フェアリーテイル 戦いの果てに待つもの   作:NAGI

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エドラス編 炎と魔力 暗躍する影
エドラス


別れっていうのを久々に味わったな。じいと親父と。皆がこの時代で生まれたなら俺はあの時代で笑えていただろうか?そこまで考えて無理だと感じた・・・あいつらの存在は俺にとって眩しいくらいに大きすぎたから。まぁ、感傷に浸るのはこの辺にして帰ろう。考え出したらキリがない。

 

「今の家族の元に・・・」

 

 

 

 

それから少し経ち、ギルダーツが帰って来た日に丁度マグノリアに帰って来たゼオンの肩には黄色いハッピーに似た猫のジークもいた。ギルド前に着いたゼオンは扉を開ける。そこにはウェンディとシャルルの姿があった。

 

「帰ったぞ」

 

ゼオンの姿を見た瞬間マカロフの目がキラリと光った。しかしそれには気付かず皆がゼオンを出迎える中ナツはゼオンに勝負を挑む。

 

「兄ちゃん、俺と勝負しろ!」

 

「俺に勝てると?」

 

「見せてやろうじゃねえか!うぉおお‼︎」

 

魔力を高めていくナツに呆れた目を向けるゼオンは彼がしている事に気付いていた。

 

「(今のお前がドラゴンフォースを自力で使える訳ないだろ)」

 

竜と同じ力を得るというドラゴンフォースをしようとしていたナツだったが彼の実力ではできない。ゼロ戦の時にはなれたがそれはジェラールが咎の炎をナツに渡した為だ。しかし自由に使えるようになったと思っているナツは首を傾げる。

 

「あり?」

 

「出直してこい!」

 

「グェッ‼︎」

 

拳骨の要領でナツを叩き潰したゼオンはマカロフの元に向かう。

 

「ゼオン、お主言いたい事は?」

 

「聖十辞めたい」

 

鋭い目で睨むように言ったがゼオンは怠そうにボヤいた。

 

「なっ!お主は序列一位じゃろうが!辞めたら儂等のギルドが!フェアリーテイルを潰す気か⁉︎」

 

「・・・・・・冗談だ」

 

「今の間は何じゃ?今の間は」

 

冗談なのか本気なのか分からないゼオンの言葉に白い目を向けるマカロフだったが一度わざとらしく咳払いをする。

 

「ゴホン。お主、六魔二人と戦ったようじゃな。儂は一人しか戦ってはならんと言ったじゃろうが!」

 

「緊急事態にはその限りではないと言ったのはお前だろ?」

 

「うっ・・・とにかくじゃ、今後はそのような事がないように」

 

「分かった・・・」

 

ようやく説教? が終わり、話題がS級魔導士試験へと変わる。

 

「そういえば、そろそろ試験メンバーを決めるのか?」

 

「S級魔導士試験・・・そろそろそんな時期か。どうするかの?まだ何も考えておらんぞ」

 

開催地、メンバー、方法。それらを全く考えていないらしいマカロフに呆れた目を向けるゼオンは

 

「ちゃんと考えておけよ」

 

協力する気はないようだ。ガクリと項垂れるマカロフはこれから数日間書類と戦う日々を送るようになった。

 

 

 

 

ギルドの二階で食事をしていたゼオンの前にオールバックの髪型が特徴の男 ギルダーツが近付いて来る。

 

「なぁ、ゼオン。今からいいか?」

 

「ああ、俺の家で話すか?」

 

その言葉に食事の手を止めたゼオンは視線だけをギルダーツに寄越す。

 

「そうだな。じゃあ行こうぜ」

 

「つまんない話はごめんだぞ」

 

「そりゃあ大丈夫だぜ」

 

他愛ない話をしながらカルディア大聖堂近くにあるゼオンの家に入った二人は一階にあるリビングのソファーに腰掛けた。二人はテーブルに置かれているカップを取り、紅茶を淹れる。

 

「・・・実はな俺は仕事先で黒いドラゴンに出会った。おかげでクエストは失敗、左手足を失った」

 

「アクノロギアか・・・まぁ、生きて帰って来れただけでも運が良かったな」

 

そう言って紅茶を飲むゼオンに頷くギルダーツは真剣な表情でゼオンを見つめていた。

 

「お前の過去をたまたま知っちまったから話には聞いたが想像以上の強さだった。お前は奴に勝てるか?」

 

「・・・無理だな。今の俺の力は四つ、二割程の力が戻ったが俺たちにとってその三割は致命的だ。勝ち目はない」

 

「そうか。そういや、ジークは?」

 

姿が見えないジークを探そうとキョロキョロ辺りを見渡すギルダーツに答えようとしたゼオンだが遮るようにジークの声が聞こえる。

 

「ん?ああ「準備できたっスよ!」お前の手足を再生する為の準備だ。今は地下室にいる」

 

「本当にできるのか?」

 

疑うように問いかけるギルダーツに頷くとゼオンはどこから取り出したのか注射器を右手に持っていた。

 

「ああ。だから腕だせ」

 

 

 

数時間後

 

地下室にある手術室では白衣を着ているゼオンとジークの姿があった。その近くにはギルダーツの姿も。

 

「医療に失敗はつきものだ」

 

「ギルダーツ!あんたの事は忘れないっス!」

 

成功したのだが悪ふざけでそう言う二人はギルダーツを叩き起こす。

 

「成功したのか?」

 

「見れば分かるだろ?成功だ」

 

ギルダーツの左手足には義手と義足が無くなり、手足が再生していた。

 

「サンキューな。よし、じゃあ帰るぜ」

 

「ああ。俺たちは早く寝るか」

 

「そうスっね!」

 

地下室から去っていったギルダーツは嬉々として家に帰って行き、ゼオンたちは片付けを済ませるとすぐに寝た。

 

 

 

しかし翌日

 

ゼオンは異様な魔力を感じて目を覚ました。

 

「(何だ?まるで魔力が逆流しているように感じる)」

 

その正体を探る為にゼオンは急いでドラゴニックリングを指に塡めると特殊な生地で作られた服に着替えた。そして部屋を出ようとするが銀のブレスレットが目に入り、腕に着ける。しかしその音で目が覚めたジークは目を擦りながら起き上がった。

 

「どうしたっスか?」

 

「外に出るぞ」

 

その言葉と共に部屋を出るゼオンを慌てて追いかけるジーク。

 

「あっ!待って下さいっス!」

 

彼らは雨の中を走って行く。

 

 

その頃

 

ウェンディはフェアリーテイルに向かっていた。ミストガンから語られたマグノリアが消滅するという話を聞き、皆にその事を知らせようとしていたのだ。しかしウェンディがギルドの目の前に着いた時、マグノリア全体が光に包まれ消滅してしまった。ただ、ナツとウェンディ、ハッピーとシャルルは消滅していなかった。シャルルが言うにはドラゴンスレイヤーの持つ特殊な魔力のおかげらしい。

 

シャルルはエドラスという世界が使った超亜空間魔法 アニマによって皆が吸収されたと話した。

 

「行くしかねえだろ!んで仲間を取り戻す!」

 

その言葉にウェンディとハッピーも頷き、シャルルは念のために警告する。

 

「分かったわ・・・だけどあっちでは魔法を自由に使えないわよ」

 

そう話すとシャルルはウェンディを、ハッピーはナツを持って空にある穴へと向かっていく。

 

 

 

一方でゼオンは既にエドラスに来ていた。しかしその近くにジークの姿はない。

 

「(あいつ、だから早く下りろと言っただろ!)」

 

 

エドラスに炎の翼を展開して来たゼオンはジークと並んで飛んでいたがゆっくり下り始めた。ゼオンはジークにも下りるように言ったが少し遅くジークは森の下に落ちていき、その数秒後には悲鳴が聞こえてきた。しかもあちこちを動き回っているようで今現在、ゼオンは森の中に入ってジークを探しているのだ。

 

「しっかし・・・森ね。まったく何故にこんな場所で落ちるんだか」

 

呆れたように言うゼオンだったがジークは今獣に追いかけられており、必死に逃げていた。

 

「助けてくださいっスーーー‼︎ヘルプミーーー‼︎」

 

「俺っちはまだこんなところで死にたくないっスーーーー‼︎!」

 

ジークの叫びは誰にも届く事はなかった。

 

 

「それにしてもどこまで続くんだ・・・この森は」

 

「グルルゥウ‼︎」

 

後ろから襲いかかってくる虎に向かって拳を突き上げ、倒したゼオンは何事もなかったかのように歩き出す。魔導士は身体を鍛えていないとはかつてナツたちがエバルー屋敷で戦ったバニッシュブラザーズの弁だが違うらしい。

 

「獣はしつこいし、ジークは消えるし」

 

「ゼオン?」

 

俺はこの世界に知り合いなんていたかと心の中で呟いたゼオンが後ろを向くとそこにいたのは

 

「マナ?」

 

ゼオンの婚約者であったマナとそっくりの女性だった。

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