「ちょっと それはあんまりじゃないの! ロキは仲間の為に三年間も苦しんだのよ!アリエスの為に!帰る事を許してくれても良いんじゃないの!」
『••••余も古き友の願いには心を痛めるが』
ルーシィの言葉でも星霊王の意思を変えれないみたいだな。此処は俺が出るか。
「星霊王。良いのではないか。許しても。」
茂みから素早く出たゼオンに驚くルーシィ達
「ゼオン!」
「何で此処に⁉︎」
ロキとルーシィはゼオンが現れた事に驚く
「星霊王。古き法はより良い新しい法へと変わっていくものだ。ロキは仲間を救う為に古き法を破る事になった。だがロキがいなければアリエスだけでなく他の星霊たちも被害にあっていなかったかもしれないんだ。帰る事を許してやっても良いんじゃないか?まあ、そうは言っても簡単じゃないか。ルーシィ星霊との絆を王に見せてやれ」
ゼオンの掛け声に頷き大量の魔力を開放するルーシィ。
「うん!」
ルーシィは自分が持つ黄金十二道の星霊たちが一時的に現れるがほとんどの魔力を消費してしまい地に倒れる。
「今来てくれた友達も 皆同じ気持ち! 貴方も星霊なら ロキの気持ち分かるでしょう!」
ゼオンの言葉とルーシィの言葉を受け考える星霊王。
『確かに間違っているのは法かもしれん。仲間同士の素晴らしい絆に免じこの件を例外としレオ貴様に星霊界へ帰る事を許可する。』
ルーシィの星霊を思う気持ちそしてゼオンの言葉が法を曲げた。
「なっ⁉︎」
ロキは判決の結果に驚きゼオンはほっと一息ついた。
「ナイス!ヒゲおやじ!」
ルーシィは親指を嬉しそうに立て星霊王はニカッと笑う。
『星の導きに感謝せよ。』
そう言い姿を消した星霊王。
「ありがとうございます!」
ロキは涙を流しながらルーシィに鍵を渡し星霊界に帰っていった。
数日後エルザ達最強チームはロキからチケットを貰いリゾートに行ったがそこから大きな戦いが始まるとは誰も思っていなかった。
次から楽園の塔編の戦いが始まります。