ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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新学期が始まってこれから忙しくなりそうです。

今回も途中で気分を悪くさせる危険性があるので気分が悪くなった場合はすぐに戻りましょう。

事前に言っときます。

「大きさの概念は捨てましょう。」

それではどうぞ。


クラス代表と幼馴染み

一年一組教室

 

「織斑・・・・って、もしかしてあの千冬様の弟?」

 

「きゃああああ~!代わってもらいたい!」

 

「イケメン!それになんかすごく優しそう~!」

 

一夏の自己紹介に女子生徒のテンションは異常と言うべく高まっていた。

 

「お前ら、静かにせんか!」

 

流石に煩さに千冬は女子生徒たちに一喝する。

 

「きゃあ~!本物の千冬様に怒られちゃった~!」

 

「もっと叱って!」

 

「でもたまには優しくしてください!」

 

「黙れと言ってるだろうが馬鹿共が!」

 

「きゃああ~!!」

 

「・・・・・・はあ。」

 

女子生徒たちは静かにするどころかむしろ千冬に叱られたことでさらにヒートアップする一方だった。そんな中箒だけは静かに一夏のことを見つめていた。

 

(一夏・・・・・やっぱり一夏だったんだな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自己紹介後の休憩時間

 

「一夏!」

 

箒は一夏の席にやって来た。教科書を読んでいた一夏は箒の事を見る。

 

「箒じゃないか!随分久しぶりだな。」

 

「一夏こそ元気そうでよかった。六年も過ぎたから私の事を忘れたかと思った。」

 

「忘れるも何もまさかお前とこんなところで会えるとは驚いたぜ。」

 

箒の六年間も長かったが一夏は十年以上もデジタルワールドにいたため箒に会うのは本当に久しぶりだった。そのとき丁度チャイムが鳴った。

 

「あ、もうこんな時間か。じゃあ、一夏また来るからな!」

 

箒は笑いながら自分の席に戻っていく。

 

『ねえ、箒~。』

 

「ん?なんだアグモン?」

 

『あれが箒の言っていた人?』

 

「ああ、あれが私の幼馴染の一夏だ。」

 

『なんかあの人からデジモンの臭いがしたような気がするんだけど・・・・』

 

「一夏からか?まさか。」

 

『でも、確かに匂っていたような気がしたんだけどな・・・・』

 

「気のせいだろう?お前何か悪い物でも食べて嗅覚がおかしくなったんじゃないか?だったら・・・・」

 

『うわあ~!く、薬だけは勘弁してよ!僕、あんな苦いもの飲みたくないよ~!』

 

「ははははは。」

 

箒は笑いながらアグモンをからかったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え~ここまでで分からない人はいませんか?」

 

副担任の山田真耶は教科書を読みながら生徒たちを見渡す。教え方も丁寧なこともあり一夏にとってもわかりやすいものだった。

 

「織斑君、分からないところはありますか?」

 

一夏はノートにある程度の説明を書き足しながら真耶の方を見る。

 

「大丈夫です。」

 

「そうですか。」

 

一見教科書しか見ていないような感じにしか見えなかったのか真耶は安心したような顔をする。

 

「先生の教え方はわかりやすくて助かります。」

 

「え?そうですか?」

 

「参考書だけだとなんかピーンと来ない所もあったので・・・・」

 

「うん、山田先生の教え方本当に上手!」

 

「教え方も丁寧だしね!」

 

「え、ええ・・・・そう言うこと言われちゃうとなんか恥ずかしいです~。」

 

一夏から始まった褒め言葉で真耶は授業が終わるまで恥ずかしそうに顔を赤くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真耶の授業後の休み時間

 

「ちょっと宜しくて?」

 

「何か御用かな?イギリス代表候補生セシリア・オルコットさん。」

 

棘の含んだ言葉で聞いてくる縦ロールの長い金髪の少女に対して一夏は普通に答える。

 

「まあ、男の分際で私の事をご存じなのですね。」

 

「知っているも何も大の男嫌いで俺にとっては有名人みたいなものさ。」

 

「なんですのその言い方は!」

 

「自己紹介で言ったと思うけど俺は人種差別する人間が大っ嫌いなんでね。アンタもそのうちの一人ということさ。」

 

「まあ、黙って聞いていれば!」

 

セシリアが何か言おうとしたときチャイムが鳴る。

 

「くっ、また来ますわよ!」

 

「おう、いつでも話し相手になるぜ。尤も他人をを見下さない話ならだけど。」

 

セシリアは怒りを露わにしながらも自分の席へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の授業

 

次の授業は千冬がIS各種の武装について説明する授業・・・・・なのだが。

 

「授業に本格的に入る前にまずクラス代表を決める。」

 

千冬の言葉に生徒全員が注目する。

 

「クラス代表は普通に言えば学級委員みたいなものだ。学校行事のまとめ役をしたり、クラスを代表して試合をしたり・・・・・まあ、簡単に言えばクラスの顔だな。他薦、自薦どちらでも構わん、誰かいないか?」

 

「はーい!私は織斑君を推薦しまーす!」

 

「私も!」

 

「私も!」

 

あちこちの席から一夏への推薦の声が上がる。

 

「織斑先生、拒否権は?」

 

「ない、潔く受け入れてくれ。」

 

「ですよね~。」

 

一夏はため息をしながら言う。

 

「わ、私も一夏を推薦する・・・。」

 

「お前もかよ箒。」

 

「ちょっと待ってください!納得いきませんわ!」

 

セシリアが突然横槍を入れてくる。

 

「このような選出は認められませんわ!下等な男がクラス代表なんて、このIS学園での良い恥じさらしですわ。私にそんな屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

余程気に入らないのかセシリアは席から立ち上がり抗議を始める。

 

「実力からすればこのわたくしがなるのが必然!それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!大体! 文化として後進的な国で暮らさなければ行けないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で・・・・・」

 

「はいはい、スト~~ップ!!」

 

「なっ!?」

 

一夏の言葉でセシリアは話を中断する。

 

「アンタのこの国が気に入らないことはよ~く分かった。でも、仮にも代表候補生だろ?もう少し自分の立場をわきまえたらどうだ?」

 

「なんですって!」

 

「そもそも代表候補生たる者が他国の誹謗中傷してどうすんだよ?お前のその発言で日英戦争が始まると言ってもおかしくないんだぞ?」

 

「そ、それは・・・・」

 

動揺するセシリアに一夏はため息をしながら真実を述べる。

 

「それとアンタは日本を文化としては後進的な国だって言ったけどよ。俺たちがこれから使うISを産み出したのは、この国の女なんだぜ?」

 

「うっ!」

 

一夏の指摘にセシリアは何も言えなくなる。

 

「それに俺から言わせてみればイギリスの飯はまずい!食なら日本の方が上だ。」

 

「織斑、それは言い過ぎだ。オルコット、お前も・・・・」

 

「もう許しませんわ!私をコケにして・・・・・こうなれば決闘ですわ!」

 

セシリアは一夏に指を指しながら威張るように言う。

 

「本気で言っているのか?」

 

「勿論ですわ、私は今ここで織斑一夏に対して決闘を申し込みますわ。」

 

「面白い、いいぜ。お前の挑戦状にのってやる。」

 

「威勢がいいのも今の内ですわ!負けたらあなたを私の下僕・・・・いや、奴隷にして差し上げますわ!」

 

「ハハハ、いいねえ。その度胸。でも、勝負となったら・・・・・」

 

さっきまで陽気に話していた一夏は突然目つきを変えセシリアの方を見る。その目から発する殺気は思わず彼女を震えさせる。

 

「俺も容赦はしない。」

 

 

 

 

その後一夏対セシリアの代表決定戦は一週間後に行うことが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後職員室

 

「すまない織斑先生。流石にあれはやり過ぎた。」

 

一夏は申し訳なさそうに頭を下げる。

 

『兄貴は何も悪くないよ。悪いのはあの金髪女だよ!』

 

デジヴァイスの中からブイモンが言う。

 

「まあ、早く注意を言わなかった私にも問題があったから今回のことは目を瞑ろう。」

 

「ああ、じゃあ今日はもう寮で休むわ。」

 

「わかった。鍵は山田先生から受け取ってくれ。」

 

「分かった。それじゃあまた明日。」

 

何気ない会話をした後一夏と千冬はそこで別れたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寮の一室

 

「じゃあ、私はシャワーを浴びているからアグモンはここで隠れててくれ。」

 

「うん、わかった。」

 

寮の部屋のベッドの下の隙間にアグモンは入る。ぬいぐるみのフリをすれば問題はないのだが万が一ということも考えて一回ベッドの下に隠れることにしたのだ。

 

「寝るときはぬいぐるみと誤魔化せれば問題ないからそのときはいつものようにしよう。でもいびきは気を付けろよ。」

 

「わかってるよ。箒は心配症だな~。」

 

「夕食は時間になったら持ってくるから大人しくするんだぞ。」

 

そう言うと箒はシャワールームに入っていく。

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「まさか相部屋だとはな・・・・」

 

一夏は頭を抱えながら言う。シャワールームの方からはシャワーお湯の流れる音が聞こえる。

 

「弱ったな、誰かもう来ているようだし。取り敢えず買い足しに行ってから戻るか。」

 

『兄貴、俺そろそろ外に出たいよ~!』

 

「しょうがねえな。」

 

一夏は一回部屋に入るとデジヴァイスからブイモンを出す。

 

「俺はお前の夕食の買い足しに行ってくるからその間ベッドの下にでも隠れてろ。」

 

「わかった!」

 

そう言うと一夏は部屋から出て行った。

 

「さて、俺も兄貴が行っている間ベッドに隠れるとするか。」

 

ブイモンはそう言うとベッドの下に入ろうとする。

 

「あれ?箒、もうシャワーは・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「「・・・・・・・・うわあああああああああ!!!!!」」

 

ベッド下にいたアグモンと顔が合い、二人は同時に驚いて部屋が大パニックになる。

 

「うわああああ!!!兄貴!!!」

 

「箒!!!!!」

 

二人は大混乱しながら走り回る。その声に箒も気づき急いでバスタオルを巻いて部屋に来た。

 

「どうしたアグモン!?」

 

それと同時に声を聞いた一夏が部屋に戻ってくる。

 

「どうしたチビ!?」

 

またもや二人の顔が合う。

 

「い、一夏!?」

 

箒は驚いたあまり体に巻いていたバスタオルを落としてしまう。

 

「あっ・・・・・・・」

 

「あ・・・・・・・」

 

「きゃあああああああああ!!!!」

 

「うわあああああああ!!!!!」

 

二人は同時に悲鳴を上げて驚き、箒は顔を赤くして思わず一夏の顔を打ってしまった。その衝撃で擬態プログラムが解除してしまい一夏はヴリトラモンの姿に戻ってしまう。

 

「しまった!」

 

打たれたことよりも擬態が解けてしまったことに驚いている一夏に箒は目を丸くするばかりだった。

 

「一夏、その姿は・・・・・・」

 

 

入学初日、一夏はよりによって箒に正体を知られてしまうという大失態をしたのであった。

 

 

 




次回はセシリア戦。

一様この作品の箒はアグモンとの交流で若干性格が改変しています。

次回はいつになるのやら・・・・・次回もあればまた。
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