幻想郷
【???】
「ごほごほ・・・遅いじゃない。」
私達の前にはスキマ妖怪と思われる異形の何かが喋っていた。
「・・・藍、橙彼女らに・・・。」
「「は。」」
私にはわかった。
・・・いや、ウォルター以外は察した。
幻想郷の賢者が人の形をすることができぬほど弱っていることが。
「賢者の式・・・何があったの?幻想郷に。」
「崩壊は止まらず・・・いや、9割り崩壊したよ。今は残った場所の維持だけで精一杯だけどな。」
藍が悔しそうに言う。
橙は涙を流している。
「・・・いや、1割りと言っても全体で見てでしょ。陥落してない場所はどこ?・・・場所によっては巻き返せる。・・・幻想郷の有力者達はどれぐらい残ってるの?敵の戦力、領土、指揮系統・・・賢者の式ならわかるでしょ。」
「・・・バラバラだ。例えるなら戦国時代初期で各地の小大名が乱立している状態だ。・・・残っている場所は天界、月・・・ここのみ。」
(・・・藍は私の敵という言葉を訂正しなかった。・・・元凶となる何かがいるんだな。・・・あと、私達が来るのがわかってたかのような反応・・・これも気になるな~。)
「ねぇ、賢者の式。あなたの口から敵という単語を使わないのは何か意味があるの?」
「・・・。」
「ら、らんしゃま。」
「・・・取り憑きだ。」
「・・・わかった。ねぇ、私はいつまでここにいればいい?・・・いや、なぜ私だけスキマで敵地に送り込もうとしている八雲紫!!」
今まで黙っていた妖怪の賢者が
「ごめんなさい。これしか私の愛した幻想郷を救うことができないの。」
と言うと私の座っている場所にスキマが現れ、落下していった。
「主様!!」
スキマの向こうから小傘の声が聞こえたような気がした。
【???】
ドン
「・・・着地成功っと。」
周りを見渡すと夜のように真っ暗だった。
「地下・・・いや、地上だね。空気の感じからして・・・。」
止まっていても仕方ないので歩き出すことにした。
【とある道】
ザッザッザッ
私の歩く音だけが響く。
普通なら風の音や虫の音、鳥の囀りが聞こえてきても良いのだがなにもない。
私はただ道を進んだ。
しばらくして私は微かな気配を感じた。
(妖怪・・・いや、人間の臭いもする。)
気配は一人・・・かといって半妖とはまた別の感じだった。
(・・・!?)
見えていた足元が見えなくなり、妖力を感じた私は周囲を妖力を使ってソナーのようにすると成人少し前の女性のような容姿の妖怪?が現れた。
「あなたは私の殺し損ねた人間?」