ハードモードに憧れて   作:照坊主

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遅くなりましたが更新です。

現在社会人となりまして、時間の都合の取り方を測り兼ねている次第でございます。

亀更新はもっと遅くなるかと思いますが、ご容赦の程お願い致します。


分岐点1

ふむ、ここか

なるほど、確かに廃材しか置いていないな

 

目の前にあるのは空になった樽や、壊れた木箱、ぼろぼろになったテーブルなどである

 

「…ここから奥にいけるのか」

 

置き場の入り口近くにある不自然な空洞、多分ほかにも使う者がいるからだろう

 

「あ、あの!」

 

さぁ、行こうと思った矢先、横から声がかかる

 

「ん?」

 

 

声のするほうに顔を向ければそこには

 

「ミアは亜人だけどちゃんとお兄さんを気持ちよくさせられるにゃ!」

 

いきなり訳の分からんことを言う猫耳娘がいた

 

「…?おい」

 

「お兄さんがしたいことなら何でもしてあげるにゃ」

 

「…いや」

 

「え、えと・・・お金は一晩50バレルでいいにゃ」

 

「…」

 

「あ…う…た、高かったですかにゃ!?で、でもこれ以上は…」

 

「…まずだな」

 

「は、はいにゃ!」

 

「私はこの土地に来たばかりで1バレルも持ってはいないのだ」

 

「…え?」

 

「よって君を買うことはできないし、買うつもりも無い」

 

「そ、そんな…嘘にゃ!」

 

む?嘘に見える格好か?

 

「こんなぼろぼろなんだ、嘘には見えんだろう?」

 

「で、でも、『銃』を持ってるにゃ!!」

 

「!!なぜわかった?」

 

「ま、前に銃を持ってる人の臭いと同じ臭いがしたにゃ」

 

銃自体の臭い…火薬の臭いか?

 

可能なのか?火薬の匂いだけを嗅ぎ分けることなんて…

 

「…確かに、持ってはいる、だが1バレルも無いのは事実だ」

 

「そ、そんにゃ…」

 

「…すまんが、行かせてもらうぞ」

 

そう言い残し廃材の隙間をくぐろうとすると

 

「!駄目にゃ!!」

 

足首をつかまれ

 

「うお!!」

 

バランスを崩し

 

ゴン!!

 

「あ…ごめんなさいにゃ…」

 

頭を地面にぶつけるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまりは、客をとる時はこの奥でヤルからいないでくれ…と?」

 

「は、はいにゃ…」

 

呆れたものだ

 

「…普通自分の家なり相手の宿なりに行くものじゃないかね」

 

「あ…うう…その…」

 

「何か理由でも?」

 

「あ…お客さんの宿にはいけないにゃ…」

 

「亜人だからか」

 

無言でうなずくミア、まぁ、私からすればコスプレか何かの延長線上だ

 

「で?」

 

「…え?」

 

「自分の家に呼べない理由だ…家無しな訳でもないだろう?」

 

「あ…うう…」

 

言葉に詰まるミア、家はあると

だとするならば、だ

 

「家族でもいるのか?」

 

「あ…いないにゃ」

 

「…だったらなぜだ?」

 

不可解だ、一人で暮らしているのならば無用心と言えるかもしれないがそれぐらいはできるはずだ

 

「…お家に入れたくないにゃ」

 

「そうか、わかった」

 

そして私は廃材の隙間へと

 

「ま、まってにゃ!もう少し言い訳させて欲しいにゃ!!」

 

行けずにまた足を捕まれる

 

「ええい、離せ!」

 

「お、お仕事できなくなるにゃ、離さないにゃ!」

 

むぅ…仕方ない、シルバ殿のところで火に当たりながら一晩過ごすか

 

「分かった、奥には行かない、だから離せ」

 

「ほ、本当ですにゃ?嘘ついたらいけないですにゃ!」

 

「私は嘘は言わん」

 

少なくとも、言う必要が無ければな

 

「わ、わかり「お、いたいた」た…?」

 

「これがお前の言ってた亜人?」

 

「そーそー…ん?」

 

足を離され立ち上がった私が見たのは、私に目を向けるいかにも悪党と言わんばかりの顔をした男、そのすぐ横でミアを品定めしているバンダナの男だった

 

「あ?先客か?」

 

バンダナが話をかけてくるが

 

「んなわけねぇだろ!こんなボロが娼婦を変えるわけがねぇ!」

 

そういって鼻息荒く此方へ向かってくる男

 

「ん?…お、おい、待てってグラブ!!」

 

それを諌めるバンダナ、ふむ、グラブと言うのか・・・あの男は

 

「うるせぇ!!」

 

言葉とともに殴りかかってくるグラブ

 

体重を乗せた拳、左足を前にして打つ大振りのパンチだ

顔面狙いだろうが、分かりやすいし何より遅い

 

拳が当たる直前に拳の進行方向へ回転し、威力を受け流す

回転しつつ腰のベルトに挟んでいた銃を取り出し

 

パァン!

 

「ぎゃああああ!!!」

 

足を撃つ

 

「グラブ!!てめぇ!!」

 

相手も拳銃を持っていたようで此方へと向ける、距離は20m

 

「ぐぅぅぅぅ…いてぇ…いてぇよ…

 

蹲るグラブの頭に照準を合わせる、と同時に顔を此方へ向ける

 

「な…ま、待ってくれ、確かに殴ろうとはしたけど殺すことは無いだろ!?」

 

命乞いを始めるグラブ、命乞いのくせにどことなく偉そうだ

 

「なぜかな、お前みたいなのは今殺しておいたほうがいい気がしてな」

 

「なぁ、おい、待てよ、…そうだ、取引しよ「グラブ!!」う…なんだよベンズ!!」

 

バンダナの声に怒鳴るグラブ…あいつはベンズか

 

「グラブ…俺が話す、だから止血ぐらいしておけ、いいな」

 

「う…ああ、頼む」

 

こっちを見ながら受け答えするグラブ、どうやらただの馬鹿ではないようだ

 

「さて…もう分かってるとは思うが俺の名前はベンズ、そっちはグラブだ…乞食、お前の名前は?」

 

「…」

 

ふむ、ただ交渉に乗っても旨みはない

 

「おい…答えろよ、こっちだって銃があるんだぜ?」

 

そう言い一歩こちらへ歩もうとする…だが

 

「動くな」

 

「は?」

 

「お前…考えているな?」

 

イニシアチブはこちらにある、このまま私の勝ちにさせてもらう

 

「おいおい、俺が何を考えてるんだって…」

 

「その距離で私に当てれるかどうかだ」

 

「な…」

 

「君のは拳銃だ、そして私のはライフルだこの差は大きい」

 

「君が私に撃ち、当てられなければ君の相棒を殺し君も殺す」

 

「…」

 

「当たれば全ては丸く収まる、亜人を娘を抱き、私の銃も奪える」

 

「だったら」

 

「だが君には自信が無い」

 

「…っ!!」

 

図星だったようだな、交渉の場で動揺は禁物だ

 

「この暗闇の中、この距離で私を一撃で殺す自信が無い、当てれるのかさえ分からない」

 

「くっ…っそ!」

 

「考えることだ、だが私のコレは人間の頭なんか簡単に貫ける」

 

「…」

 

此方へ銃を向けたままベンズは固まってしまった

 

この言葉は嘘だらけだ、そもそももう一発しか残っていないのだ

 

しかも、今ベンズが構えている銃の弾丸と私の銃の弾丸は同じだ

 

拳銃弾か、ライフル弾か、この差は埋まることがないほどに大きい

 

「なぁ…」

 

今まで黙っていたグラブが言葉を発する

 

「なんだ」

 

「どうしたら・・・助かるんだ?」

 

よく見ると顔が少し青くなっている、止血はしたが多少失いすぎたようだ

 

「…そうだな、君は今何を持っている?」

 

「金か?金だったらあるだけ…」

 

「そうではない、何を持っているか聞いたのだ」

 

「あ、ああ…この前見つけたナイフとあいつが持っている銃…後は…」

 

ふむ、ここらが引き際か

 

「ああ、もういいぞ…ベンズといったか」

 

「え、ああ」

 

「銃弾をその場に置け」

 

「…は?」

 

「グラブとやら、お前はナイフだ」

 

「銃じゃなくて…銃弾をか?」

 

「私としては破格の条件だと思うが?」

 

「わ、わかった…ベンズ!!」

 

「…わかってるよ」

 

グラブは腰につけたあったナイフをその場に置く、ベンズのほうも皮袋を出して拳銃の銃弾と一緒に置く

 

私は銃声に腰を抜かしているミアのほうへ2歩下がる

 

「いいだろう、お前らが見えなくなったら銃をおろす」

 

「…覚えておけよ」

 

ベンズに運ばれるグラブが去り際にこぼす

 

しばらくすると暗がりに隠れ見えなくなったので宣言通りに銃を下ろす

 

「覚えておくさ…嫌でもな」

 

銃は高価かつ強力だ、あんなチンピラが持てるものじゃない

 

配っているものがいる、そう考えなくてはならないだろう

 

「あ、あの」

 

ん?…ああ、忘れてた

 

「すまんな、客を逃がすような真似をして」

 

「い、いえ…あの人たち、なんか嫌な感じがしたからいいですにゃ」

 

「そうか?ならばいいが…!?」

 

む?視界が・・・霞む?

 

「はい!…あの、どうかしましたかにゃ?」

 

「いやすまん、廃材の奥のほうにでも…放って置いてくれ」

 

「え?」

 

ああ、いかん、体が…支えられ…ん…

 

ドサッ

 

「え…?えええええ!?」

 

いきなり倒れ困惑するミア

 

「ど、どうするにゃ!?どうするにゃ!?」

 

廃材置き場とジンを何度も見て

 

「と、とりあえず運ぶにゃ…!」

 

ジンを背負い歩き出す、体格的にジンのほうが大きいので足を引きずる形になるが

 

「うう…重いにゃ~」

 

泣き言を言いながらも運ぶミア、死人のように動かないジン

 

この後、しばらくスラムには「泣きながら死体を運ぶ亜人」のうわさが広がることになった




ご意見ご感想、お待ちしております。




それとここで解説を、拳銃弾とライフル弾の差についてです。

拳銃とはそもそも、読んで字のごとく『拳の銃』です。
有効射程距離は長くても50m、達人と言われるレベルでも半分の25mがようやく当てれる距離でしょう。
拳銃とは拳の代わりに用いるために使用される銃です、そのため弾丸に使用される火薬の量もライフル弾と比べたらそれほどありません。

その点ライフル弾はどうなのか、と申しますと、よくゲームで出てくる『マグナム弾』と『ライフル弾』の火薬量は同等です。

マグナム弾はライフル弾と同等の火薬を用いた拳銃弾に適用される呼び方であり、拳銃しだいでは100m先のアフリカ像の頭を吹き飛ばすことができるそうです。

さらにライフル弾の特徴として、先端が尖った形状をしております(拳銃弾は楕円形です)
このため拳銃弾によりも、空気抵抗が少ないことに命中精度向上と貫通力向上による致死性の向上が見込めます。

以上より、拳銃弾とライフル弾では~の描写の補足とさせていただきます。

ゲーム中でも思いましたが32口径の拳銃弾では余程柔らかい部位か、眉間ど真ん中じゃなきゃ仕留めれないだろ、などど思っていたのでこのような描写を差し込みました。まぁマグナム弾なら話は違ってくるのですが…ね?

ちなみに、銃弾は弱い部分へと逃げていく性質があるので、頭に撃った場合頭蓋骨の丸みで外に逸れていくそうです。
このことから、マフィアなどは仕留めた相手にも2、3発撃ち込むそうです、あな恐ろしや…
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