「ぐあ……っ!」
士道の身体は既に限界だった。人智を超えた力が人間の身体が耐えるはずがなく―――ついに士道は、壁際に追い詰められてしまっていた。
「く……」
力の入らない腕に〈
「士道は休んでいなさい」
一夏は士道の前に立つ。
銃を構えた
「手こずらせてくれたな。だが、終いだ」
「……………」
恐らく、
「爆ぜよ、
〈
「く、うが、ぁ、ぁ……っ!」
〈
「こちらに居られましたかー、一夏さん」
砕かれた窓から、煌びやかな霊装を纏った美九が現れ、廊下に降り立ったのである。
「美九!」
士道が叫ぶと、美九は不機嫌そうにフンと視線を逸らした。
「気軽に呼ばないでもらえますぅ?」
相も変わらず愛らしい顔に似合わぬ鋭い罵倒で士道のを抉ってくる。
窓の外を見ると、美九をこの階層まで運んできたのだろう、天使を顕現させた四糸乃と八舞姉妹の姿が見受けられた。
◇
外では予想以上の激戦が広がっていた。
DEMの
そんな中で赤と黒のCR‐ユニットを纏った者たちが高速飛行を繰り広げていた。
「……あなた、味方を!」
「はははハ! 無駄よォ!」
五河士道の妹と名乗る崇宮真那とDEMの第三戦闘分隊の隊長、ジェシカ・ベイリーが戦っていた。
「どうやら……まともな判断力さえ残ってねーようですね」
真那はスラスターを小刻みに駆動させて空をジグザグに飛行しながら、忌々しげに眉を歪めた。
そんな戦闘の中に一機の
「なんですか。あれは……」
真那が目にしたのは白い騎士。それと同時に頭の中で危険を知らせるアラームが鳴り響いた。
(勝てる訳がない)
エレン以上の存在を目にしたが、後方から真那を襲う者がいた。
「マァァァナァァァ―――ッ!!」
「しつけーですね……!」
鬱陶しげに眉根を寄せ、舌打ちをこぼす。
だが、その瞬間。ふんわりと風が過る。
「邪魔だ……」
一撃。白い騎士はジェシカを切り捨てた。
「マァ……ナァ……」
ジェシカは重力に従い、地上へと落ちていった。
ジェシカの最後を見届けた真那の背後を冷たい指でなぞられるかのような感覚が襲う。
「―――!?」
真那は慌てて身を翻し、回避行動を取った。
次の瞬間、真那の身体があった空間を、真那の身の丈ほどあろうかというレイザーブレイドが通り抜けていく。
「―――おや、避けましたか。いい反応です」
言って、いつの間にか真那の背後に現れた少女が、悠然と顎を上げながら言ってくる。
ふわりと宙に舞う金髪。色素の薄い肌に纏うのは、白金のCR‐ユニット。
DEMインダストリーが誇る最強の
「エレン……ッ!」
「襲撃者たち……」
言いかけてところに白い騎士がその手にあるブレイドを振り下ろす。
「毎度毎度、人が話してい所に入るとは……」
白い騎士はエレンを目の前にすると、先程とは別格の殺気を漏らす。
まるで
「真那を相手する予定でしたが……織斑千冬、あなたを先に倒すことにしましょう」
言って、エレンは剣を構えた。