フェアリーテイル 戦いの果てに待つもの   作:NAGI

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バトル・オブ・フェアリーテイル 最終決戦!(後編)&ファンタジア

ラクサスと戦っていたナツは途中からガジルと共闘していたのだが痺れを切らしたラクサスは自らが隠していた力を開放した。雷の滅竜魔法を。

 

「まさか・・・お前も滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だったのか!」

 

「雷竜方天戟!」

 

驚愕する二人だったがラクサスは方天戟を創り出し投げつけた。それをまともに喰らってしまった二人は地に伏せる。最早この時点で二人に戦う力は残っておらず満身創痍であるがラクサスは少し傷を負った程度だ。神鳴殿は全て破壊されたがそのせいで他のメンバーにはもう戦う力は残っていない。

 

「・・・ありえねぇ。サラマンダーと共闘したのにこれかよ」

 

「エルザより劣るてめえらと一緒にするなよ」

 

そう言うと雷を二人に向かって放ったラクサス。動こうとする二人だったが身体は動かない、動けない。

 

「「(動けねえ!)」」

 

焦る二人だったがその間にも雷は二人に迫る。しかし雷は二人に当たる前に二人の前に現れた者の手によって弾かれた。

 

「あまりに遅えから逃げたのかと思ったぜ。ゼオン!」

 

ゼオンの手によって。

 

「それはすまなかったな。ラクサス」

 

「まぁ、いいさ。俺は機嫌がいい。なんたってお前をようやくこの手で倒す事ができるんだからな!」

 

自らの身体を雷にして攻撃を仕掛けるラクサスのスピードにゼオンは黒雷竜の力で対抗する。一瞬にしてラクサスの後ろに回り込み蹴りを放った。それを受けたラクサスは勢いを殺せず、地面を滑る。

 

「スピードがラクサスを上回った⁉︎」

 

その事にナツは驚くと同時に嬉しそうに顔を輝かせる。

 

「・・・流石は最強の名を欲しいままにすることはあるな。だが、だからこそ気に入らねえ!それだけの力がありながら何故弱者と共にいる⁉︎俺がほしい強さを持っていながら何故・・・」

 

「俺がほしいのは力じゃないからだ。お前も気付いている筈だ・・・この戦いに勝っても得るものはないと」

 

「うるせえ!その力があれば俺は・・・最強のフェアリーテイルを作り上げることができる!力こそが全て!情や絆などという不確かなものは必要ない!それをお前を倒すことで証明してやる!その為に俺は今まで自分を鍛えてきたんだからな!」

 

雷を纏った拳で殴りかかるラクサスの右手を炎を纏った手で受け止めるゼオンは逆の手で殴り飛ばす。

 

「俺もかつてはお前のように最強の力を求めた・・・。だが力を求めすぎたあまり、俺は大切なかけがえのない弟を救えなかった」

 

悲しい、後悔を込めた表情でそう言うゼオンは闇に身を堕としてしまった弟 ゼレフの事を思う。国の為、大切な者を守る為と修行に明け暮れ、家族と過ごす時間が少なくなっていたゼオンはゼレフの闇に気付きながらも何もすることができなかった。だからこそもうあんな思いはしたくないとゼオンは思う。そしてラクサスはゼオンの話に耳を傾ける。今までゼオンは誰かに過去を話したところがあまりないのだ。知っているのは元はどこかの国の王様だったということだけ。興味がわくのも無理はないだろう。

 

「俺がほしいのはお前が何よりいらないと言うものだ。力だけでは人の心までは救えない。お前もそれは分かっているだろう?」

 

だがラクサスはなおも認めようとせずに憤怒の表情を貼り付ける。

 

「分からねえ!分かりたくもねえ!お前らはもういらん!街の奴ら共々消えろ!」

 

ラクサスは手のひらに光を集める。妖精三大魔法 妖精の法律(フェアリーロウ)を発動するつもりなのだろう。術者が敵と断じた者を消滅させる魔法。それがフェアリーロウ。それを三人の中で唯一知っているゼオンは平然としているがナツとガシルは危ない感じがした為、冷や汗を垂らしていたのだがそこへ現れたレビィは慌てた様子でラクサスの名を呼ぶ。

 

「ラクサス!」

 

「バカ野郎!なんで来た⁉︎」

 

「ラクサス!マスターが・・・貴方のおじいちゃんが危篤なの!お願い!会ってあげて!ラクサス!」

 

「ちょうどいいじゃねえか。これでまだ俺がマスターになる可能性があるって訳だ」

 

笑ってそう言うラクサスはついにフェアリーロウを発動させてしまう。

 

「フェアリーロウ・・・発動!」

カルディア大聖堂はおろか、マグノリア全域が全て眩い光で包まれる。ようやく終わったとラクサスは息を吐くがカルディア大聖堂にいる皆は傷一つなかった。それに驚愕するラクサス。

 

「何故だ⁉︎フェアリーロウは完璧だった。ゼオン!お前が何かやったのか⁉︎」

 

首を横へ振るゼオンとそこへ現れたフリードは近くの石像に背中を預け、ラクサスに話しかける。

 

「街の人たちも全員無事だ」

 

「まさか、そんな筈はねえ!」

 

「フェアリーロウは術者が敵と断じた者を消滅させる魔法。つまり・・・」

 

「本心では皆を倒す事を望んでいないということだ」

 

その言葉を聞いたラクサスだがなおも戦おうとする。全身に雷を纏いうわ言のように自分はラクサスだと、最強のフェアリーテイルを作り上げるのだと叫ぶ。

 

「馬鹿が。お前がマカロフの孫だろうがなんだろうがお前はお前だ。ギルドはお前のものじゃない」

 

途端、無表情になるゼオン。

 

「うぉおおお!鳴御雷!」

 

雷撃を纏った拳を突き出すラクサスに対しゼオンは

 

「ガキが粋がって道を踏み外しすぎるなよ!裏・滅竜奥義!黒雷鳴!」

 

黒い雷を纏った拳をラクサスと同じように突き出した。しかもゼオンから放たれた雷は龍の形を模しラクサスの雷と激突する。

 

「何⁉︎」

 

ラクサスはゼオンが放った攻撃が自分の放った攻撃を喰らっていることに驚愕する。正確には取り込んでいるのだがそれをラクサスが知らない。そのまま雷を取り込みラクサスに激突する。

 

「ぐああああ‼︎」

 

全身を雷に打たれたラクサスは膝から崩れ落ち、静かに瞼を閉じた。

 

「・・・サラマンダー兄が勝ったのか?」

 

レビィに支えられているガジルがおそるおそる言う。

 

「ラクサスは大丈夫なの?ゼオン」

 

ラクサスの身を案じる言葉をレビィが投げかける。

 

「気絶しているだけだ。少しすれば目を覚ます」

 

「フリード以外は先にギルドへ戻るぞ」

 

ナツに近付いたゼオンはナツを背負い、ガジルの片腕を首に掛けてからギルドへと帰る道を進む。

 

「・・・ああ、そうだ。ラクサスに伝えておけ。お前はお前らしくいればいいんだと」

 

振り向かずに歩いたままそう言ったゼオンとナツたちの姿はどんどん小さくなり消えていった。

 

 

それから少ししてラクサスは目を覚ました。

 

「ラクサス!よかった」

 

「俺は負けたのか・・・」

 

ゆっくりと起き上がったラクサスは自らの手を見る。先程とは違いラクサスの表情はどこか穏やかで晴れ晴れとしていた。

 

「ああ。だがそれで良かったんじゃないのか?」

 

「・・・ジジィに会って来る」

 

そう言うと立ち上がり、出口へと向かうラクサスにフリードは

 

「ラクサス!ゼオンからの伝言だ。お前はお前らしくいればいいだと」

 

ゼオンからの伝言を伝えた。

 

「・・・そうか」

 

と呟くとギルドに向かうラクサスをフリードは追いかけていった。

 

ギルドに着いたラクサスは辺りを見渡す。

 

「ジジィは?」

 

その言葉にメンバーの皆が嚙みつこうとするがそれよりも早くゼオが問いに答えた。

 

「医務室にいるぞ・・・早く行け」

 

「おい、いいのかよ?マスターのところへ行かせて」

 

「あいつらは血の繋がった家族だ。家族に会うというのにそれを邪魔する理由がどこにある?」

 

ゼオンの言葉に渋々ながらも納得したメンバーの面々を見てほっと溜め息を吐いたゼオンは医務室のほうへと目を向けた。

 

「・・・ラクサス!儂の言いたい事は分かるな?」

 

「俺はただギルドを強くしようと・・・」

 

「分かっておるわい。お前さんはもう少し周りを見ることじゃな。そうすれば今まで見えなかったものが見える筈じゃ」

 

コクンと頷くラクサスにマカロフは罰を言い渡す。

 

「ラクサス!お前を破門とする!」

 

「ああ・・・今までありがとよ。ジィジ」

 

「・・・馬鹿たれが!」

 

立ち去っていったラクサスに向かってそう言うマカロフ。その目からは涙が流れていた。

 

 

”ファンタジア”

 

フェアリーテイルのメンバーたちがそれぞれの魔法を駆使して色々なものを見せている様子を物陰から見ていたラクサスは旅に出ようとするがその時一際高い歓声が上がった。ファンシーな格好をしたマカロフが現れた為だ。すると皆がバッと空へ指を掲げるポーズをした。

 

”いつもお前を見ている”

 

マカロフからラクサスへのメッセージだ。それを見て涙を流すラクサスは礼を告げると背を向け旅へと出て行った。胸の内に新たな決意を込めて。

 

 

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