インフィニット・ア・ライブ/ステイナイト   作:ぬっく~

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第七章 再会

束の下でISの講義&訓練をされてから数年が経った。

学校の方には、あの日から一度も行っていない。でも、連絡は取っているから生存していることだけはあいつらには知っている。中学の卒業証書はクロエが回収しに行ってくれたそうだ。

ともあれ、俺……いや、私は束のラボ《吾輩は猫である(名前はまだ無い)》で生活を送っていた。

 

「クロエ。そっちは運んじゃって」

 

「はい」

 

一夏はキッチンで料理をしていた。クロエに出来た料理を運ばせ、束はホークとスプーンを立ててまだ? と言う顔で待っていた。

ここ最近、分かったことなのだが……長女って女子力低いの?

千冬姉は女子力は下の下なのは知っていたが、束姉も下の下とは思わなかった。

クロエも同じく、料理はできない。ここでの食事は何が出ているの!? が私の初めてのツッコミだったことは、今でも覚えている。まあ、ここでの生活でクロエに料理は教え、束姉には整理整頓を徹底的に教えたんだけどね。

 

「いっちゃん、まだ~」

 

「もう少しです」

 

まったく……とため息を吐きたい。

一夏はささっと料理を盛り付けて運ぶ。

 

「そんじゃあ、いただきます」

 

『いただきます』

 

束は一夏の料理の味を覚えてしまったことは明白である。じつのところ、ISの講義と訓練はすでに終えている。しかし、いい年こいて束がだだをこねたのだ。クロエも行っちゃだめと悲し気な顔を見せられ、しかなくもう少しいることにしたのだが……まさか、中学を卒業するほど残るとは思ってもいなかった。

 

「そうそう。知っていた? ちーちゃん、IS学園って呼ばれる学校で教師をやっているの?」

 

束から千冬が日本代表を引退してからIS学園で教師をしていることを聞かされた。

そんで、今日はIS学園一年の公式試合であるクラス対抗戦が行なわれようとしていたのだ。

 

「ふ~ん。千冬姉が……」

 

「ついでにいっちゃんの力試しには持ってこいの日だしね」

 

「千冬姉が怒るよ?」

 

「いいの、いいの♪ まったく使い方を知らない凡人が集まった学園を襲撃したところで、どーだっていいのさ」

 

束はさらっと言い捨てる。一夏も束の空気に汚染されたのか、そう言ったことにはあんまり違和感を感じていなかった。

 

「さすがに私一人で行ったら、色々と不味いし……アレも出していい?」

 

「うん~~。まあ、いいかな。くーちゃん」

 

「はい。調整当は既に済んでおります」

 

一夏たちはふたたび料理に手を戻した。

 

 

    ◇

 

 

「あ~あ~。派手にやったわね」

 

一夏は『白式』を纏いながら、IS学園上空で待機していた。

したの方では、束お手製の無人機IS『ゴーレム』が赤み掛った黒のISと蒼のISを襲撃していた。しかし、一夏はそこであることに気付く。

 

「あれ? 鈴?」

 

赤み掛った黒のISに搭乗していたのは幼馴染の凰鈴音だったのだ。

弾からの話だと中学二年の時に故郷に帰ったということだから、鈴は一年で代表候補生になったということになる。

 

「あの鈴が……」

 

一夏は少し嬉しかった。

ふたたび出会えることを望んでいたけど、まさかここで出会えるとは思ってもいなかったのだがら。

 

『一夏様、そろそろお時間です』

 

「ん。了解」

 

クロエの通信を聞いた一夏は『白式』から《雪片弐型》を取り出す。

 

「再会の挨拶と行きますか!」

 

『白式』を急降下させ、一夏は『ゴーレム』のいるスタジアムに突っ込んだ。

着地と同時に砂煙が発生し、一夏はそれを切り裂き、その姿を全ての生徒の前に姿を見せた。

新たな登場に専用機持ちとゴーレムは一夏の方に視線を向ける。

 

 

    ◇

 

 

「新たな機体反応です!」

 

「次から次と、何だ!?」

 

千冬と副担任の真耶はゴーレムの襲撃でこのアリーナの制御下を奪われ、困惑をしているところに新たな機体の登場に驚いていた。

しかし、その機体を写し出されると千冬は今までに見せたことのない驚きを見せる。

 

「一夏……」

 

「え?」

 

真耶も千冬の言葉に驚く。この少女のことを知っているならしも、千冬ははっきりとその少女の名前を言ったのだ。

 

「織斑先生……あの少女のことをご存知なんですか?」

 

千冬も言葉に出してしまったことに気付き、真耶に全てを話す。

 

「ああ。私の……妹だ」

 

「はい?」

 

真耶もその回答には驚き、その少女の顔と千冬の顔を見比べる。

そして、瓜二つ顔に真耶も声を出してしまった。

 

「ええええええ―――ッ!!!!」

 

そんなやり取りをしている内に状況が変わろうとしていた。

 

 

    ◇

 

 

「新手ですか!?」

 

「あの顔……」

 

イギリス代表候補生、セシリア・オルコットは新たに来た白いISに乗った少女に驚いていたが、鈴はその顔に身に覚えがあった。

一夏は右手で《雪片弐型》を振り、空いた手で鈴に挨拶をし始める。

 

「よ! 鈴」

 

気軽に話かけるが、鈴は誰なのかは分からなかった。

 

「あんた誰? つうか、なんで千冬さんと同じ顔なのよ!」

 

「そりゃあ、姉妹だからね」

 

「はぁ!?」

 

鈴はますます分からなかった。千冬には弟が一人いるだけで、妹はいない。それに肝心の弟の一夏はあの日以降行方不明。連絡はしてくるので生きていることは知っているけど。居場所は分からなかったのだ。

 

「そんなことよりも、いいの?」

 

一夏はゴーレムを指先差す。

それに気づいた鈴はゴーレムに視線を戻すが、既に回避不可能な距離まで入り込まれていた。

 

「や……!?」

 

鈴も一撃を覚悟した瞬間、右に一気に引っ張られ、そのまま地面を転げまわる。

ゴーレムの一撃は空振りで終わり、鈴はすぐさまその光景を目にした。

ゴーレムの拳は白いISのブレードで止められており、一夏は余裕の表情を見せている。

 

「戦場では気を抜かないって教わらなかった?」

 

「あんた! 後ろ!!」

 

ゴーレムがふたたび一夏に目掛けて拳を振るが。

 

「え?」

 

一夏は片手でブレードを振り、その攻撃を捌く。

鈴のもとにセシリアが下りるも一夏は余裕の表情を見せながら言葉を交わした。

 

「あなたは……何者なんですか?」

 

「その質問は後で答えてあげる」

 

一夏はゴーレムの拳を弾き、ガラ空きなった腹部に左手を当てた。

 

「《雪羅》……」

 

荷電粒子砲が放たれ、ゴーレムは二つに分かれた。

その光景を見て鈴とセシリアは驚く。二人でもまともなダメージを与えることができなかたった相手をこの少女は一撃で終わらしたのだ。

一夏は止めにゴーレムの頭部に雪片弐型を突き刺す。

それによりゴーレムは完全に停止した。

 

「これで、お終いっと」

 

鈴とセシリアは息を飲んだ。

ここまで実力の差を見せられ、この少女に勝てるのかと思考を掛け巡らせていた。

 

「そろそろ、来るんだけどな……来たか」

 

一夏はISを解除し、こちらに向かってくる人物に目を向けた。

鈴とセシリアもそちらの方に目を向けると千冬と真耶が走ってこちらに向かって来る。

 

「久しぶりだね。千冬姉」

 

「この馬鹿者がぁ!!」

 

最初の挨拶が主席簿による攻撃だった。

 

「いてぇ!! 痛いじゃないか! 千冬姉!!」

 

「この馬鹿者が……心配したんだぞ」

 

頭を押さえる一夏に千冬は抱きしめた。

 

「あ~ん~。ごめん」

 

まったく状況がつかめない鈴たちはただただ目を丸くして見ていた。

その姿に千冬が気付き、咳払いをしていつもの雰囲気に戻る。

 

「織斑先生。この方は……」

 

最初に口を開いたのはセシリアだった。

それに続いて鈴も入って来る。千冬も流石に隠しきれんと、この少女について話だす。

 

「凰。お前なら知っているはずだが?」

 

「はい?」

 

「まさか、話していないのか?」

 

千冬は一夏に視線を向けると一夏は頬を掻きながら、視線を外していた。

千冬もそれを見て、ため息を吐く。

 

「自己紹介ぐらいはしろ。一夏」

 

その言葉に鈴は反応した。

そして、その少女と千冬に視線を往復させ。

 

「久しぶりだな。鈴」

 

「ええええええ―――ッ!!!!」

 

鈴の声はアリーナに響き渡った。

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