フェアリーテイル 戦いの果てに待つもの   作:NAGI

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今回は前回から進んで原作開始7年前からです。                    

12月9日加筆・修正しました。


誓いを果たしに

誰も立ち入ることの出来ない筈の森にゼオンはいた。四百年前の時とは違い現代風の黒いTシャツの上に白い革ジャンを羽織っている。さらには赤い毛が混じっていた筈の髪は無くなり黒い髪だけになっていた。

 

先程まで修行をしていた彼の周りには彼方此方にクレーターが出来ていてまるで竜の爪で抉られたかのように感じる程だ。 しばらく動いてから静止すると黒い炎を纏った右手で苛立ちをぶつけるように木を叩く。

 

いや、苛つきではなく焦りだ。 ある者を倒すために必要な力が無いことへの焦り。失われた力があればと悔し気に打ち付けた右手を睨むが何かが変わる訳ではないと考え冷静になろうとする。

 

「(駄目だ。この程度の力では奴に勝つ事はできない。しかし、それよりも)」

 

ゼオンとしてはまだ此処にいたいが一人の少女と交わした約束を果たさなければならない。 マグノリアにある一つのギルドへ。

 

「そろそろ行くか。あいつとのメイビスとの約束を果たしに妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ」

 

 

 

 

マグノリアにある魔導士ギルド[フェアリーテイル]へゼオンは向かっている。そして今は一応念の為十歳位の身体に魔法で変身していた。

 

「(しかし平和になったものだな。メイビスとの時代とは大違いだ。街も、人も)」

 

まだフェアリーテイルができる前は酷く荒んだ街だったマグノリアは今では他の街から人々がやって来る程に繁盛していた。それを穏やかな目で見つめるゼオンは懐かしむように辺りを見渡しながら歩いている。

 

少し歩いて行くと目的の場所、フェアリーテイルへ着いた。昔と変わっていない。それがゼオンの最初に感じたことだった。確かに人は変わったが昔も今も雰囲気は変わっていなかった。活気に溢れるギルドの中、馬鹿騒ぎするメンバーたち。昔と何も変わらない。

 

「此処が今のフェアリー テイルか」

 

ゼオンは少しの間懐かしそうに見つめるとギルドの中へと入って行く。まずゼオンが向かったのは現在のマスターがいる場所だ。勿論、彼は誰がマスターなのかは分からない。しかしゼオンは魔力を探る事ができる。その力を使って一番魔力が高い人間を探し、その人物の元へと向かう。

 

「此処がフェアリーテイル・・・だな」

 

「そうじゃが何かの?ギルドに入りたいのかのぅ?」

 

ロビーにいたこのギルドの三代目マスターである小さな老人 マカロフはゼオンにそう聞いた。マカロフは密かに警戒していた。年齢に似合わぬ強大すぎる魔力と謎の威圧感。もしやギルドを破壊しに来たのかと思いもした。

 

「あぁ。あんたがマスターか?」

 

「そうじゃ。お主、名は?」

 

マカロフはゼオンにそう問う。

 

「ゼオンだ。ゼオン・ドラグニル。ギルドに加入しに来た」

 

その言葉を聞きマカロフは警戒を解く。何故年齢の割にら魔力がそんなに高いのか、謎の威圧感はなんなのか。疑問はあるがギルドに入る以上彼は家族。そのような警戒は不要だと割り切った。

 

「ほう、良い名前じゃのう。紋章はどこに付ける?」

 

マカロフはそう聞いた。

 

「薄黄色。右腕」

 

「ほれ、これでお主もフェアリーテイルの一員じゃ!」

 

スッと紋章をなぞるゼオンの近くに一人の少年が近付いて来る。 彼の名はグレイ・フルバスター。氷の造形魔導士だ。

 

「おい新入り!俺はグレイ。 お前俺と勝負しろ!」

 

グレイはそうゼオンに言った。ゼオンとしても断る理由がなかったので承諾した。

 

「あぁ。いいぞ」

 

 

ギルドの外に出た二人。審判役のマカロフも外に出て、試合を観戦しようと他のメンバーたちもぞろぞろと外に出てくる。

 

「おい。どっちが勝つと思う?」

 

「やっぱりグレイじゃねえか」

 

グレイの勝ちムードが漂うがゼオンは気にしていなかった。いや、気にする必要が無かった。ゼオンは何百年もの時を生きる百戦錬磨の魔導士、対してあちらは十年ぐらいしか生きていないひよっこである。負ける事は万に一つもあり得なかった。

 

「それでは始め!」

 

マスターが宣言し始まった。最初に動き出したのはグレイだった

 

「アイスメイク ランス!」

 

グレイが発動した魔法に対してゼオンは目の前から姿をけした。凄まじいスピードで動いているのだ。しかしそれが分かったのはマカロフだけである。自身の身体能力を高める魔法と速度を上げる魔法を同時に使用した事に加え、元々の脚力が高いからこその速さ。反応出来る事が出来たのはそれなりの実力を持つ者だけだった

 

「どこだ⁈」

 

グレイは辺りを見渡すがゼオンの姿は見えない。だがグレイの背後にゼオンは突如現れる

 

「後ろだ」

 

そしてグレイの首筋に手刀を入れグレイは小さく呻き声を上げて倒れた。グレイが自身が敗北したという事を認識したのはそれから数時間後の事である

 

「この勝負ゼオンの勝ち!」

 

「おい!」

 

誰かがゼオンを呼び、ゼオンは声の主の方を向いた

 

「何かようか?」

ゼオンは声の主に質問する。

 

「あぁ。俺はラクサス。よろしくな!」

 

ラクサスはゼオンに握手を求め、ゼオンもそれに応えた。

 

「ゼオンだ。よろしく」

 

 

半年後S級魔導士に昇格しそれから更に数日後経った頃

 

「お主、もうS級クエストには慣れたかの?」

 

「あぁ」

それを聞き安心したマカロフは一つの依頼書を差し出す。

 

「これは?」

 

ゼオンが依頼書を見ながら聞く。

 

「最近頻繁に出没している幻鳥ワイバーンの討伐じゃ。どうする?やるかの?」

 

「あぁ。面白そうだ。報酬もいいしな」

 

マカロフはゼオンの言葉に満足そうな顔をする。

 

「そうか。そうか。あぁ、そうじゃ。ワシは暫く留守にするからのぉ‼︎ある子を連れて来るんじゃ!」

そう言ってギルドを出て行くマカロフを不思議そうに見つめるゼオン。しかし特に興味がない為、すぐに頭の隅へと追いやった。

 

 

 

 

ギルドを出て二日後ゼオンは依頼された場所に来ていた。

 

「此処かワイバーンのよく出没する場所は・・・」

 

辺りの魔力を探るゼオン。少ししてからゼオンは強い魔力を感じその魔力を感じる場所を目指し走る。

 

「ギャオ〜!」

 

ゼオンが走ってきた先にはワイバーンがいた。ワイバーンを実際に目にするのは久しぶりだが丁度いい腕慣らしにはなりそうだとゼオンは不敵に笑った。

 

「(確かあいつの弱点はエネルギーが溜まった瞬間に光る胸の球体だったな。 此処は誘導するか)」

 

ゼオンは上空に自身の幻影を創り出し、ワイバーンの視線を誘導した。それをゼオン本体だと錯覚したワイバーンは口にエネルギーを貯め胸の球体が光った。

 

「(今だ!)」

 

しかしそれはわざとだ。知能が低いワイバーンはこの程度の陽動でも簡単に勘違いをする。はっきり言って暇つぶしにもならないとゼオンは思う。

 

「黒炎・流撃波」

 

手から流れでた黒き炎の波によって球体は破壊されワイバーンは倒れた。その後ゼオンはクエストの成功を依頼人に伝えてからギルドへの帰路についた。




次回はあいつがギルドに⁉︎
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