〔数日後〕
「ん~みんなはクラスメートを全員覚えた?」
昼休みの時間にクラスでお弁当を食べていた私は食事中のみんなに聞いてみた。
「え?もう新学年になって2週間近く経ってるし、同じ学年だから覚えた?はないと思いますけど。」
答えたのは杉野君だ。
「・・・じゃあ何で1人で食事をしている子?がいるの?いじめ?」
「「「え?」」」
「やっぱり気がついてないんだ。・・・今日の宿題にするね。その子は誰だ?」
クラスのみんなはざわつきだした。
「ヤマメ先生って霊感あるの?」
「気づかないってなんだよ。」
「全員の名前を言っていけばわかるんじゃね?うちのクラスの人数を確認しながらさ。」
「じゃ俺が呼んでくから返事してくれ。」
学級委員の磯貝君が名前を呼んでいく。
「・・・あれ?ん?」
呼んでいくうちに何人か違和感に気がついた。
「なぁ、東横桃子って誰だ?」
「女子知らないか?」
「あれ?そういえば・・・。」
「顔が浮かんでこないや。」
「殺せんせーに聞いてみる?」
「「「賛成ー。」」」
この会話の中に桃子ことモモはいた。
「やっぱり誰もきがついてなかったっすか。」
ヤマメに私のことを気がついている人がいないか調べてほしいと頼んだのだ。
モモの影の薄さは前世よりも強力で肩を掴んだり、少し大きな声を出したくらいでは気がつかれなかった。
もっとも親にはうっすらと見えているし、一旦認知されれば20分間くらいはわかってもらえることを理解していた。
「影が薄いっすけど・・・まぁ大声を出して強制的に認知してもらう必要もないっすからね。・・・ネット麻雀でもするっすかね。」
私はWi-Fiの子機の電源を入れてスマホで麻雀をするモモだった。
「東横さんですか・・・。」
一方職員室では殺せんせーが困った様子をしていた。
「東横さんをしっかりと見えているのはヤマメ先生だけです。東横さんは窓際の一番前の席に座ってますよ。・・・あと、先生をあまり暗殺しようとしません。・・・これぐらいですかね。」
「殺せんせーでも見えないの?」
倉橋が質問する。
「近くに行けばうっすらと何かがいることはわかりますが・・・殺気も何もないときはまったく見えません。」
「・・・写真とれば?」
「カルマ君どういうこと?」
「存在感が皆無だったら電子機器を頼れば良いんじゃないの。たぶん写るよ。」
「た、確かに。」
「んじゃ渚任せた。」
「えぇぇ!?」
でも断れない渚は自分の携帯のカメラにして教室に移動した。
すると黒髪の少女がこちらを見ていた。
「こ、こんにちは。東横さんでいいんだよね?」
「そうっす。」
この時に初めてモモはクラスに認知された。