渚君がキレた。
本気の殺意を鷹岡にぶつけている。
私はさっき叫んだことで少し落ち着きを取り戻した。
皆も渚君に落ち着けと言っているが聞こえてないようだった。
そのとき渚君の頭になにかが当たった。
寺坂君のスタンガンだ!
寺坂君は渚君に怒鳴って渚君の感情を抑えれるように・・・
渚君は何かを感じたのか寺坂君のスタンガンを腰にさし、臨戦態勢に入った。
しかし、ここで渚君の致命的な欠点を私は見つけてしまった。
前回の鷹岡との戦闘は相手が油断し、一瞬視線を外して戦闘から暗殺に状況を変えることができたため勝利したが、今回は暗殺になりうる要素がどこにも存在しなかった。しかも鷹岡はついこの前まで第一空挺団の精鋭なのだ。あそこの異常な戦闘能力の高さを私は直接見てきたため、渚君の勝利はないと思ってしまった。
渚君は懸命に戦った。
口の中が切れて血も出ていた。
だが、渚君は笑っていた。
私は昔、安倍晴明という男が狂ったように笑いながら攻撃をしてきたのを思い出した。
(ヤバイ、このままだと渚君の精神が崩壊する・・・。)
烏間先生に止めるように言ったが、寺坂君に止められた。何やら秘策があるそうだ・・・
バン
寺坂君に意識がいっていた私が音がした方を振り向くと、猫だましをしている渚君と何がおこったのかわからず放心状態の鷹岡がいた。渚君は流れるような動きで腰のスタンガンを鷹岡の脇に当て、鷹岡は崩れ落ちた。
笑みを浮かべながら
「鷹岡先生ありがとうございました。」
と言ってスタンガンを首に当て、気絶させた。
渚君が勝ったのだ。
皆は喜んでいたが、私は将来渚君の精神が壊れないことを願うのだった・・・
「よくやってくれました渚君。今回ばかりはどうなるかと思いましたが怪我も軽そうで安心しました。」
と殺せんせーが言ったが、皆はあることを思い出した。
(((薬どうしよう・・・)))
そのとき屋上に誰かがやって来た。
鷹岡に雇われていた3人の暗殺者だ。
皆は臨戦態勢になったが、私はプロの暗殺者達に殺気がないことに気がつき、落ち着いていた。
どうやら殺し屋達はウィルスがただの食中毒菌を改造したもので命の危険が無いことを伝えに来たようだ。
「・・・でもそれって鷹岡の命令に逆らったことになるよね。」
と岡野さんが暗殺者達に聞くと
「プロが何でも金で動くと思ったら大間違いだ。」
といった。
それからすぐに自衛隊の人達が来て鷹岡を含めそのボディーガード、プロの暗殺者達を拘束して、私達の潜入ミッションは幕を閉じた。
(あのガス使いのおじさんにもう一度会って話したいな~。)
そう思うヤマメだった。