神ヲ喰ラウ者(休載中)   作:流々

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どーも!
來です!
このところ忙しかったので更新遅くなりました!
すみません!
では張り切ってまいります!


Mission4:神機

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

オレは今日も訓練に勤しんでいる。

とは言えまだ1週間とかそこらだ。

そしてたった今オレはオーガテイルを斬り伏せた。

しかし別に本物のアラガミというわけではなく、バーチャルによって作られたものである。

 

などと考えているのも束の間

新たなオーガテイルがこちらに向かってくる。

 

 

「チッ!」

 

 

それに対して即座に迎撃態勢をとる。

が、しかしオーガテイルの動きは異常なまでに早い。

直線的に突進を仕掛けてきていたはずのオーガテイルは

こちらの初撃を寸出の所で回避すると地面を蹴り飛び上がり大口を開けた。

 

 

「クソっ!ジュリウス!この野郎!」

 

 

オレはジュリウスに毒づきながらも後方へ飛び

オーガテイルの捕食行動を回避する。

 

 

「やられっぱなしで居られるかよ!」

 

 

間髪入れずにオーガテイルとの距離を詰め始める。

その距離約30mといった所か。

オーガテイルも尾を振りかざし棘を飛ばすモーションに入った。

それでもオレは足を止めない。

残り10m。

オーガテイルの棘が射出された。

 

 

「あんまりオレを見くびるなよ?アラガミ風情が!」

 

 

5m、4m、3m。

オーガテイルの棘が迫ってくる。

2m、1m...。

 

 

「はぁ!!!」

 

 

気合一閃、オレは全神経を両足に集中させ前方へと踏み込んだ。

オーガテイルの棘攻撃には幾度となく訓練失敗に追い込まれてきた。

それでも、弱点はある。

それは、一般の成人男性よりもやや低めの身長のオレにとって

オーガテイルの棘の射出点が遥かに高い位置に存在することである。

故に狙いすまされた棘は、斜め上方より降り注ぐように向かってくる。

オレはそれを利用した。

 

そもそも神機使いの保身行動とされるものは大きく分けて二つある。

一つは神機に装備されている、「装甲」を展開する事。

そしてもう一つは後方もしくは左右へ飛びしさる事で敵の攻撃を「回避」する事。

 

この状況において、この二つの選択肢どちらを取っても決して致命傷になる事は無いはずである。

 

それでもオレは選択肢のどちらにも当てはまらない前方へと踏み込んだ(・・・・・)のである。

 

しかし冷静になって考えてみてほしい。

先に述べたようにオーガテイルの攻撃は斜め上方よりこちらへと向かってきている。

尚且つ回避行動の解説を安全な地帯へ飛びしさる事、としてみよう。

そう、安全な地帯であれば左右後方である必要は無い。

 

つまりオレはオーガテイルの棘を紛れもなく前方へ回避(・・)したのである。

 

並みの人間では精神的に不可能なことかもしれないし

正直なところオレもこんな事は恐ろしい。

それでも生き残るために最善の策を選択するのが生かされたオレの使命であると考えている。

 

 

「がぁぁ⁉︎」

 

 

この踏み込みにはさすがのオーガテイルも不意を突かれたらしい。

反応がほんの一瞬だけ遅れた。

オレにとってはそれで充分だった。

神機レプリカを振りかざしオーガテイルの大口を引き裂いた。

 

と、同時に廃墟であったはずの周りの風景が殺風景な金属色の壁へと移り変わった。

 

 

「ああ...お疲れ様。」

 

 

声を掛けてきたのは教官でありブラッド隊長のジュリウスである。

 

 

「お疲れ様...じゃねえっつんだよ!ジュリウス!お前殺す気か!」

 

 

「フッ...と言いつつクリアしてるじゃないか。レベル20攻略おめでとう。ナナもかなり戦えるようになってきているし、お前らならもう...」

 

 

「あー!おつかれー!」

 

 

ジュリウスがなにかを言いかけた所でナナがこちらへと寄ってきた。

 

 

「おう!おつかれ!なんだ今日も元気だな!」

 

 

ナナの元気に疲れが吹き飛んだような気がした。

 

 

「そんなことよりさ!訓練したらお腹すいちゃったよ〜!一緒にご飯にしよ!ご馳走するよ!」

 

 

「どーせおでんパンだろー。」

 

 

「あーなにその嫌そうな感じ〜。そういうこと言ってるとあげないからね〜。」

 

 

ナナは少し拗ねたように先にロビーへと向かった。

 

 

「はいはい。オレは犬かよ。そういうことだ。悪いなジュリウス。話はまた後で。」

 

 

オレはおでんパン欲しさに軽く挨拶を済ませ、ナナの後を追った。

 

 

「フッ...文句を言いながらも付いて行くんだな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レベル20クリアしたの〜⁉︎ルル君ってすごいんだね〜!私なんてまだ14だよ〜。」

 

 

「なぜかジュリウスはオレにだけスパルタだからなー。自ずとクリアするしかなくなるんだよ。」

 

 

オレとナナは軽い食事(おでんパンではあるが。)を済ませロビーで談笑していた。

 

 

「フフ♪フフフ♪フッフッフッ〜♪」

 

 

すると突然鼻歌が聞こえてきた。

 

 

「ん?」

 

 

オレはふとそちらを見ると向こうも気がついたようであった。

 

 

「あれ?見ない顔だね、君ら。」

 

 

と思うのも束の間声を掛けてきた。

金髪にニット帽。

一言で表すならチャラ男といったような身なりの男である。

 

 

「こんにちは!」

「ども。」

 

 

オレとナナはフライアでは確実に下っ端なのでとりあえず挨拶をした。

 

 

「あ、ひょっとして噂の新人さん⁉︎」

 

 

「ああ...じゃなくてはい!これからお世話になります。」

「お世話になります!先輩!」

 

 

彼はオレたちが新人だとすぐに気づいたらしい。

そんなに噂になっているのか。

そしてまたついタメ口を使いそうになってなんとか立て直す。

 

 

「口の利き方なんかなんでもいいって!そんなことより先輩...なんかいい響き!」

 

 

どうやらごまかせていなかったらしい。

しかし見た目に違わぬキャラだったことが幸いし、追求されることもなかった。

 

 

「よし!俺はロミオって言うんだ!先輩がなんでも教えてやるから、なんでも聞いてくれ!」

 

 

この先輩の好意はオレにとってはありがたかった。

ナナはここに来る前ラケル博士の児童養護施設に居たらしく、なにかあればラケル博士に相談している。

しかしそのラケル博士が苦手なオレは聞きたいことが溜まりまくってた所だ。

 

 

「あ、その前に言っておく!ブラッドは甘くないぞ!覚悟しておけよ!」

 

 

なにから聞こうか迷ったがやはりまずはすべての根底に存在することを聞こうと思った。

 

 

「そうだなあ。そもそもブラッドってなんなんだ?」

 

 

「お、おお、いい質問だね。うーん...そうだなあ...ブラッドは...えーと...血の力を持っていて...そう!血の力に目覚めると...必殺技が使えるんだ!うちの隊長なんてすごいんだぜ!どんなアラガミだってズバーン、ドバーンって倒しちゃうんだからな!」

 

 

あー聞く相手間違えたかなーなんて思っていると

必殺技という響きにナナが反応した。

 

 

「すごーい!じゃあロミオ先輩の必殺技ってどんな感じなんですか?」

 

 

正直それは気になる。

その必殺技ってものにも個人差が現れるのかどうか。

今後自分たちが習得していく上で重要なことである。

 

 

「ば、バッカ、お前、ほら...必殺技ってのはさ、そんなすぐに手に入るもんじゃないんだよ...」

 

 

ん?ってことはロミオは使えないってことでいいのだろうか?

しかし使えないとなるとあくまで後輩という立場であるオレが突っ込むのも申し訳なく感じる。

 

 

「あ、そうだ!今みたいな質問はさ、ブラッドを設立したラケル博士にどんどん聞けばいいと思うな!」

 

 

それができたら苦労しない。

なら別なことを聞いてみるか...。

と思っているのも束の間...

 

 

「じゃ、またな!」

 

 

ロミオはそそくさと去っていった。

 

 

「あれ...?質問タイム...もう終わり?なーんかまずいこと聞いちゃったかなー?」

 

 

ナナが不思議そうにつぶやいた。

 

 

「さあ...な。でもまあいい先輩っぽくてよかったよな!仲良くできそうだ!それよりオレたちもそろそろ休むか!」

 

 

なんとなく察しはついたがそんなこと追求してもしょうがないのでオレたちは各々部屋へと向かい体を休めることにした。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
少々長くなってしまったのと
間が空きすぎてしまい少し文体がおかしいかもしれません。
今後もなるべくマメに更新するように心がけますが
間が空いてしまっても必ず更新いたしますので気長にお待ちいただけると光栄です!
では、感想等お待ちしております!

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