「「女⁉︎」」
「「子供⁉︎」」
「ウェンディ?」
ケットシェルターからの代表であるというウェンディが小さな女の子であった事に驚くルーシィたち。
「これで全てのギルドが揃ったな・・・」
「進めんのかよ⁉︎」
だが驚く皆を放ってゼオンは気にした様子もなく話を進める。
「しかしこんな大掛かりな作戦に魔導士を一人、しかもお子様を寄越すなんてケットシェルターは何を考えてますの?」
「あら?一人じゃないわよ。ケバいおばさん」
新たな声がするほうへ視線を向けるとそこにはハッピーと同じ二足歩行の白いメスの猫 シャルルがいた。
「猫?」
「だな・・・」
グレイに同意するリオンに
「ハッピーと同じだ!」
ハッピーと同じように喋る猫である事に驚くナツ。そしてシャルルを見た瞬間、雷にうたれたかのように固まったハッピーは目をハートにさせる。
「シャルル!来てたの?」
「あんた一人じゃ心配だからね」
「あの・・・私戦うことはできませんけど皆さんの役に立つ魔法でサポートはできますから仲間ハズレにしないでください」
そう言って頭を下げるウェンディを見ながらゼオンは冷静に分析をしていた。
「(かなりネガティヴな思考だな。過去に何かあったのか?)」
「大丈夫だ。そんな事はせん。よろしく頼むぞ」
エルザがウェンディに話しかけた事で笑顔を見せている。さらにハッピーはシャルルに近付こうとアピールする中・・・。
「ウェンディ?何か聞いた事があるような・・・」
ナツは聞き覚えがあるような感じがする名前に首を傾げ、
「何という香り(パルファム)だ・・・只者ではないな」
「むう、一夜殿も気付いていたか。ゼオン殿とエルザ殿も気付いている様子だ・・・・・・」
「・・・流石だ」
ジュラと一夜、そしてゼオンエルザはウェンディの異質な魔力を感じ取っていた。
「(これで送られてきた滅竜魔導士の半分が見つかった・・・ということは
謎の言葉を心の中で呟くゼオンは何かを心配するような表情を見せる。
「さて、落ち着いたところで私が作戦を説明しよう・・・とその前にトイレのパルファムを」
「そこはつけなくていいでしょうが!」
少しして戻ってきた一夜は息を吸うと説明を始める。
「ここから北へ行くとワース樹海が広がっている。そこに古代人はある魔法を封印した。その魔法の名をニルヴァーナ」
ゼオンとブルーペガサスのメンバー以外聞き覚えのない魔法に皆、首を傾げ一夜の言葉に注目する。その為、ゼオンが拳を強く握っている事に誰も気付かなかった。
「古代人たちが封印する程の破壊魔法だという事は分かっているんだが・・・」
「よく分かっていないんだ」
「そしてそれをオラシオンセイスも狙っていると考えられるんだ」
そう言うと古文書(アーカイブ)という魔法を発動させたヒビキにリオンたちは驚く。
「珍しい魔法だな」
「これは最近手に入れた彼らの姿だ」
映し出された6人の姿。
褐色肌と赤茶色の逆立った髪、右耳にあるピアスが特徴で毒蛇を従えている男 コブラ
モヒカンとサングラスが特徴の男 レーサー
天使を思わせる格好をした女 エンジェル
角ばった顔をした大柄な男 ホットアイ
中性的な外見で黒い唇が特徴の男 ミッドナイト
そして褐色肌にオールバックヘアが特徴の男 六魔の司令塔 ブレイン
彼らについての説明を聞いて怒りを露わにする者、訝しむ者、怯える者とそれぞれだった。
「相手は六人。こちらは十三人」
「・・・数的有利を利用するんだ」
「あの〜私は頭数に入れないんでほしいんだけど・・・」
「私も戦うのは苦手です!」
ルーシィはビビり、ウェンディも弱気だ。
「我々はただ彼らの仮拠点を探し出しせばいい」
「できればそこに彼らを集めてほしいんだけどね」
「集めてどうするのだ?」
エルザの問いに一夜が答えた。
「ブルーペガサスが大陸に誇る天馬!魔導爆撃艇 クリスティーナで拠点もろとも消し去る!」
それは皆を驚愕させた。しかし事態を飲み込んだ皆にジュラは二人で戦うよう警告したがナツは早速単独でオラシオンセイスを倒そうと樹海へ飛び出してしまう。皆もそれを追うように出て行き残ったのはゼオンとジュラと一夜の三人だけだ。一夜は二人にマカロフより強いのかと問いかけた。ジュラは謙虚な答えで返し、ゼオンは無視だ。しかしその答えにニヤリと笑った一夜は二人に見えないように持っていた瓶から漂う香り。それを少し嗅いでしまった瞬間二人にとてつもない痛みと痺れが襲う。ジュラは倒れゼオンも片膝をつく。
「(・・・毒?しかも即効性・・・マズイな。これじゃあ数分は動けない。ニルヴァーナが、俺の罪の証がすぐ近くにあるというのに!)」
「「ピリピリ」」
すると一夜の姿が二つの人形のような姿になる。
「星霊・・・」
双子座ジェミニの星霊だ。ゼオンは魔力探査を行うことができる。しかしそれは屋敷の中では一度もできなかった。
「(・・・ボブがこの屋敷に施している探査妨害の魔法が仇になったか)」
敵に居場所がバレないようにする為の仕掛けが今回は裏目に出てしまったようだ。
「一夜ってキモいことしか考えてないんだよ」
「駄目な大人だね」
そこへ現れたエンジェルは二人を倒そうとするが身体は動かせなくとも使える攻撃魔法でゼオンが牽制し手が出せなかった。しかしこれならもう二人を倒したも同然と考えたエンジェルは他の六魔がいる場所へと向かった。
一方その頃 ナツは樹海に着き、すぐに他のメンバーも追いついた。
「ここがワース樹海か・・・おい!オラシオンセイス!俺と戦え!」
「何、喧嘩売ってんのよ!」
思わずツッコミを入れてしまうルーシィにナツはきょとんとした顔を向ける。
「・・・いいだろ。せっかく強え奴らと戦うチャンスなんだからよ!」
そこで大きい影に包まれたナツたちは上を見上げる。
「・・・あれが噂のクリスティーナか」
そう言うグレイの顔は驚愕に包まれていた。
「よし!奴らの拠点を見つけるぞ!」
「おう!」
しかし突如クリスティーナのいたるところから爆発が起こる。やがて下に下降していったクリスティーナは大きな爆発を起こし、煙が舞う。皆が驚愕している中ナツは人の匂いを嗅いだ。ナツたちは臨戦体勢になるが怯えているウェンディは岩の陰に顔を出しながら隠れた。
「おい!」
「ああ!」
煙の中からオラシオンセイスたちが現れた。六魔にも戦う気があるのが分かったナツとグレイは真っ先に戦おうと向かっていく。しかし目で捉える事の出来ないスピードで動くレーサーによって叩きつけられる。
「「ナツ!グレイ!」」
何故かルーシィの声が重なって聞こえた。それに驚いたのはルーシィ自身だ。
「ば〜か!」
ジェミニが化けたルーシィは本物のルーシィに向かって鞭を放つ。一方で天輪の鎧とたくさんの剣を換装したエルザはコブラに向かって
「舞え!剣たちよ!」
剣を放つ。しかしそれを全て少し動いただけで躱された。
「(太刀筋が読まれている⁉︎)」
驚愕するエルザにコブラは嘲笑うように笑う。
「読まれてる?違えな。聴こえてるんだよ」
ナツとトライメンズはレーサーに倒され、リオンとシェリーはホットアイの使う地面を柔らかくして操る魔法によって倒された。エンジェルを攻撃しようとするグレイ。
「アイスメイク!」
しかしそこでジェミニがグレイに化け、グレイが使おうとした魔法をコピーして倒す。
「ランス!」
コブラと交戦しているエルザは剣を振るうが容易く受け止められる。
「俺は思考、呼吸、筋肉の収縮まで聴く事ができる。お前に勝ち目はねえ」
そこで突如流れてきたエルザの奴隷時代の記憶。それはコブラにとっても見に覚えがある場所でもある。
「そうか!お前も!」
そこへ割り込むレーサーに舌打ちをすると毒蛇のキュベリオスに命令してエルザの右腕を噛ませた。
「ぐああ‼︎」
右腕を押さえるエルザだったがその箇所は紫色に変色していた。
「そいつの毒はすぐには死なねえ。苦しみながら息絶えるがいい!」
ついにエルザも倒れてしまい残るはウェンディとハッピー、シャルルだけだが彼女たちは戦力にはならない。
「・・・ゴミ共め。まとめて消えよ」
杖に魔力を溜めるブレインの魔力に呼応するかのように地が震える。
「何という魔力だ!」
皆が驚愕する中、ブレインは魔法を放とうとする。
「
しかしその魔法が放たれる事無く、途中で消えた。それを六魔のメンバーたちが訝しむ中ブレインは汗を垂らし、口を大きく開けながら掠れた声でこう呟いた。
「・・・ウェンディ!」
と。ブレインと会った記憶はないウェンディは声を漏らし、皆もウェンディに注目する。
二人の関係は一体・・・?