艦これ Short Story《完結》   作:室賀小史郎

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戦艦メイン。


艦これSS三話

 

 執務室へ戻ると既に朝潮は秘書机で待機していた。

 

提督「今戻った。待たせてすまないな」

朝潮「いえ、私も先程戻ったところです。あと赤城さんからご伝言があります」

提督「聞かせてくれ」

朝潮「はっ! 『目標である敵艦隊を殲滅。怪我人は小破二名。これより帰還します』との事です」

提督「そうか。朝潮、ドックへ行って妖精さん達に準備をしておくよう伝えてきてくれ」

朝潮「了解しました!」

 

 そう返して朝潮は透かさずドックへと向かった。

 

 霰達がまとめてくれた書類を確認していると、ドアをノックする音がした。

 返事をすると静かにドアが開き、数人の艦娘が姿を見せる。

 

大和「提督、演習準備完了しました」

 

 そう言って敬礼するのは、大和型戦艦一番艦、大和。

 第一艦隊に所属する武蔵の姉で、まさに大和撫子を体現している艦娘だ。今回は演習任務についてもらっている。

 

扶桑「こちらも訓練の準備が終えました」

山城「いつでも訓練開始出来ます」

 

 静かにそう報告するのは扶桑型航空戦艦一番艦、姉の扶桑と二番艦で妹の山城。うちの鎮守府では古参の戦艦で、今は駆逐艦や軽巡洋艦等の娘達の対戦艦訓練指導にあたってもらっているのと同時に訓練時の総監督をしてもらっている。

 

提督「うむ。では、訓練を開始してくれ」

扶桑「畏まりました。では提督、また後程」

山城「終わり次第、姉様と報告書を作成して持っていきますね」

 

 そう言って二人は微笑んで執務室を出ていく。

 

提督「では大和、向こうの鎮守府の提督によろしく伝えてくれ。向こうは重巡洋艦をメインに対戦艦演習をご所望だからな」

大和「はい。戦艦大和、推して参ります」グッ

提督「ははは、頼もしいな。みんなも怪我のないよう事にあたってくれ」

 

伊勢「航空戦艦の凄さ見せてあげるわ!」

日向「提督に良いところを見せようと張り切り過ぎるなよ?」

 

 自信満々に胸を張るのは伊勢型航空戦艦一番艦姉の伊勢。いつも陽気で味方艦隊を鼓舞してくれる。

 そして後からしっかりと釘を刺したのが伊勢型の二番艦の妹の日向。物静かだがいつも姉や他の艦娘達のフォローをしてくれている。

 

提督「二人もよろしく頼むよ」

長門「任せておけ。ビックセブンの力見せてやる!」

陸奥「私の出番ね。いいわ、やってあげる!」

 

 胸を張って答えるこの二人は長門型戦艦一番艦で姉の長門と二番艦で妹の陸奥だ。

 二人共面倒見が良くみんなから慕われている。大和と同じように今回は演習任務をしてもらっている。

 

提督「では、旗艦大和を先頭に伊勢、日向、陸奥、長門の順で単縦陣。伊勢と日向の瑞雲運用は今回は無しとする」

五人『はっ!』

 

 敬礼を互いにし合い、五人は演習任務へと向かった。

 

 それから朝潮も戻り、時計を見るとそろそろ出撃した艦隊が戻る頃合いなので、私と朝潮は共に第一艦隊を出迎える為、埠頭へと向かった。

 

 埠頭ーー

 

朝潮「司令官は出撃と遠征の帰還時はよく出迎えてくれますね。毎回みんな凄く喜んでいます」

提督「そうなのか? 私はただ出来るだけ皆の無事を確認したいだけだ。出撃や遠征後の体調確認、怪我の具合、疲労度等を実際に自分の目で見るのも皆を預かる者の責務だからな。でも何より帰って来た時の皆の笑顔を見れるのは嬉しいからな」ニコッ

朝潮「司令官がそうやって私達を気遣ってくれているのを知っているから、こうして出迎えてくれる司令官にみんな笑顔で応えるんですよ。それに一人一人にお褒めの言葉もくださいますし、みんな司令官のために頑張っていますから」ニパッ

提督「そうか……私がしていることが間違いではなくて良かったよ」

 

 朝潮とそんな話をしていると、朝潮が何かに気が付いた素振りをする。

 

提督「帰ってきたか?」

朝潮「はい、武蔵さんを先頭に雪風ちゃん、赤城さん、能代さんで赤城さんの右に利根さん、左に筑摩さんの輪形陣のようです」

提督「うむ、的確な帰投の陣形だな」

朝潮「あ、武蔵さんが気が付いたみたいですよ」

提督「そうか……では、朝潮。第一艦隊帰還に対し敬礼っ!」

朝潮「はっ!」

 

 第一艦隊が港に着くまでの間、私と朝潮は心から彼女達へ敬礼を送った。

 

 ーー。

 

赤城「第一艦隊敵艦隊を殲滅し、無事帰投しました!」

 

 海から上がってそう笑顔で報告する旗艦赤城。

 

提督「みんな、よくぞ無事に戻ってきたな。御苦労様」

朝潮「皆さんお疲れ様でした!」

 

 それから私と朝潮は小破の能代と筑摩の肩にタオル掛ける。

 それから私は事前に確認した戦闘データを元に、一人一人へ言葉を送る。

 

提督「能代、的確な牽制と雷撃で見事な働きだった。暫くはゆっくり休みなさい。阿賀野達もお前と過ごしたがっているだろうからな」ナデナデ

能代「は、はい! お心遣い感謝します! これからも提督のお力になれるよう頑張ります!」ニコ

 

提督「利根、お前の策敵のお陰で大きな被害も出ずに済んだ。疲れを癒し次に備えてくれ。これからも頼りにしている」ポンポン

利根「ふふん、吾輩にかかればどうと言う事はないのじゃ! これからも大船に乗ったつもりで居ると良いぞ!」ドヤァ

 

提督「筑摩、雪風を良くフォローしてくれた。お前のような部下を持ったことを誇りに思う。傷を癒し疲れを取りなさい」ナデナデ

筑摩「うふふ、そんなに誉められると姉さんに怒られてしまいます。これからも頑張ります」ニッコリ

 

提督「雪風、敵艦隊を翻弄し隊列を乱したのはお手柄だった。暫く休暇をあげるから陽炎達とゆっくり過ごしなさい」ポンポン

雪風「はい、司令! その時は一緒に遊んでくださいね!」ウデダキツキ

 

提督「武蔵、敵戦艦を一瞬で凪ぎ払ったのは見事だった。これからもその力で我が艦隊に勝利をもたらしてくれ」カタポンポン

武蔵「あぁ、任せておけ。この武蔵、提督の為にもっと強くなるぞ」フフ

 

提督「赤城、先制爆撃、偵察、艦爆とどれも見事な働きだった。食事も用意してあるから思う存分食べなさい」カタポンポン

赤城「上々ね! 提督、ボーキ二キロいただきます! 次も一航戦の誇りをお見せ致します!」ジュル

 

 言葉を送り、第一艦隊全員にドックへ行くよう指示を出してから、私と朝潮は執務室へ戻って仕事を再開した。

 

 

 執務室ーー

 

朝潮「提督。お茶でも淹れましょうか?」

提督「もう一五時を過ぎているのか、なら一息入れよう。お茶はーー」

○○「ヘーイ、テートクー! ティータイムならワタシ達の出番ネー!」

 

 そう言って勢い良く執務室へ入ってきたのは金剛型戦艦の一番艦、英国子女で長女の金剛だ。

 いつも明るくどんな状況でも艦隊を鼓舞する頼もしい存在だ。姉妹を大切に思い、紅茶をこよなく愛する艦娘でもある。

 

 そして金剛を先頭に後ろから三人の艦娘が執務室へ入ってきた。

 

金剛「比叡、ティーセットの準備は良いデスカ?」

比叡「はい、金剛お姉さま! 気合い! 入れて! 持ってきましたから!」

 

 元気に返すのは金剛型戦艦二番艦、次女の比叡。裏表の無い性格で純粋で真っ直ぐ。金剛大好きな艦娘だ。

 

金剛「榛名、お茶の葉とお湯の準備は良いデスカ?」

榛名「はい、此方にちゃんとご用意してますよ」

 

 微笑みを返すのは金剛型戦艦三番艦、三女の榛名。いつも謙虚で心の優しい艦娘だ。時たま予想外の行動力も見せる。

 

金剛「霧島、お菓子の準備は良いデスカ?」

霧島「はい、間宮さん達に頼んでご用意したのが此方に」

 

 眼鏡をクイッと上げて返すのは金剛型戦艦四番艦、四女の霧島。頭脳派で冷静に物事を判断するクールな艦娘だ。良く会議資料等の作成をしてくれるが、戦闘になると三人の姉以上の戦果を出す為、一部艦娘達から『脳筋』と呼ばれている。

 

 金剛達がてきぱきとお茶会の準備を進め、あっと言う間に準備が終わった。

 

提督「いつも時間ぴったりだな。みんないつもありがとう」

金剛「テートクとのティータイムは大切な時間ですからネ~!」ヒダリウデダキ

比叡「大好きな姉妹に司令も揃うなんて最高の一時ですから!」グッ

榛名「お礼なんて……榛名には勿体無いです……!」ミギウデダキ

霧島「司令はもう少し私達に仕事を回してくれれば尚良いのですけれどね」ニコ

 

 あれよあれよと席に座らされ、金剛が丁寧に紅茶を淹れ始めた。

 

榛名「ささ、朝潮ちゃんも此方にどうぞ」

朝潮「あ、すみません。私まで……」

比叡「気にしなくて良いのよ。今日は朝潮ちゃんが秘書艦だもん。お姉さまの紅茶で残りも頑張ってね」

霧島「そうよ。何なら私が代わりにやって、朝潮は訓練に行っても良いのよ?」

朝潮「だ、駄目です! 私の仕事を取らないでください!」

金剛「そうネ、霧島。朝潮の仕事は朝潮に任せるネー! ヘイ、テートクゥ~! 金剛スペシャルティーネ~♪」

 

 みんなが話している間に淹れ終えた紅茶をそれぞれの前に置く金剛。

 

提督「ありがとう……うん、フレバリーで良い紅茶だ」

金剛「そんなに誉められると照れてしまうネ~♪」ニヘラ

朝潮「私、紅茶って詳しくないんですけど、金剛さんが淹れてくれたこの紅茶はとても綺麗で良い香りがします!」

金剛「サンキュー、朝潮! さぁ皆サ〜ン、心行くまで堪能してくださいネ~!」

 

 そうして私達はゆっくりと紅茶を口に含む。

 

提督「……うん、美味い。私は特に拘りとかは無いのだが、金剛の紅茶は本当に美味しく飲める……流石は金剛だな」ニカッ

金剛「っ……その笑顔は反則デ~ス……////」キュンキュン

霧島(今の笑顔は金剛姉さまに効果抜群でしたね)ニヤリ

榛名「金剛お姉さま、羨ましいです……」

比叡「お二人が素晴らし過ぎて生きるのが辛い……」

朝潮「でも、本当に美味しい……」

金剛「おかわりもあるから、遠慮せずに言ってくださいネ~♪」ルンルン

 

 上機嫌の金剛に私達は笑顔を返し、穏やかな時間を過ごせた。

 

 片付けを終えた金剛達は笑顔で執務室を後にした。

 それから今日の残りの書類をあらかた片付け、時計を確認すると第三艦隊が遠征から帰る時間が迫っていた。

 朝潮もそれに気が付いてニッコリと笑顔を見せて私と共に埠頭へ向かったーー。




ここまで読んでくれて本当にありがとうございました!
次も頑張ります!

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