住民を避難させる為ハッピーと一緒に街に出たルーシィ。街の上に浮かぶラクリマを憂いを帯びた表情で見つめるがそんな時ハッピーが自分の考えを口にする。
「ねぇ、ルーシィ。思うんだけど街の人たちには教えないほうが良いと思うんだ」
当然、止める為に街に出たルーシィは不思議に思い理由を聞いた。
「何でよ?だってあれが発動したら街が!」
「そうだけど、今街には街の外からもたくさんの人が訪れてるんだよ。下手に教えてパニックにでもなったりしたら・・・・」
そうなった時のことを考え顔を青褪めさせるルーシィ。確かにハッピーの言う通りになったら被害が拡大しラクサスの思うツボだ。
「でも、どうすればいいの!止められなかったら街の皆は!」
そしてルーシィの言う事もまた事実。止められなかったら街の人たちに雷が降り注ぐ。しかし突如緑の光線がルーシィを襲う。
「ルーシィ!避けて!」
「えっ!きゃっ!」
何とかそれを避け、攻撃して来た場所を見るとそこには雷神衆が一人ビックスローが宙に浮かびながらルーシィを人形たちとともに見下ろしていた。
「へぇ、今のを避けるとは少しはやるみたいだねえ。コスプレの姉ちゃん」
最初は賞賛されて内心かなり喜んでいたルーシィだが最後に見逃せない言葉が聞こえピクリと眉を動かす。
「コスプレの姉ちゃん⁉︎どういう意味!」
「怒んなよ。良くコスプレしているんだろ?前はメイドのコスプレをしていたとか」
エバルー屋敷の時の事を言っているのだがその時一緒にいたのはナツとハッピーのみ。恨めがましい目をハッピーに向け、ハッピーは自分じゃありませんという意味を込めて首を横に振る。ならばやったのは・・・・・・。
「ナツのバカー!」
「まぁ、いいや。やっちまいなって、うおっ!」
呆れたようにそう言うとビックスローは人形たちにルーシィを倒すよう指示をするがハッピーがゼオンから護身用として持たされていたラクリマを埋め込んだ銃で未然に防ぎ、ルーシィはその間に黄金の鍵、黄金十二宮の鍵を取り出し星霊を呼び出した。
「ナイスよ、ハッピー!開け!人馬宮の扉!サジタリウス!」
ルーシィの声とともに馬の頭を被り、弓を携えた一人の男が光とともに現れる。彼こそルーシィが持つ黄金十二宮の星霊の一人サジタリウスだ。
「お願い!あの人形たちを全員撃ち落として!」
「了解です。もしもし」
サジタリウスはルーシィのお願いに応え、弓矢を構えて人形たちを全て撃ち落としそれを見たハッピーがサジタリウスって凄いんだねと呟いていた。
「オーノー‼︎ベイビー!」
頭を抱えて叫ぶビックスローを見て得意気に笑うルーシィ。
「さあ、後は貴方だけよ!」
しかし、ビックスローの口元が歪みルーシィが怪しく思うが既に時遅し・・・・。サジタリウスの身体を緑の光線が貫きサジタリウスは星霊界に強制帰還させられ、さらに動揺した隙を突かれて鍵を奪われてしまう。先程と同じ人形たちがビックスローの周りに浮かんでいた。
「へへ、残念でした。人形には幾ら攻撃しようが意味ねえし」
「「「「「だねだね〜」」」」」
「じゃあね、コスプレの姉ちゃん。ラクサスにその魂を捧げろ!バリオンフォーメーション!」
先程より大きな光線がルーシィを襲うが、光線が当たる直前
「何でだろうね?ルーシィ。僕だけは君の意思関係なく自由に扉を潜れるみたいだ。これも愛の力かな?」
獅子座の星霊レオとしての力を取り戻したロキがオーナーであるルーシィを救い出した。しかしルーシィは助けてくれたことには感謝するも呆れた顔をしている。
「愛って・・・・・・」
「ちっ!ロキ!お前やっぱり星霊だったのか!せっかく黙ってやってたのに酷い奴だな」
ビックスローはそう言うが今更ビックスローにどう思われようが構わなかった。ロキにとって自分のオーナーであるルーシィとルーシィの大切な仲間たちを守ることこそが自らに課した使命なのだから。
「別に僕のことはどう思おうが軽蔑しようが構わないけど僕のオーナーであるルーシィを傷付けるのは許さないよ」
「ふむ、ならば私も力を貸しましょう」
ロキとルーシィの前に現れた水色の魔法陣が白い髪をした20歳前後の男が出て来る。
「貴方は?」
ルーシィは警戒しながらそう問うが男はどこ吹く風。飄々と受け流す。
「おっと、これは失礼。私の名はフェン。ゼオンの使いでやってまいりました」
フェン。彼はゼオンが契約した氷竜だ。彼は力よりテクニックを重視するがそれでも人間を相手するには十分すぎる戦力になるだろう。とはいえ彼はあまり人と戦うつもりはないが。 彼の魔法はサポート主体。此処に現れることができたのは転移魔法を使ったから。しかし、まだ習いたてなので自分しか転移させられないのが難点だ。
「じゃあ、よろしく!フェン」
ゼオンの使いであることを知っているハッピーはもとよりゼオンの使いということで警戒を解いたルーシィとロキ。ルーシィは鞭を構え、ロキは拳に光を纏わせそしてハッピーはビビりながらも銃を構える。
ビックスローの人形たちが光線を放つがそれを全てフェンが右手を軽く払う動作をして撃ち落とし、ビックスローは人形がなければ戦えないということを指摘したロキが人形を全て叩き落した。
そしてルーシィが鞭でビックスローを倒そうとするが緑の光線がルーシィを襲う。それはいち早く気付いたフェンが相殺するが光線に少しの間とはいえ気を取られてしまったルーシィは攻撃を中止させられた。ビックスローの周りには先程とは違った人形たちが浮かんでいた。
「そんな!何で!」
「魂を操る俺には器がいくら破壊されようが関係ねえし、それに此処の下は玩具の宝庫よ、替えは幾らでも利くのさ。」
そう先程、確かにサジタリウスはビックスローの人形を破壊できなかったわけではない。ビックスローは玩具店にある
しかし主たるゼオンからルーシィがある程度成長するようにしろと命令されているのでゼオンの意図が読めないがそれに従うことにしている。決めるとしたらルーシィとロキがビックスローに攻撃する時!二人の攻撃をサポートする形で人形たちを凍らせる。そう考えたフェンは取り敢えず最後のサポートをすることに決めた。
「さて、ゼオンには星霊使いが成長できるようにしろと言われましたがもう大丈夫でしょうね」
そう小さく呟いたフェンの視線の先にはロキとルーシィがビックスローに攻撃を決めようとしていた。それに乗じフェンは人形たちを凍らせ二人もビックスローに攻撃を決めることに成功した。もう此処にいる必要は無いと感じたフェンは静かに姿を消していく。
「僕たちの愛の力にかかればざっとこんなものさ」
「だから愛って何よ!愛って!あっ!フェン、手伝ってくれてありがとうね!って・・・あれ?」
ルーシィがロキにツッコんだ後フェンがいた場所を向くが既にその姿は無く、しかしビックスローが倒されたことによって一人減った参加人数が再び増えた。
そうついにゼオンがマグノリアに到着したのだ。敵味方関係無く殆どの者たちが待ち望んでいた一報だ。しかしここで誰も予想だにしていなかったことが起きる。ゼオンを乗せてカルディア大聖堂に向かっていたグランドが謎の攻撃によって撃墜されてしまったのだ。これから戦いは終局へ近づいていっているのだがまだ誰も気が付いていなかった。ゼオンの異変に誰も・・・・。