読む気が進まない方は即引き上げることをお勧めします。
それでもいいと言う方はこのままどうぞ。
昆虫型デジモンの森
ウィルスバスターズが撤退した後、一同は和解とヴリトラモンたちの感謝も兼ねて宴を開いていた。
「今日は飲めるだけ飲むぞ~!」
一匹のクネモンが酔いながら言う。ヴリトラモンたちも好意を受け入れ飲んでいる。ブイモンはライラモンの膝の上で調子にのってご馳走を頬張っていた。
「いやはや、皆さんには大変なご迷惑をおかけしました。」
ヘラクルカブテリモンは申し訳なさそうに謝罪する。
「いや、俺も自分からやったことだから気にしていない。」
「でも、それにしてもあの昆虫か竜か分からないデジモンは一体何者だったのかしら?」
ヴリトラモンの隣でリリモンは不思議そうに言う。
「そう言えばあの体の一部はスティングモンに似ていたな?」
ヘラクルカブテリモンは考えながら言う。そこへ今まで姿が見当たらなかったコカブテリモンが一枚の紙を持って一同の目の前に来た。
「ヘラクルカブテリモン様、グランクワガーモン様、スティングモンさんからの手紙が見つかったです!」
「何!?スティングモンからだと!?」
包帯を巻いたグランクワガーモンは驚いた顔でコカブテリモンから手紙を受け取る。
「壊された拠点に置手紙のように置いてあったです。」
手紙には以下のことが記されていた。
『拝啓、グランクワガーモン様
この手紙を読んでいる頃は私はすでにこの地を離れている頃だと思います。私はオオクワモンの策略により危うく命を落としかけましたがとあるお方の力に救われました。しかし、その代償として私は昆虫型デジモンとしての自分を捨てなければなりませんでした。今までお仕えしたグランクワガーモン様の許可なく勝手にこの地を去るのは大変失礼なことだとは思いますがこの竜でも昆虫でもない姿を晒すよりはいい方だと思い静かにこの地を去ることにしました。これからは恩人のとある事情で普段は動けませんが何かあれば必ず駆けつけます。今まで兄妹同然に慕ってくれたあなたのことは決して忘れません。どうかヘラクルカブテリモン様と共にこの地をお守りください。
あなたの部下 パイルドラモンより』
「・・・・・・あのバカが・・・・」
手紙を読み終えるとグランクワガーモンは思わず涙を浮かべた。
「グランクワガーモン。」
「気にすることはない、アイツのことだ、この手紙通りこの地にまた何かが起これば必ず戻ってくる。必ずな。」
そう言い終えるとグランクワガーモンは夜空を見ながらこう言った。
「いつでも帰ってこい、スティングモン・・・・・いや、パイルドラモン。例え姿が何だろうとお前は俺のかけがえのない仲間。そして、ここがお前の故郷だ!」
サイバードラモンのピラミッド
「・・・・・・・」
昆虫型デジモンの森から引き上げたサイバードラモンは部屋に戻った後一枚の写真を持ったままベッドで寝っ転がっていた。
「・・・・・彼女か・・・」
サイバードラモンは何気に口にした。そこへメタルグレイモンが部屋に入る。
「兄貴、知らせだ。奴がスピリットを持ってこっちに来るそうだ。」
「・・・・・そうか。」
サイバードラモンは寂しそうに言う。そんな姿をメタルグレイモンは心配そうに見る。
「なあ、兄貴。アイツをあんまり信用しないほうがいいんじゃないか?奴は確かにウィルスじゃないけどどう見ても裏がありそうだ。もう少し慎重に・・・・・」
「うるせえ。」
「でも・・・・・」
「どう足掻いても俺はもうあの頃には戻れない。決してな。」
サイバードラモンはそう言うと持っていた写真をゴミ箱へと放り投げた。
「もうそれだけのことをしてきたんだ・・・・もう戻れない・・・・・アイツの所へも・・・・」
サイバードラモンはそう言いながら部屋を出て行った。それを見届けた後、メタルグレイモンはそっと写真を拾う。
「きっと待っているさ、あの人は。」
サイバードラモンのピラミッドから少し離れた森
「はあ・・・はあ・・・」
夜の森の中、白い翼を持った天使は辺りに警戒しながら攻撃態勢に入っていた。そして、暗闇では不気味な笑い声が聞こえてくる。
「ふふふ・・・・・大人しくスピリットを渡してくれれば手は出さないと言っているのにどうしてそこまで逃げるのです?」
暗く見えない森の奥から口だけしかないのっぺらぼうのような顔が現れる。
「ホーリーアロー!」
天使は光の矢をのっぺらぼうに向かって撃つ。しかし、のっぺらぼうは笑みを浮かべたままである。
「ジェネラスミラー。」
そう言うと鏡のような物が二つ現れ矢は反転し彼女に直撃する。
「きゃあ!」
まともに喰らった彼女はその場で倒れてしまった。
「おやおや、完全体でありながらこの程度の攻撃で倒れてしまうとは・・・・よっぽど疲れていたのですね。」
森の奥から現れたのっぺらぼうはその姿を露わにする。両腕には鏡の盾を持ち、顔も口以外のものが一切存在していない。彼は彼女から二つのスピリットを取る。
「やはり手に入れていましたか。おかげで手間が省けましたね。」
のっぺらぼう、メルキューレモンは不敵な笑みを浮かべて言う。
「そ、それを取ってどうするつもり・・・・・」
天使は無理に立ち上がろうとする。
「無理はしないほうがいいですよ。もうあなたは用済みですから。」
「スピリットをどうするつもりよ・・・・」
「簡単なことです、実験ですよ。」
「実験?」
「そう、私個人のね。通常のデジモンでもスピリットを使いこなすことはできますがそれは飽くまでも一種類が限界。しかし、それ以上にスピリットを取り込ませるとどうなると思います?」
メルキューレモンは笑みを浮かべながら言う。
「ま、まさかあなたが彼を!」
「気がつきました?サイバードラモンとあなたがゴタゴタになっていることに目を付けさせ、彼を誘惑させることであなた方天使型が保管していた光のスピリットを強奪させたんです。いや~恋に裏切られるというのは意外な力を発揮するのだと感心してしまいましたよ。」
「わ、私のせいで彼があんなことを・・・・・」
落ち込む天使にメルキューレモンは慰めの言葉を投げる。
「そう落ち込まないでください、貴方は別に何もしていないんですから。そう、全ては彼の勘違い。フフフフフフ・・・・」
そう言い終えるとメルキューレモンは消えるようにその場を後にして行った。
「私の・・・・・私のせいで・・・・」
天使は涙を流しながらその場で倒れてしまった。
翌朝のヴリトラモン一行
昨夜の宴の後、ヴリトラモンたちはこれからのスピリット集めを考えるなら先にウィルスバスターズを叩いた方が早いという判断で密かに拠点に奇襲をかけようと考え、サイバードラモンのピラミッドへ向かうことにした。これには先日の戦闘による戦力の消耗とサイバードラモンが回復しきっていないことを考えての作戦だった。
ヘラクルカブテリモンの話で幸いピラミッドはいた森からそれほど遠くないということもあり一行は足を急いで進んでいた。
「まずはどうするつもりなの、イチカ?」
ライラモンはブイモンと手を繋ぎながら聞く。
「まあ、作戦は俺とチビでやる。と言うよりも俺が表で大暴れする。そうすれば奴らの本隊がピラミッドから出てくるはずだ。そこをリリモンとライラモンで援護射撃をしてくれ。格闘戦ならチビがフレイドラモンに進化すれば何とかなる。」
「イエーイ!俺も兄貴と戦えるんだ!」
「結局、力攻めということね(汗)。」
リリモンは少し心配そうに言う。心配しているのはヴリトラモンの傷の方だった。確かにサイバードラモンと比べれば軽傷ではあるが戦闘中に悪化でもしたらどうしようと考えると不安でたまらない。
「あんまり無茶しないでね。」
「お前は心配し過ぎだ。」
そんな会話をしていた時ブイモンは突然足を止める。
「どうしたのチビちゃん?」
「なんか泣いている声がする。」
「泣いている?誰が?」
「女の人の声のようだけど・・・」
「どれ?」
「・・・・・・・しくしく・・・・」
確かに聞こえた。ヴリトラモンたちは気になり鳴き声が聞こえるところへと行ってみることにした。茂みの奥には天使型デジモンがよりによって体育座りをして泣いていた。
「あれは・・・」
「エンジェウーモン、大天使型デジモンよ。でもなんでこんなところに?」
リリモンは不思議そうに見る。
「あ、兄貴!この写真見て!」
ブイモンは彼女のすぐ隣に落ちていた写真を見て慌ててヴリトラモンたちに見せる。
「「「こ、これは!」」」
ヴリトラモンたちは驚いた顔で写真を見る。写真はそこにいるエンジェウーモンとデジモンがお互い肩を寄り添っているものだが問題はそのデジモンだった。
「サイバードラモン・・・・」
ヴリトラモンたちは緊張した顔でエンジェウーモンを見る。エンジェウーモンもヴリトラモンたちの存在に気づき辺りは深刻な空気に包まれた。
今回の技
ホーリーアロー=エンジェウーモン
ジェネラスミラー=メルキューレモン
今回の話で呆れている読者がかなり増えたと思います。こんな作品ではございますが最後までお付き合いしていただけるなら幸いです。
最近デジモンワールド‐next-order-をプレイしたのですがコロモンの進化枠にシャウトモンが入っていました。
「あれ?こいつもしかして成長期!?」
と言う感想でした。デジモン調べてみると意外と奥が深いです。