ライブを終えた翌日。
アイドル研究部の部室は久々に賑やかになった。
「昨日のライブ大反響だったにゃー!」
「はしゃぎ過ぎよ、凛。」
「え~、真姫ちゃんも嬉しいくせにィ」
「わっ、私は別に……‼」
「照れてる照れてる。」
「カラカワナイデ!」
一昨日まで私たちの関係性は断絶しかかっていたが、今は関係性が異様な速度で修復されている。
これほど強固な絆に巡り合えたことは過去一度もない。此処が私たちの居場所なのだろう。
「でも、本当にすごいよ。動画の再生数も過去最高記録だよ。ランキングも……って、えええ!?」
「どうしたのです?花陽。」
花陽が見ていたサイトはアイドルランキングである。
以前は二十位前後だったが、現在は―――。
「よ、四位!?」
高順位であることに誰もが驚愕を隠せないでいた。
事実、この好評はSTART:DASH!!だけでなく、絵里のソロ曲も高評価だったのも理由の一つであるらしい。
「海未、ありがとうね。私達をもう一度集めてくれて……。」
照れくさそうに礼を言い出したのはにこだった。
「いいえ。私ではありませんよ。私は穂乃果の気持ちに応えただけですよ。」
きっと高坂穂乃果という少女が存在しなければ、私は何処までも迷ってばかりだっただろう。
彼女が
「死んだ後も私たちの心配をしてる…ってことかしら?」
「どやろなぁ」
絵里と希は顔を見合わせていた。
「でも、穂乃果ちゃんらしいね。」
死後も私たちを案ずる穂乃果。
それを想像するのが容易かったのか、皆して笑う。
太陽は今尚、私たちを照らしているのだろう。
☆
学校帰り。
久々に晴天になったと思いきや、再び雨天に見舞われる。
「く……っ。しまった。傘を忘れてしまいました。」
今朝、久々に晴れていたのが嬉しくて、天気予報を見ていなかったのだ。
今までこのような確認を怠ったことがないので、自分の失態が悔やまれる。
幸い、駅前にいるので、店に入り、雨が止むのを待つこともできる。
「しかし、暫く止みそうにありませんね。」
溜息が零れる。
辺りは車の走行音、雨音しか聞こえない。
しかし、耳を澄ませると、歌声のようなものが聞こえる。
「……この声、何処かで聞いたことあるような……」
歌声が発する元へと向かうことにする。
普段、些細な歌声など、気にもしないのに、何故か気になって仕方ない。
雨に濡れるのを少しも躊躇わなかった。無我夢中に走り続け、遂にその場に辿り着いた。綺麗なソプラノの声は人を魅了させるに足るものだった。
もう少し聴いてみたいと思い、その歌い主に近づこうとする。
愕然とした―――。
唯一、異なる特徴は腰まで伸びた長髪。
だが、その顔と声は見間違えようがなかった。
「穂乃果―――?」
――― TO BE CONTINUED ―――
ここまでを第一部とさせて頂きます。
次回は番外編
その次から第二部とさせていただきます。