ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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遂にIS編突入。
ウィキで再確認したけど細かい設定については勘弁してください。
取り敢えず今回はプロローグ的な話です。嫌な方は嫌にならないうちに戻りましょう。

それではどうぞ。


IS編
人間界へ


旧ピラミッド跡

 

キマイラモンとの戦闘から丸二日が経った。

 

「これからどうするつもりなんだ?」

 

ヴリトラモンはサイバードラモンたちに聞く。かなり衰弱していたサイバードラモンではあったがこの二日間の休息でどうにか自分で歩けるところまで回復した。

 

「さあな、組織も自分で潰しちまったんだ。しばらくは罪を償う旅になるかもな。」

 

サイバードラモンは真面目に言う。隣ではエンジェウーモンが彼の手をしっかり握っている。

 

「それに気になるのはメルキューレモンの野郎だ。俺を利用したアイツだけは絶対に許さねえ。」

 

サイバードラモンはこぶしを握り締めながら言う。そして、しばらくした後落ち着いて言う。

 

「まあ、俺たちも俺たちで自分なりにやっていくつもりだ。それと・・・」

 

サイバードラモンは照れくさそうな顔をする。

 

「アンタらには感謝しなくちゃな。おかげで彼女と和解できたんだからよ・・・・」

 

「今度は離すんじゃないわよ?」

 

リリモンはエンジェウーモンを見ながら言う。

 

「わ、分かってる・・・・・って、離すわけないだろう!もう!」

 

サイバードラモンは顔を赤くしながら言う。ちなみにエンジェウーモンも顔を赤くしており、メタルグレイモンたちは恥ずかしそうに後ろを振り向いた。

 

「それじゃあ、元気でな。」

 

「ああ。」

 

「エンジェウーモン、今度は絶対離しちゃだめよ。」

 

「はい。」

 

「バイバーイ!」

 

一行は手を振りながら彼らを見送る。特にブイモンは彼らが見えなくなるまで大きく手を振っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

サイバードラモンたちの姿が見えなくなった後ヴリトラモンたちはその辺の瓦礫に座りながら考えていた。

 

「これからどうするのイチカ?」

 

「もちろん今まで通りスピリットを探す旅だろうな。」

 

「でもさ、あののっぺらぼう野郎にスピリット取られちゃったわよ?」

 

四人は話し合いをしながら今後のことについて考えていた。そのとき

 

「その話、ちょっと待ってはくれぬか?」

 

四人の上から声がした。全員上に顔を上げると一斉に驚いた。上空からデュークモンが真紅のマントを靡かせながら降りてきたのだ。ヴリトラモンたちは慌てて離れる。デュークモンはゆっくりとさっきまでヴリトラモンたちが座ってた場所に降り立つ。

 

「あれってもしかしてデュークモン!」

 

ライラモンは驚きながら言う。

 

「うわあ!またロイヤルなんとかだ!」

 

「ナイツだ。」

 

「そう慌てる必要はない。」

 

デュークモンは武装を解除して一行を落ち着かせる。

 

「ところで話ってなんだ?スピリットの回収はまだ済んでいないぞ?」

 

ヴリトラモンはデュークモンの目的を気にしながら言う。

 

「そのスピリットの回収任務についてだが予期せぬことが起こった。」

 

「予期せぬこと?どういうことよ?」

 

「つまり考えもしなかったことが起こったってことよ。」

 

警戒するリリモンにライラモンが説明する。

 

「残りのスピリットが人間界にある。」

 

「人間界だと?どういうことだ?」

 

「つまり簡単に言おう。何者かの手により持って行かれたのだ。」

 

一行は何となく犯人の見当がついた。

 

 

メルキューレモンだ、奴が人間界に逃げたに違いない。しかし、デュークモンの答えは全く違っていた。

 

「・・・・・・すまない、もう一度言ってくれないか?」

 

「何度聞いても同じだろうがスピリットを人間界に持ち去って行ったのは人間・篠ノ之束とそのパートナーデジモンだ。」

 

ヴリトラモンは驚きのあまり目を見開いていた。

 

 

束・・・・・さん・・・だと?

 

幼馴染の箒の姉であり姉千冬の友人、そして、ISの開発者である篠ノ之束だと!?

 

 

ヴリトラモンは思わぬ答えに混乱した。その様子をリリモンたちは心配そうに見る。

 

「篠ノ之束が残り全てのスピリットを持ち去ったかどうかはこのデュークモンにも分からぬ。しかし、分かったことは人間界とデジタルワールドの間で反応があったことで我々ロイヤルナイツも追跡に出たが、まんまと逃げられた。」

 

「でもさ、ロイヤル・・・ナイツってある意味エリートなデジモンの集まりなんだろ?どうして捕まえられなかったんだ?」

 

「チビちゃん!もう少し話し方に・・・・」

 

「気にすることはない。篠ノ之束のパートナーは我々が予想していた以上に手ごわい相手だ。我々ロイヤルナイツ随一の策士家ドゥフトモンでさえ見事に一本取られたのだからな。」

 

「それで・・・・・俺にどうしろと言うんだ?」

 

ようやく落ち着いたヴリトラモンはデュークモンを見ながら聞く。

 

「我が君イグドラシルが言うことは一つ。ヴリトラモン、いや織斑一夏。人間界へ行け。」

 

「・・・・・」

 

デュークモンの言葉にヴリトラモンは黙る。

 

 

人間界へ行けだと?

 

あの腐りきった世界に。

 

女尊男卑に溢れかえった世界に。

 

 

今でもあの世界への憎しみは変わらない。

 

何も言わないヴリトラモンに対してデュークモンは考えたうえで言う。

 

「貴様があの世界を憎いと思うのは無理もない。しかし、このまま放置しておけば最悪の事態になりかねないのだ。どうか、この頼みを聞いてはもらえぬか?」

 

ヴリトラモンは考えた後深呼吸をしてから答える。

 

「はっきり言わせてもらえば俺はあの世界に帰りたくない。でも、あの束さんのことだ。デジモンとデジタルワールドの存在を公にされたら厄介だ。だから今回は敢えて行く。」

 

これがヴリトラモンの決断だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イグドラシル

 

イグドラシル内では既にデジタルゲートの準備が完了していた。

 

「これですべての準備が整ったな。」

 

ロードナイトモンは開いているゲートを見ながら言う。

 

「しかし、彼が素直に要件を呑むとは考えられんが。」

 

オメガモンはヴリトラモンの性格を考えながら言う。

 

「元はと言えば貴様の作戦に問題があったからこうなったのではないのかドゥフトモン?」

 

エグザモンは笑いながら言う。

 

「黙れい!そのことはもう言うな!」

 

ドゥフトモンは不愉快そうに言う。

 

「そう言っている間に来たようだぞ。」

 

面子が荒れている中何一つ態度を崩さないマグナモンは冷静に言う。ゲートが開きそこからデュークモンとヴリトラモン、そしてリリモン、ライラモン、ブイモンと続いて出てきた。

 

「デュークモン、その三人は何だ?イグドラシルはヴリトラモンを連れて来いと言っていたんだぞ?」

 

デュナスモンがリリモンたちを見ながら言う。

 

「どうしても見送りたいと言われてな。このデュークモンの顔に免じて許してはくれぬか?」

 

「しかし・・・」

 

「いいではないかクレニアムモン。」

 

何かを言おうとしたクレニアムモンにオメガモンが制止する。

 

「このデジタルワールドと人間界は時間の差が大きい。一体いつ再会できるか分からんしな。これぐらいは大目に見てもいいのではないか?」

 

「む・・・・・」

 

オメガモンの言葉にクレニアムモンは黙る。その一方でリリモンたちはヴリトラモンに別れの言葉を送っていた。

 

「しばらくお別れになっちゃうわね。」

 

ライラモンは寂しそうに言う。リリモンは別れたくないのか顔を上げようとしない。

 

「リリモンもお別れを言いなさい。」

 

「う・・・・うう・・・・」

 

リリモンは泣いていた。いつかは訪れるかもしれないと思っていたがこんなに早く別れることになるとは。それを考えると何も言えない。そんなリリモンにヴリトラモンは敢えて近寄って顔を上げさせる。

 

「リリモン。」

 

「う・・・・イチカ・・・」

 

「これでもう二度と会えなくなるわけじゃないんだ。だから、そんなに泣くな。」

 

「でも・・・・でも!」

 

何か言おうとしたリリモンにヴリトラモンは口づけする。するとリリモンはヴリトラモンを強く抱きしめた。しばらくしてリリモンは落ち着き、ヴリトラモンはマントの中から首飾りを出して彼女の首に付けた。

 

「これ・・・」

 

ヴリトラモンもマントの中から同じものを出し自分の首に付ける。

 

「これはお前と俺との約束だ。俺は帰ってきてお前と会うまでこの首飾りを外さない。だからお前もなくすなよ?」

 

「う、うん。約束する。」

 

リリモンは涙を拭き取りながら答える。一方ブイモンの方は別れるつもりがオメガモンに驚いたことを聞かされる。

 

「え!?俺も一緒に行くの!?」

 

「ああ、イグドラシルの命令にはお前もついて行くようにと言われている。」

 

「じゃあ、チビちゃんともお別れなのね。」

 

ライラモンはブイモンを抱っこすると強く抱きしめる。

 

「姉ちゃんまでそんなに悲しい顔しないでくれよ。きっと帰ってくるからさ。」

 

「本当ね?」

 

「本当本当!」

 

「じゃあ、指切りげんまんする?」

 

「うん!」

 

ブイモンとライラモンは指切りをする。

 

「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本の~ます、指切った!」」

 

その後ブイモンはライラモンに抱き付く。

 

「行ってきます!」

 

「いってらっしゃい。」

 

一通りの会話を終えるとヴリトラモンとブイモンはゲートの前に立つ。

 

「本来なら我々が行くべきなのだが・・・・・・本当にすまないな。」

 

オメガモンは申し訳なさそうに言う。

 

「気にしないでくれ。必ずスピリットを取り戻してみせる。」

 

「では、健闘を祈る。」

 

マグナモンは敬礼すると同時にロイヤルナイツの一部の面子(プライドの高いドゥフトモンなどはしない)も敬礼する。ヴリトラモンたちはゆっくりとゲートの中へと入っていく。

 

「イチカ!」

 

「チビちゃん!」

 

後ろを振り向くとリリモンとライラモンが笑顔で大きく手を振る。

 

「絶対に帰ってきてね!!」

 

「ああ!」

 

「チビちゃん頑張ってね~!」

 

「姉ちゃんも元気でね~!」

 

二人はやり取りを終えると人間界に続くゲートを突き進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

とある一軒家の中で一匹のオレンジ色のトカゲの様な生き物が階段を昇っていた。

 

「箒~!朝だよ~!箒~!」

 

生き物は大きな声で名前を呼びながら一つの部屋に入る。部屋のベッドでは何かがもぞもぞ動いていた。

 

「箒!朝だよ!ご飯の時間だよ!僕、お腹ペコペコだよ~!」

 

生き物はベッドに飛び乗り動いている物を揺さぶる。すると布団の中から一人の少女が髪を掻きながら起きる。

 

「う~ん~」

 

少女はまだ眠そうな顔をしながら目を擦る。

 

「また一夏の夢を見たな・・・・・」

 

「ねえねえ!朝だよ!朝だよ!」

 

「わかってる、おはようアグモン。」

 

少女・篠ノ之箒は生き物アグモンを見ると笑顔で挨拶する。

 

「早くご飯にしようよ~!」

 

「はいはい。」

 

アグモンに急かされながら箒は起きて着替えを始める。

 

「そう言えば箒ももうすぐで高校生だね。」

 

「ああ。」

 

「でも、僕も本当について行っても大丈夫なの?その・・・IS学園に?」

 

アグモンは心配そうに言う。そんなアグモンを箒は髪を梳かしながら言う。

 

「大丈夫だ、私を信じろ。」

 

「う~ん~」

 

「それよりもご飯じゃなかったのか?」

 

「あっ、すっかり忘れてた!」

 

「ハハハハ。」

 

「ねえ、今僕のことで笑ったでしょ?」

 

「違う違う。」

 

「いいや、絶対に笑ってた!」

 

「違うって言っているだろ?」

 

そんなこんななことを言いながら二人は下へ降りて行った。

 

 

 

 




IS編に入りましたがここでISヒロインのパートナーデジモンの一部を紹介。

アグモン(成長期・爬虫類型・ワクチン種)
箒のパートナーデジモン。外見は「アドベンチャー」のものをイメージして2006年版のベルトを付けたようなものです。実は箒とは長い付き合い。

こんな感じでIS編スタートです。ここから学園入学までの話を作る予定ですが苦労しそうです。


それではまた次回。
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