プロローグ
黒谷ヤマメ
それは土蜘蛛の妖怪で旧地獄の洞窟内で住んでいた。
病気を操る程度の能力を持ち、蜘蛛の妖怪故に糸を操ることもできた。
いつもなら友達のキスメやパルスィ達と一緒にいるのだがその日は少しちがっていた・・・
「なんだこれ」
食糧を探していたヤマメはある穴を見つけた。
いつもなら気にしないが昨日にはなかった穴だ。
気になって中をのぞくと緑色に光っていた。
「え?」
気持ち悪そうにその光を見ていたら不意に後ろから押されるような気がした。
(実際はこいしが押した)
暗転する世界。
ヤマメは必死に糸を出して穴から出ようとしたが、糸が上手く壁に付かずどんどん下に落ちていった・・・
「ウッ」
どこまでも続くと思われた暗い穴は終わりを告げた。
ヤマメは妖怪故の耐えることが出来たが、それでも右腕を骨折し、そのまま気絶した。
「どれくらい寝てたのかな?」
周りを見渡すと夕日の光りが僅かに木々の間からさしこんでいた。
ヤマメが起きたときには結構な時間が経過していた。
「え?ここどこ?」
見慣れた岩肌の洞窟ではなく、木々が茂る森の中にいた。少しひらけた広場のような場所の上にヤマメは寝ていた。
「確か、私は不思議な穴に落ちて、それから・・・?
おかしい、何で木々がある?地底には木々がこれだけ繁った場所はないし、かといって、穴に落ちたのだから地上に行くはずがないし・・・」
右腕が折れているにも関わらず考えていた。
いつものヤマメなら、ここまで頭を使うことはしないだろうが今は緊急時。
色々な考えをしたあとにある答えを導きだした。
「隙間妖怪のいたずらか、もしくは事故で博麗結界に異変が生じて穴があいた。そこが私の落ちた穴だとしたら納得がいく。」
この時に彼女の思考に異世界や、パラレルワールドといった、平行又は、異次元上に存在する世界があるかもしれないと言う考えがあればまた違っただろう。
「え?」
私を見ている人がいた。
「あなたは!?大丈夫ですか。」
男の人だった。
正確には老人といった方がいいだろう。
そんな彼がこんなに近くに来るまで気がつかなかった自分が情けなく思うが、あることに気がついた。
老人の服装が外来人の着る服であることを。
そこでヤマメは彼にこんな質問をした
「大丈夫。 それよりここはどこなの?」
老人は驚いたあと、優しくこう言った
「お嬢ちゃん、ここは栗ヶ丘だよ。それよりお嬢ちゃんのご家族の方はいるのかな?」
【栗ヶ丘】
ここが幻想郷ではないことを知り、ふと腕に違和感があり、体を見てみた。
(右腕がポッキリいってたかー、ん?か、体が小さくなった!?え?え?えーーー。)
体が小さくなったことを一回保留にし、急いで老人の質問に答えなければ不信におもわれるとかんがえ、直ぐに老人に言った
「親はいないよ。」
少しの沈黙のあとに老人は「そうかい」
と呟くと老人は
「お嬢ちゃん先ずは病院に行こう。腕が折れてる」
これが私の異世界旅行の始まりだった。