初めておじいさんの家に来てから半年がたっていた。
私は自身の能力を戻せるように努力した甲斐あってか、少しずつもとに戻ってきたのを実感しつつ、今は書斎でおじいさんと世界地図を見ながら各国の歴史を勉強していた。
歴史を知ることは生きるために必要不可欠であると私は考える。世界的な大きな事件も、あまり目立たないような小さな事柄でも、知っていることによって自身の行動の選択肢を増やすために歴史は必要だ。
また、日本史はすでにだいたいの流れをおじいさんから教えてもらったので、今は自分で調べるようにしている・・・
千里視点
やはりこの子の学習能力はとても高いな。
本当は、字の書き方から始めようと思ったのに、本を読み聞かせてるうちに字を普通に書いていた時は驚いたものだ。
日本史も、私から教えられることは殆ど教えたが、もう自分で調べるようになってしまった。
ここまでできる子だと小学校にあがらせた時に浮いてしまうかも知れないのが最近の悩みなのだが、私のそんな憂鬱もこの子は気にすることなくどんどん伸びていっているのは、逆にほほえましくも感じる今日この頃だ。
ヤマメ視点
「ふー終わった。体が大きかった頃より頭に入りやすくて助かった。この分だと世界史はあと3ヶ月も有れば一通りできるようになるな~。次は算数をやるっておじいさんが言ってたけど昔から四則演算はできるからもう少しレベルを上げてほしい気もするんだけど。」
「おじいさんが悩んでいることは知っているけど、その事を気にしてたら勉強できなくなっちゃうもんな。」
その事を考えてテレビを観ていると、東京の方でコスプレをして踊っている人達の映像が流れてきた。
最近の流行りなのかな~と思い、それが漫画やアニメのキャラクターであると知り、また時間があるときに調べてみようとなんとなく考えながらヤマメはちがうチャンネルのニュースをみるのだった。
「これでよし。」
小学校入学まであと2週間と迫った頃には小学校でやる内容の殆どを覚えきっていた。
ヤマメ自身の経験から来るものが多かったためにスラスラ進んだからだ。
「さて、入学のための教材も持ったし、大丈夫かな?」
「ヤマメ、ちょっと来なさい。」
「ん?わかったよ。」
おじいさんのところに行くと新しい靴が置いてあった。
「これを履いていきなさい。」
「ありがとう。」
おじいさんの気づかいに感謝し、新しく来る生活を楽しみにする気持ちの半面あることを気にしていた。
(隙間妖怪のせいでここにいるなら何らかのアクションがあっていいはずなのにないってことは・・・)
《私は幻想郷に帰ることはできるのだろうか?》
次回小学校