熱い弟
そういえばマカロフが新しい奴を連れてくるとか言っていたな。どんな奴なのかはどうでもいいが。誰が来ようと守るべき対象である事に変わりはないのだから
「今、戻った」
「おう!おかえり!」
ゼオンの挨拶に近くにいたマカオが返事を返し、ゼオンはイスに腰掛ける。溜め息を吐き、魔力を探るとマカロフがすぐそこまで来ているのをマカロフが一人の少年を連れて帰ってきた。
「今帰ったぞい。ゼオンお主に紹介したい奴がおる「ゼオン!俺と勝負しろ!」
「って、遮るんじゃないナツ。こやつはナツといってな拾ってきたんじゃがぁ」
マイペースに説明するマカロフにグレイは思わずツッコんでしまう。
「マイペース過ぎだろ!ていうか止めとけ!殺されるぞ!」
物騒な音がし後ろを振り返るグレイ。そこには無表情に手を鳴らしながら自分を見つめるゼオンの姿があった。そして手には黒い炎が燈っている。
「ほ〜、貴様・・・良い身分だなぁ」
ゼオンの恐ろしさを骨の髄まで教え込まれているグレイはすごい勢いで正座をして
「すいませんでしたー!」
と頭を地面にぶつけながら謝った。
「ぷっぷっぷ!」
それを見たナツは可笑しくてつい噴き出してしまい
「てめぇ!何笑ってんだよ!」
それを見たグレイは少しキレる。
思えばこの時から仲が悪くかったのかももしれない。
「ふぅーまぁいい来い。相手をしてやる」
溜め息を吐き、ギルドの外へ出るゼオンを追うナツとマカロフたち。
「おっしゃ〜、燃えてきたー!」
ナツはかなりのハイテンション。ゼオンはいつも通り静かに佇んでいた。
「それじゃあ良いかの?」
マカロフが二人を見ながらそう問いかける。しかし二人がいつでも戦えるのは分かっているのでただの確認だ。
「おう!」
「ああ」
ナツはハイテンションに、ゼオンは静かに返事を返す。
「それでは始め!」
マカロフが宣言すると同時に走り出したナツ。
「火竜の鉄拳!」
「黒炎竜の皇拳」
この魔法をゼオンは同等の力になるよう調節して使い相殺する。しかし魔法の威力は同じでも腕力はナツよりゼオンの方が上。案の定痛がるナツは悔し気にゼオンを睨む。
はっきり言って大人気ないと皆が感じてしまった。
「くっそ〜!火竜の咆哮!」
「アクア•ブリーズ」
だがゼオンの前に現れた水の壁によってまたしても防がれてしまう。ナツの力をある程度悟ったゼオンは落胆の表情でナツを見据える。これが火竜の力を得た弟の実力かと失望していた。
「弱いな」
「なんだと〜!何つった⁉︎」
激昂するナツだったがゼオンはさらに冷ややかな目を向けるだけで少し怯んでしまう。まぁ、イグニールの元で育てられたのだからもう少しやると思っていただけに落胆も激しかったので仕方ない事かもしれない。それにゼオンがナツと同じ歳頃にはもうすでに現代の並の魔導士より強かった彼は比べる対象がズレているのも確かである。
「お前が弱いと言ったんだ」
「俺のどこが弱いんだー⁉︎」
「今のお前の全力を俺にやってみろ。今のお前の力ではかすり傷一つすら無理だがな。」
「やってやろうじゃねぇか!喰らえ!火竜の煌炎!」
ナツは今使える最強の魔法をゼオンに向かって放つがゼオンの魔法によって防がれてしまう。自分の今使える最強の魔法が容易く防がれたという事にナツは恐怖を感じ無意識のうちに後ろに下がって行く。
そして一方のゼオンもナツに興味を抱き始めた。久しく感じる高揚感。まるで堕ちる前のゼレフと手合わせをしているような感覚だ。
「今のお前はこの程度だ。炎竜王イグニールの息子ならばもっと強くなれ。イグニールを越える程にな」
この日ナツには二つ夢ができた。一つはイグニールを越えること。
そして二つ目はゼオンのように強くなること
この二つである
数日後ギルドにて
「なぁなぁ。にいちゃんて呼んでもいいか?」
とナツが聞きそれを聞いたメンバーは一斉に固まり青褪めた。心の中ではこう思っていた。殺されるぞナツと
だが予想に反して
「好きにしろ」
意外にもゼオンは認めた。これからナツはどう成長するのか少し楽しみなゼオンだった
次から原作に入っていきます。