びょうじゃくぐらし。   作:久里浜燐

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8話、せいぞん

「…バリケードだ。」

ここに、生存者はいる。このバリケードはその一つの証拠になる。

「やっぱ、さっきゆきが聞いたのは…」

「生き残り、だったのね…。」

「とりあえず、早く行こう。」

そう言って俺は、バリケードを撤去する。段ボール製のそれは、すぐに取り壊せた。

武器を構え、突いてくるように指示する。廊下には奴らの影はない。

「…一気に行くぞ!」

声をあげて一気に走る。どうやら居ないようだ。

数本の通路を抜けたところで、物音が聞こえた。

「…生き残りか!?」

そっちのほうに向きを変えて、物音へと近付く。

「この部屋、か…。」

おそらく防災用の倉庫であろう部屋の前に立つ。

「誰かいるか?」

ノックをして、部屋の向こうにいるであろう人に声を掛ける。

どうやら中で何か話しているらしい…と思ったら物を動かす音が聞こえた。

少々待つとドアが開かれた。

「生存者…ですか?」

 

「…ここで二人で、か…。」

「いえ、二人と一匹です。ね?太郎丸。」

太郎丸、と呼ばれた犬はワンと返事をする。

「…とりあえず、荷物をまとめて…ここから出るか?直樹、祠堂。」

「できれば、そうしたいです…ね、美紀。」

「そうだね…圭。」

「それじゃあ…長居は無用だな、荷物をまとめていてくれ。俺は少し用事がある。」

このことを、他の皆に伝えないと。そう思って部屋を出る。

来た道を走って戻って、広い通りに出る。

「…いたぞ、生存者。」

「本当かっ!」

「ほらね、私の言った通りでしょ!」

「そんなことより、早く行ってあげましょ!恵飛須沢さん、若狭さん、丈槍さん。」

「そうだな、どっちだ?」

「こっちだ、行こう。」

後ろに速度を合わせるようにして先ほどの部屋まで向かった。

 

「…よし、帰ろうじゃないか。」

祠堂と直樹を合わせて7人となった俺たちは、荷物を持って非常階段を使い一階へと降りて行った。

だが、順調には行かなかった。

「げ、なんだこの数…!」

「集まって、る…?」

「知らんが、ここを突破するしかないだろ!」

そう言ってエスカレーターに向かって走った俺は100均で買ったライターの火をつけ、噴き上げる花火に火をつける。

「一気に抜けるぞ!」

エスカレーターを駆け降りるとほぼ同時に腹日が噴き出る。

あいつらが近寄ってくるが、すぐに火がついて、燃え上がる。

「走れ!すぐ外に車が止まってる!」

佐倉先生の車は往路と同じ、俺の車には直樹と祠堂…と、太郎丸が乗る。

疲れているだろうから横になる広さがある俺の車に乗せるそうだ。

「ちぃっ!」

一方向しか対処できない俺の代わりに俺たちに向かって襲いかかるあいつらを倒すのは恵飛須沢だ。

「全員逃げたか?恵飛須沢ァ!」

「後はお前だけだ、七辻!」

全員が外に逃げることができたらしい。いらない装備をおろして一気に外まで走る。

恵飛須沢が逃げ道を確保しながら逃げたおかげで、幾分か通りやすかった。

だがそれでも襲いかかる奴には鉄パイプで頭部を殴る。

そんなこんなで外に出て、俺の車の運転席へ一気に駆け込んだ。

「…ふぅ、これで…帰れる。」

佐倉先生のミニの後を追うようにして、俺は後輩二人と犬一匹を乗せて学校への帰路についた。




待ってる人は少ないかもしれませんが、お待たせしました。久里浜です。
遠足が早くなったおかげで二人が助かりましたが、この後はどうなることでしょうか…。
次回は珍しく日常回になる…かもです。

あと、やっと7巻買いました!いやぁ、早くも続きが楽しみです!

いつも通り感想・批評・誤字脱字の指摘お待ちしてますっ!
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