BLEACH El fuego no se apaga.   作:更夜

48 / 106
BLEACH El fuego no se apaga.42

 

 

 

 

 

時が遡る。

 

男は屈辱に塗れていた。

半ば自我を失い、その身に溢れていた殺意と怒りに任せ怨敵に襲い掛かった男。

本当ならば自らの意思で屠りたかっただろう、だが理性の鎖は己に渦巻く怒りに引き千切られ、暴走したそれが全てを塗りつぶしていく。

それでも、それでもこの憎き敵を屠れるのならばいい、男は何処かそう思うことで理性を手放す事を認めていた。

しかし男がその自我を取り戻し、そしてそれを闇に沈める直前に見た光景は、血の海に沈む憎き敵の姿ではなく、まるで砂を食む様に砂漠に横たわった自分を見下ろしているであろう、怨敵の足。

 

目覚めた男はただひたすらに叫びをあげる。

それは怨嗟の叫びか、それもと別の何かなのか、それでもただ判ることはひとつだけ。

ノイトラ・ジルガはアベル・ライネスに手も足も出せずに惨敗を喫した、ということだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

叫び、言葉ではなくその音が尽きるまで叫び続けたノイトラは、一人砂漠に立ち尽くしていた。

傍には彼の従属官であるテスラ・リンドクルツの姿もあったが、今のノイトラにそれを気にする素振りはない。

ただただ己の敗北に、それもかつて無いほどの惨敗に彼の内なる業火は燃え盛り、そして彼自身を燃やし尽くしてしまったかのように立ち尽くす。

一太刀も浴びせる事無く、そして“情け”という最大の屈辱を施されつながれた己の命、それは正しく恥辱の結末。

今こうして生きている事すら彼にとっては恥であり、いっそその手に持つ斬魄刀で自らの首を刎ねてしまった方がましだと思える程の、それ程の屈辱の極地に彼は立っていた。

だが同時にノイトラの中にそれを留める思いもあった。

それは“逃げ”だと、勝てぬからといって死を選ぶのは逃げる事だと、そして逃げた先にあるのは“永遠の敗北”である、と。

葛藤、示された二つの道、再び歩くのかそれとも歩を止めるのか、自尊心を守るべきか更なる屈辱に塗れるべきか、答えなどそう易々度出るはずも無いその問がノイトラの内に浮かんでは消えていく。

 

だがそうして悩むノイトラに、第3の道が示された。

 

 

 

「“力”が…… 欲しいかい?」

 

 

 

 

唐突に響いた声、ノイトラでも、ましてやテスラでも無い第3の人物の声が響く。

その声は破面ならば誰もが知っており、また忘れられるはずもない人物のもの。

 

 

「藍……染、様……」

 

 

ノイトラよりも先にテスラが搾り出すようにして男の名を呼ぶ。

そう、声の主は他でもない藍染惣右介であり、ここに居る事はありえない人物。

そして何よりも彼等を驚かせたのは、その人物がこの場にいる事でも、この距離までその人物が近付いてきた事に気がつかなかったことでもなく、その人物からまったく霊圧を感じない(・・・・・・・)という事。

あり得ないのだ、霊圧を抑えているのではなくまったく感じない、などということは。

霊圧とは即ち霊力の発露、そして霊力とは霊なるもの全てが内包する力であり絞る事はで来ても完全に感じなくする事など出来ない。

それ故にノイトラ、そしてテスラの顔は驚愕に染まる、その目で捉えているにもかかわらずまるで亡霊でも見たかのように。

 

 

「驚かせてしまったかい? すまない事をしたね、だが許して欲しい。コレを使って私の霊圧を感じられない(・・・・・・)誤認(・・)させなくては、いかに私でも気付かれてしまっただろうから……ね」

 

 

藍染は驚きに染まるノイトラ達の顔から察したように、自分の現状について謝罪を述べた。

そうして謝った後、藍染はその手に持ったものを彼等二人に見せるようにして前に出す。

それは刀、藍染惣右介が持つ斬魄刀であり、銘を『鏡花水月(きょうかすいげつ)』という一振りの刀。

能力は『霧と流水による乱反射で、敵を同士討ちさせる』というものの筈だった。

 

 

だがそれは偽りなのだ。

 

 

藍染の持つ斬魄刀、鏡花水月。

その本当の能力、それは『 完全催眠 』である。

条件を満たした相手の五感、そして霊感の全てを支配し、対象を誤認させることが出来るというその能力。

蠅を龍に見せることも、最愛の者を殺した敵を最愛の者に見せることも、また対象の霊圧を感知出来ないと認識させるなどという事も、ある種全てが容易に成し遂げられる、正しく最強、いや最凶の斬魄刀。

 

そうして藍染はその抜きはなった斬魄刀の能力を使ってまでこの場に居る。

だがその能力を知るノイトラであっても、その理由は判らなかった。

一体何故、何故この男が此処にいるのかという疑問、だがそれよりも、いや、そんな事よりもノイトラには聞きたいことがあった。

 

「”力”だ…… ですか……?」

 

「無理に敬意を払う必要は無いよ、ノイトラ。それは瑣末な事だ…… そうだね、ではもう一度言おうか……“力”が欲しいかい?ノイトラ 」

 

 

そう、ノイトラが聞きたかったのはそれだけ。

藍染の言葉の真意、力という存在。

それが欲しいか、という藍染の問の意味だけだった。

 

 

「私はね、キミを評価している心算だ。 ……だが、この先で“力”を得られるかはキミ次第、そこから生きて出られるかもまた、キミ次第。眠る事すら間々ならず、終わりの見えぬ闇の中で君の命は常に危機に曝され続けるだろう。それでも…… 何の確証も無い賭けだとしても、君は“力”を求めるかい?」

 

 

謳うように語る藍染の言葉には、それが容易では無いという事を物語る雰囲気が浮かぶ。

何処で、何をするのか、それによってどうなるのか、その全てが闇に包まれている道、おそらくは地獄へと繋がるのであろうその道、それが今、ノイトラに示された第3の選択肢だった。

 

そして示された第3の選択肢に、ノイトラの拳は力強く握り締められるのであった……

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

 

闘技場には歓声、というよりはどよめきの方が多く響いていた。

第5十刃 アベル・ライネスの対戦相手として現われたのは、第8十刃ノイトラ・ジルガ。

その二人の数字の差、実に“3”。

たった一つ上に上がるだけで、その力の差が現われる破面の世界においてその“3”という数字、そしてそれがただの数字持ちではなく、十刃という別次元の存在においてならば、数字の表すものが如何に大きいかは想像に難くない。

闘技場を見下ろす殆どの破面は、その巡り合わせに哀れさを感じていた。

なんという不運、勝ち目など無い、と。

 

 

だがそれは何処までも的外れな意見だ。

 

 

一般的なものの見方、相対する者通しの力を俯瞰から己の小さな物差しで図った的外れの縮図。

測るべき尺度が間違っている、そして間違った尺度から生まれるのは間違った絵図面、愚味なる結末の光景なのだ。

 

そもそもノイトラにとってコレは不運などではない。

僥倖、何にもました僥倖、暗い地獄を生き抜いた彼に降り注いだ光明なのだ。

だが、ノイトラにそれを喜ぶような気配は無い。

入り口で一度立ち止まった彼は、再びその斬魄刀を引き摺りながら一歩一歩中央へ、ゆっくりと歩いていく。

その姿はある種異様さを纏う。

普段、攻撃的で威圧的な印象を与える彼らしからぬその雰囲気、それはアベルにとっても疑問であった。

 

 

(なんだ? 第8十刃(オクターバ)の雰囲気が明らかに違う。霊子の流れもあの不様な濁流を感じさせない…… というより寧ろ…… )

 

 

そう、気配や雰囲気といった個人の感性に由来した感覚ではなく、アベルはその十刃最高の霊圧知覚によって霊子の流れを視る。

故に確固たる確証の下、ノイトラの変化を誰よりも明確に認識しそれ故に戸惑いを見せていた。

数年前、まさしく醜悪の極みたる霊圧を放っていたノイトラ、だが今アベルに視えるそれは明らかに違う。

 

 

(……淀み(・・)が見受けられない。 流れ出る霊圧は最小限…… 抑えている? この男がか? 力を誇示する事が生き甲斐の様なこの男が?)

 

 

ノイトラが見せる明らかな変化、放たれる霊圧は最小限であり、それは見る者からすればノイトラという破面の存在を一回り小さく誤認させるような、そんな印象を与えるものだった。

だがアベルには更にその先が視えている。

ただ最小限に抑えているのではない、その霊圧の流れはどこに滞留することもなく足元らか頭頂、そしてその上へと抜けるように淀みなく流れ続けているのだ。

上位の十刃ならばいい、霊圧操作に長ける者ならば誰でも出来る事柄だろう。

だが、このノイトラという男がそれをしている、それが何よりアベルにとっての違和感。

 

巨大な武器、吹き上がる霊圧、誰にあってもその自らの強力さ、強靭さを誇示するようなノイトラ。

それを知っている故に生じる違和感。

別人のような印象を与える彼に、アベルは僅かながら困惑を抱えていた。

 

 

「これより、第5十刃 アベル・ライネス 対 第8十刃ノイトラ・ジルガの強奪決闘を開始する。しかし!今回は変則的な強奪決闘となる。よって勝てば”号”を、もし敗けて尚その命をつなげば”十刃落ち(プリバロン・エスパーダ)”ではなく、号を下げる事で十刃在位となることも可能とする」

 

 

立会人、東仙要のこの宣言は数瞬の後闘技場に罵詈雑言の嵐を生んだ。

それもその筈、うまく行けば一息に二つの席が空くと考ええいた一部の破面からすれば、今の東仙の発言はなんら旨みの無いものだったからだ。

自分達の利己的な皮算用を棚に上げ、そんなものは無効だと騒ぎ立てる破面達。

誇りも何もない、愚かな言葉が飛び交う。

そんな他力本願な者が十刃の席につけるはずもない、ということすら失念するというその愚かさを、自ら吹聴していることにすら気付かずに。

 

 

そもそも十刃の中にそんな恥知らずな事をする者など居ないのだ。

あくまでそういった条件がこの決闘にはある、というだけのことであり、それを受けるか否かは個々に任されている。

そして敗けても十刃で居る。などという厚顔無恥は輩は十刃足りえない。

先の東仙の宣言、いや、おそらく藍染からそう言えと言われたであろう言葉が語るのはこういう事だ。

 

 

 

生き残って不様を曝したくばそれで構わない、だがその恥辱に耐えられないならば、命を賭して戦え、と。

 

 

 

アベルに、勿論ノイトラにもその恥辱に耐えられるだけの図太さはなく。

もともとノイトラはこの一戦にて死のうとも勝つという覚悟を固めており、アベルもまた負ける心算など毛先程もないのだ。

敗北とは死である。

何の共通点もなかった二人に、唯一つ共通していた認識がそれだった。

故にこの戦いの後立つのは一人、先程のグリムジョーとドルドーニのように互いを殺そうとする戦い、だが違うのは死ぬ方はおそらく形すら残さず消え去る、という点だけだろう。

 

両者の沈黙を了承と取って、東仙がその手を上へと伸ばす。

そして振り下ろすと同時に「はじめ!」と叫ぶ事で、罵詈雑言の嵐の中、アベル対ノイトラの戦いは火蓋を切った。

 

 

 

号令が為されて後も、二人は動かなかった。

ノイトラならば号令すら待たず斬りかかってもおかしくはなかったが、彼は微動だにせず、そして今も動かない。

対してアベルもまた動かなかった。

アベルの戦い方を考えれば、今先に仕掛ける利点は少ない。

霊子の流れを読み、相手の隙を見つけ、最も脆い部分を貫き殺す。

それがアベルの戦い方、先の先という非常に単純であるが最小限の労力で目標を殺す、という事を考えれば理想的でもある戦い方。

だが微動だにしないのはノイトラ、その霊子の流れにこれといって淀みも薄い部分もなく、簡単に言えば攻めあぐねている状況にも見える。

 

 

(なるほど…… 悪戯に霊圧を放つのではなく、最小に抑えることで斑を押さえている……といったところか。だがそれは )

 

「無意味だ…… 」

 

 

その呟きと共にアベルの輪郭がぶれ、次の瞬間にはノイトラの背後10m程離れた位置までノイトラを通過するように移動していた。

そして驚くべきはアベルが通り過ぎた後、残されたノイトラの腕から僅かに血が噴き出し、そこに一筋の赤い傷跡が出来ていたという事。

見ればアベルの白い外套の袖からは白刃が覗き、その切っ先からぽつぽつと滴るのは赤い液体。砂漠に丸い小さな染みをつくるそれは血だった。

そう、アベルはすれ違い様にノイトラの腕を斬り付けていたのだ。

 

「あの時、 醜かった霊圧は視るに耐えるものにはなった。だが、それだけでは私には勝てない。 歳月は等しく、私もまたあの時から前へと進んだ。……お前の鋼皮(イエロ)を切裂ける程度には……な」

 

 

時間は膨大だ。

一年ならば日数にして365日、時間にして8,760時間、分ならば525,600分、そして秒にすれば31,536,000秒。

そしてその膨大な時は誰にも等しく与えられる。

ノイトラにも、そしてアベルにもだ。

 

この場に居る破面達からしてみれば、このアベルの一太刀は何の変哲もない一撃だろう。

だがそれは間違いだ。

数年前、誰の眼にも触れる事無く戦った両者、そしてその時アベルの刀はノイトラの鋼皮に阻まれ、その肌を切裂くどころか突きたてる事すら間々ならなかった。

アベルの斬魄刀の刃に対し、ノイトラが持つ歴代十刃最高硬度の鋼皮は充分すぎるほどの守りとして機能し、刃を退けたのだ。

だがしかし、歳月を積んだアベルはそのノイトラの鋼皮に対し一矢を報いる。

深くはない、出血もそれ程でもない、だが確かに切裂いたのだ、阻む事を許さなかったのだ、その刃の一撃を。

 

 

「霊圧を抑えた弊害、如何に強固といえど鋼皮だけの硬度では私の刃は防げないようだな、第8十刃」

 

 

そう、その一筋の赤い線はまさしく弊害だった。

霊圧を押さえ込み、淀みなく、そして斑無くそれを纏うノイトラ。

鋼皮の霊子密度の低い部分は霊圧によって補い、今のノイトラは正しく一枚の岩のように強固な存在となっている。

だがその繊細な霊圧操作は彼という破面には不向きなのだろう、御しきれる霊圧は自然と少なく、それ故に彼はアベルの一撃によって傷を負ったのだろう。

本来のノイトラはその荒れ狂う霊圧と、それにより強化された鋼皮の硬度という堅牢な守りを下地に力で押し切る戦い方をする破面。

敢えてそれを捨てたかのような今の彼になら、アベルの研鑽を積んだ刃ならば届くのだ。

霊圧を落とせば斬られ、上げればそこは相手の独壇場、袋小路、前門の虎後門の狼、はやくもノイトラに先はなかった。

 

 

そんなノイトラにアベルは更に攻撃を加える。

だが如何に斬れる様になったと言えどノイトラの鋼皮は堅牢、ノイトラも緩慢な動きながら回避を試みる中で致命傷を与えるのは、さすがに至難の業である。

数十回の交錯の後、再びアベルが距離を置くようにしてノイトラに対する。

アベルから視るノイトラの姿は服を切り刻まれ、そして無数の傷をその身に刻みながらもしっかりとその足で砂漠に立っていた。

確かにアベルは致命傷を与えていない、不甲斐ない事であるがそれが十刃最弱たるアベルの現状の(・・・)攻撃での限界なのだろう。

だが、それでも此処まで痛めつけられているにも拘らず、ノイトラに一切の揺るぎが視られないというのはどうだ。

戦いの始まりに抱えた僅かな困惑、それがアベルの中で徐々に大きくなる。

 

 

(……何故反撃して来ない。 霊子を斑無く纏ったとて勝利は無いと、如何に奴とて理解しているはず…… 意地、か? ならば余りにも無意味、そんなものを通してなんになるというのだ。愚かしい……諦めてしまえば全て楽になるというのに…… )

 

 

無意味、アベルには今のノイトラの行動が理解出来なかった。

アベルから視てもノイトラに勝機らしい勝機はなく、おそらくはこれからも訪れないと、では何故この無意味な戦いを続けるのかと、考えたところでアベルにそれは判らず、理解も出来ず、ならば考える事すら無意味だとアベルは断じる。

無意味を続ける意味をアベルは理解出来ないのだ、無意味を悟れば諦めてしまえ、そう考える故に。

 

そうして己の考えに埋没していきそうだったアベルの耳に、ジャリっと砂を踏む音がする。

音の方向に居るのは勿論ノイトラ、そしてそのノイトラから立ち昇る霊圧にアベルは明らかな変化を視た。

いびつに歪む、というよりはどこか内側に収縮するように変化していくノイトラの霊圧、そしてその動きは全ての破面に共通するものだとアベルは見抜いていた。

 

 

「解放……か。 以前よりは理性というものが残っていたようだな、第8十刃。だがそれをしたとて無意味だという事をより知るだけだ……」

 

 

そう呟いたアベルは、ノイトラが解放しようとしていると知りながらそれを阻止しようとはしない。

変化する霊圧ならばアベルが隙をつくなど容易だろう、だがアベルはそれをせず傍観を選択した。

アベルにとって相手が解放しているかいないかすら些細な事、そしてノイトラに無意味を悟らせるには解放させた方がより明確に理解させられると判断したのだ。

その越えられぬ壁というものを。

 

ノイトラは、片手でその巨大な双月の斬魄刀を頭上高く掲げる。

背中を合わせたかのような月、または湖面に映った鏡合わせの様な月を連想させるその斬魄刀、掲げられたそれはまさしく月そのものでありその引力が辺りの砂を巻き上げる。

そしてその薄い砂の幕がノイトラを包み込んだとき、今日彼ははじめてその口を開き声を発した。

 

 

「祈れ…… 聖哭螳螂(サンタテレサ)!!」

 

 

声と共に今まで抑えつけられていた霊圧は、まるで水瓶を逆さにしたように溢れ出た。

砂の幕は爆ぜ、辺りに砂煙が立ちこめる。

そして疎の砂煙の向こうにアベルが視たのは、まるで巨大な三日月のような影。

その影はしかし三日月ではなく、崩れるようにしてその輪郭を崩し分かれていく。

影を照らし出した砂煙の画面が晴れると、そこには三日月の主である男、ノイトラ・ジルガが立っていた。

 

側頭部に三日月を模した角を生やし、左目に付けた眼帯は弾けその下からは虚としての証である喪失の孔が、眉間の辺りから斜めに十字の傷跡のような仮面紋(エスティグマ)が刻まれ、顕になった顔に表情はない。

身体に受けた無数の傷跡は刀剣解放による霊圧の上昇で、一時的に跳ね上がった治癒力によって完治していた。

そしてなにより眼を引くもの、それは鎌。

巨大、そして非常に鋭い印象を与える大鎌が実に4本(・・)

そしてそれを掴む人間の腕というよりも、それに甲虫類の外骨格を纏ったかのような硬質な印象を与えるそれもまた4本、ノイトラの身体から生えているのだ。

 

その銘の通り昆虫の螳螂(カマキリ)、その捕食者たる攻撃性をその身に宿したかのようなノイトラの姿。

だがアベルはそれを前にし、些かの動揺も見せてはいなかった。

 

 

「なるほど。大した霊圧だ…… だが清流のように御しきれる訳でもないその霊圧を私の前で曝した、という事は。諦めた(・・・)と解釈してかまわないのか?」

 

 

そう、アベルの言う通りノイトラの解放は強大な霊圧をあたりに撒き散らしている。

しかしそれは先程の解放前のように、寸分の隙も無く御されていたものとは違い、アベルから視れば斑のあるものであった。

つまりアベルにとっては漸く本来の戦い方の出来る状態であり、それを曝したという事はアベルからしてみれば倒してくれと言っているのと同義なのだ。

そうして語るアベルに対し、ノイトラはただ無言。

どこか不気味さすら漂う態度だが、その理由など推測するだけ無意味だとアベルは斬って捨てる。

曝したならば、それを突かれ様とも文句などあるはずは無いだろう、と。

ならば何の容赦も、慈悲も無く、その薄皮で守られた急所を貫いてやろう、と。

 

アベルはその霊圧知覚をもってノイトラの霊圧の流れ、霊子の流れ、鋼皮の霊子密度までの全てを視る。

溢れる霊圧、確かに均整がとられ垂れ流すのではなく御されているのが良くわかるとアベルは評価するが、それもまだアベルから見れば甘さを多分に残していると。

そして4本ある腕のうち僅かながら霊子の流れと量の過多から一本を絞り込み、それが初撃に用いられる事を察すると、更に鋼皮の霊子密度、霊圧の流れ、勢いなどを加味し最も最適な攻撃部位を導き出す。

 

 

(……皮肉なものだ。 解放したが故に、お前はこの一撃によって死に絶える、とは……な。)

 

 

最適な攻撃部位を導き出したアベルは、内心でノイトラの不運を哀れむ。

あのまま、解放しないままいればまだ少しは長く生きられた、と。

だがそれはもしもの可能性に過ぎず、現実にその可能性は美しく見える幻に過ぎない。

非情なる現実、それだけが常に彼等の前には広がり続けるのだから。

 

 

 

アベルが再び響転(ソニード)によってその姿を消す。

そしてノイトラにはその影すら掴むことは出来なかった。

ノイトラの探査神経を掻い潜るようにして移動するアベルを捉えるのは至難の技なのだ。

知覚から消え去った相手にノイトラは、余りにも無防備にその姿を曝し続ける、防御する素振りすらなくただ軽くその手に握った大鎌を構えたまま。

そしてノイトラの知覚が追いつくその前に、アベルは勝敗を決するために動いた。

 

アベルが現われたのはノイトラの正面、それもノイトラの間合いをはずしたその完全な内側だった。

そして袖から覗く刃、更にはもう片方のてを袖の上から握った斬魄刀の柄尻にそえ、一息にノイトラの胸の中心、心臓を目掛けて突き出そうというのだ。

アベルが視た、そして導き出した最適な場所、それは人、虚、死神、破面、その全てにおいて共通する絶死の点と重なっていたのだ。

霊圧、霊子密度、そしてそこに至るまでの道筋の全てが出来上がっていたかのようにそこが浮かび上がった。

ノイトラの意思とは関係なく、彼の身体がアベルに殺してくれといっているかのような、そんな場所がこの決着を齎す場所。

如何にノイトラの鋼皮であろうと、如何に十刃最弱であるアベルの刃であろうと、突き立てれば貫き、貫かれれば死ぬ、まさしく決死、決着の瞬間が訪れようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと捕まえたぜ…… クソ5番!」

 

 

 

 

 

その言葉が放たれるまでは。

 

 

 

 

 

砂柱、それも特大のそれが闘技場から上空へと生茂る。

その光景を見ていた者達からしても、何が起こったかを理解できない展開。

かろうじてアベルの動きを追えていた者からすれば、まさしく止めの瞬間に起こった異常。

闘技場の砂の大半を巻き上げたかと思えるほどの巨大な柱は、しかし直ぐに形を失い崩れ、大量の砂煙を撒き散らし砂漠へとその姿を戻していく。

立ち込める砂煙、視界を覆うそれが晴れるか晴れないかという所で、その砂煙の中から声が聞こえた。

 

 

「人が大人しくしてりゃァ調子に乗って斬りやがって…… だがそんなもんは構うもんかよ、えぇ? 第5十刃(クイント)ォ。だが、今のを避けるとは流石に恐れ入ったぜ…… まぁ……」

 

 

聞こえるのはノイトラの声、先刻まで黙りこくっていた彼が饒舌に語る。

言葉から察するに今の巨大な砂柱はノイトラによって作られたもの、そしてそれはノイトラの攻撃でありアベルはそれを避けているという事だった。

だが、ノイトラは攻撃を避けられたというのに随分と冷静な様子をみせる。

それは虚勢ではないのだろう、事実として彼には余裕があるのだ。

砂埃が収まりはじめ、ノイトラ以外のもう一人の姿がその輪郭から徐々に現われ始める。

それは勿論アベルの事であり、こうしてノイトラが生きているという事はアベルの必殺の一撃はノイトラの心臓を貫けなかったという事。

 

そしてその代償は大きいものだった。

 

 

「まぁ、 完全に(・・・)避わせた、ってぇ訳じゃなさそうだが、なぁ~」

 

 

完全に晴れた砂埃、そこから現れたのは白い外套の袖をその血で染め上げたアベルの姿だった。

肩の辺りから上腕の中程までをザックリと抉られるように傷を負った左腕、その傷口を押さえるようにして立つアベル。

それはありえない光景、霊子を視て、そして流れを読むアベルの能力は一種の予知である。

“先視”と呼ばれるそれはアベルが視た全てを総合的に判断した後、下される予言。

意思に関係なく、霊子の反射すら読み解くアベルが傷を負うというのは異常事態なのだ。

 

 

「全て…… 全てこの、瞬間の為の…… 罠だった、という事…… か……」

 

布石(・・)、と言えよ第5十刃。 くくく…… くははははは! どうだよ? テメェが俺を殺せると思った瞬間に、逆に殺されそうになった気分はよぉ!えぇ!?」

 

 

おかしくて仕方がないといった風で仰け反り笑うノイトラに対し、アベルは珍しくも苦い表情を見せていた。

そう、全てはノイトラが仕掛けた罠、彼流に言えば布石だったのだ。

霊圧を抑え、アベルに対して警戒と対処をしていると思わせ、その対処の不十分さと未熟さ、予想外にもアベルの刃がノイトラの鋼皮を貫いた事すらノイトラに有利に運んだ。

霊圧操作は未熟だ、という印象をアベルに植え付けた後の解放、膨大な量の霊圧を正確に御し切れていない姿を見せることで印象は更に強まり、アベルは不自由な戦いを強いられたこともあり、本来の戦法によって決着を着けるために動く。

 

 

その全てが出来上がっていた道筋(・・・・・・・・・・)だとは気付かずに。

 

 

解放後、ノイトラは自分に出来る霊圧操作の全てを駆使し、自然に、あくまでも自然な流れとなるように全てを操った。

霊圧の流れ、鋼皮の硬度、更には自分の重心や身体の各部位の力の入れ具合まで、その全てを駆使して罠を張ったのだ。

自分の心臓こそ今、最も自分の弱点である、と。

 

ノイトラにとってこれは罠でありそして賭けだった。

賭けに負け、少しでも疑問をもたれれば自分は死ぬだろう、という賭け。

心臓意外にも急所などいくらでもある、なによりこの罠に気付かれれば勝ち目は消える。

だがそれでもノイトラはそれに賭けた、霊子に関係なくその意識、神経の全ては眼前に集中しアベルが現われるのを待ち構える。

それ故に動けず、背後から攻撃されればそれこそ心臓が貫かれるまで気が付かないほどに。

 

そしてノイトラはその賭けに勝った。

アベルが現われた瞬間、ノイトラは内に溜め込んだ霊圧を瞬間的に、そして爆発的に解放する。

数年の間で、彼がいた地獄において彼の霊圧は比べ飛躍的に上昇していた。

それを瞬時に解放する事によってノイトラは、アベルだからこそ(・・・・・)隙が生まれると確信していたのだ。

 

霊子を視るアベル、その目の前で想像を超える霊子が吹き上がればどうなるか。

考えて欲しい、暗闇でいきなり目の前から光を照らされた時、貴方ならどうなるだろうか。

空を見上げ、そのまま太陽を直視すれば貴方の目はどうなるだろうか。

答えは簡単だ、焼きついて(・・・・・)しまう。

それに至らずとも一瞬視界は奪われて(・・・・・・・)しまうのだ。

アベルに起こったのはそういった現象、霊圧知覚とは人間と同じ、その知覚の大部分を視覚に頼る人間と同じなのだ。

それ故、目の前で突如として爆発した霊圧にアベルは瞬間その視界を奪われる。

そしてその突然の出来事を把握するため、ほんの一瞬隙が生まれるのだ。

すべてを捉えるかの如き眼が、この時ばかりはアベルに災いを齎す。

 

一瞬の隙、致命的であるそれを曝したアベルに降り注いだのは、4つの大鎌による渾身の一振り達だった。

間合いが外れていようが関係ない、この一撃の為だけに生きて来たと言っていいノイトラのそれは、視覚を失いながらもその他の感覚でそれを補ったアベルによって避けられはするが、一撃だけ強力な斬撃を与えていた。

 

これが先の出来事の全て。

いつも通り淡々と勝利を手にしようとしたアベルは、薄氷を踏むようなノイトラの罠に捕らえられ、その螳螂(とうろう)の鎌に首を差し出すところだったのだ。

まさしく執念の一撃、どうすれば勝てるのかという事を、そしてその為に地獄のような場所を生き抜いたが故の一撃。

それが今、ノイトラによって成されたのだ。

 

「様ぁ無ェな! 何が諦めた(・・・)のか、だ。俺は! 例え首だけになってもテメェの喉笛噛み千切って殺してやる!俺が! “最強”だ!!」

 

 

叫ぶのはノイトラ。

手に持った大鎌の一振りをアベルへと向け、宣言する。

自分は諦める事はないと、例え力尽きようともその時はお前を道連れにしてやると。

そして、お前を倒し、自分こそが最強であると証明すると。

 

最強という称号への拘り、おそらく全ての十刃の中でノイトラ以上にそれに拘る者はいないだろう。

戦いの中で生き、戦いの中で死ぬ事を望むノイトラ。

最強とは戦いを引き寄せる称号、故に最強ならば戦いは常に自分の傍にある。

それこそ彼の望み、故に求めるのだ、最強という称号を。

 

 

「最強……か。 無意味だ、そんなものは。 では、お前が敵を全て討ち…… 滅ぼし、屍の山の頂点に立った時…… 誰がお前の”最強”を証明する?誰もいない、屍の世界で、自分の最強を声高に叫ぶお前のそれを、誰が証明するのだ…… 判るか? “最強”などというのは只の言葉だ。無意味な幻想なのだよ第8十刃…… 」

 

 

叫ぶノイトラに腕を押さえながらも、アベルは冷淡に言い放つ。

最強などというものは存在しないと、そんなものは幻想で、只の言葉に過ぎないと。

相容れない、何処までも、何時までも。

目指すもの、求めるものが違いすぎる両者。

故に彼等は、相容れないが故に抹消しようとするのだ、敵対する邪魔者を。

 

 

「ケッ! テメェの理屈なんぞ知ったことか!最強は証明してもらうもんじゃねぇ! 示すもんだ!判ったら死んどけ!!」

 

「この問答自体が無意味……か。 だが私もそう易々と死ぬ訳にはいかない。今の一撃で私を殺せなかった事を悔やめ、第8十刃!」

 

 

振り下ろされたノイトラの大鎌を後ろに跳んで避けるアベル。

腕から流れる血を振りまきながらも、動きは精彩を欠くことはなかった。

そして再び砂漠へと着地すると、袖に隠れたまま左腕の傷を押さえていた右手を離す。

血に染まった外套、その右袖から現われたのはアベルの斬魄刀。

アベルはその斬魄刀を、眼の文様が刻まれた仮面の前に構える。

袖がずり落ち、初めて現われたアベルの右腕は白く、想像以上に細いものだった。

刀を握り、刃を上に向けるようにして丁度視線の先には鍔が来るほどの高さに構えるアベル。

そしてノイトラがしたのと同じように、霊圧を内向きに収束し、()を呼ぶことで解き放った。

 

 

「透かせ…… 『鶚貴妃(スパルナ)』…… 」

 

 

解号と共にアベルの霊圧が吹き上がり、螺旋を描いて昇るそれは竜巻となる。

その細い竜巻、垂直に、そして高速で回転するそれ、うねる事無くただ真っ直ぐに伸びるそれは風の柱にも見えた。

巻き上がるその竜巻、それとは別に上空からひらひらと何かが舞い降りてくる。

空に浮かぶようにしてゆっくりと落ちてくるそれは黒く、柔らかかった。

 

「羽…… だぁ?」

 

 

目の前に降りて来たそれを確認したノイトラがそう呟く。

そう、上空から降り注いだのは“羽”、大量の羽が闘技場の砂漠に降り注いでいるのだ。

そして竜巻にも変化が起こる。

何の前触れも無く、竜巻がその中程から左右に分断され、掻き消される様にして消えたのだ。

 

 

そこに現われたのは黒い翼だった。

翼の羽ばたき一つで自らを包んでいた竜巻を裂き、消し飛ばし、無数の黒い羽を撒き散らすようにして現われたそれは、それだけで見るものの目を奪うかのように荘厳で、まるで黒い十字架のようにすら見える。

翼を大きく広げたまま、空中に留まるように浮かぶ翼の主、白い外套を脱ぎ捨て、そして顔を覆い隠すようだった不気味な仮面もまた、今の翼の主には存在しなかった。

 

 

「何……だと……!?」

 

 

その姿を見たノイトラから、自然と声が漏れた。

驚愕、それ以外の感情を微塵も含まないその声色が、ノイトラの動揺を如実に語っている。

だがそれは仕方が無いことかもしれない。

誰がその姿を予想しただろう、一体どれだけの破面がその事実を知っていただろう。

おそらくは一握り、十刃すら知りえたかは怪しいそれは、だが紛れも無い真実として今、彼等の目の前に顕現している。

 

 

その黒翼は背中ではなく腰の後ろ辺りから生えており、広げた大きさはおおよそ5m程。

羽ばたけば黒い羽がはらはらと舞い降り、白い砂漠に黒を彩る。

だがその翼よりもなによりも、彼等破面達の目を引いたのはそのアベルの容姿だった。

 

短く、襟足だけが長かった黒髪は、全体が膝に届くほど長く伸び背中へと流れ、両側からほんの一房ずつが肩にかかるようにして後ろに流れていた。

身体の線は細く、肌は病的に白く、白いというより青白いと言った方が適切ではないかというほど。

しかし、その青白く細い線にあっても性を主張するその輪郭は丸みをおび、決して大ぶりではないがそれでも艶やかさが漂う。

肩から背中に掛けては大きく開かれ青白い肌が顕になり、それ以外を覆うのはやや後ろが長く、鳥の尾羽を思わせる優美な漆黒のドレス。

手を覆う手袋は此方も漆黒で、二の腕までを覆い隠し、胸のビスチェと同じラインを保っていた。

そしてその顔には、不気味さの漂っていた眼の文様があしらわれた嘴の仮面はなく、鼻の辺りまでを身体を覆うドレスと同じ漆黒のヴェールが。

そして唇には薄紫色のルージュがひかれ、艶やかであるがどこか怪しさを醸しだす。

 

 

 

「どうした、第8十刃? それ程この姿が意外だったか?私は今まで一言も、自分が男だと言った覚えは無い(・・・・・・・・・・・)のだが……な」

 

 

 

そう、その姿はまさしく女性そのもの。

第5十刃 アベル・ライネス、誰もが男であると、そう考え、決め付け、疑わなかった人物の本当の姿。

中性的ではあったが男であると、外套に包まれ見ることは叶わぬがその内にあるのは男の姿だと、真実疑うことがなかった。

それは固定観念、ネリエル、そしてハリベルという存在がありながらどこかでメスが十刃に立てるはずが無い、という卑下する考えが多くの破面の眼を暗く濁らせた結果がこの驚愕に繋がるのだ。

 

そうして驚愕の視線を一身に受けるアベル。

その黒い姿は、美しき花嫁を思わせるが、しかし一方で死を悼む喪服にも見える。

人生の始まりを告げる花嫁と、人生の終わりを見送る喪服の女、相反する属性を今のアベルはその身に纏っているのだ。

浴びせられる視線を露ほども意に介さず、眼下に半ば呆然と佇むノイトラを見る彼女。

 

 

「無意味な驚愕、無意味な眼差し、性別などという微々たるものにこれ程までに揺れる…… あまりに幼く、そしてあまりにも無意味だ…… 」

 

 

どこか辟易した様子で呟くアベル。

彼女からすれば性別などというものすら無意味なのだろうか、ただ生物を弐分する記号でしかないのだろうか。

そしてそれに囚われる多くの破面が、彼女にとって無意味に縛られる無意味な存在ということなのだろうか。

 

 

 

「第8十刃、もう一度だけ言おう。 先の一撃で私を仕留められなかった事、死して悔やむがいい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞い飛ぶ黒い嵐

 

六つの大鎌

 

一対の翼

 

啄ばむのか

 

それとも噛み切るのか

 

 

結末は

 

 

咆哮に消える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






急展開というか爆弾というか……
あえて言おう、アベルは女性だったw
驚いてもらえたら幸い。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。